世界的大ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの記念すべき1作目である『ハリー・ポッターと賢者の石』の日本での出版20周年を記念して、特別展「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展が2021年9月11日(土)から11月7日(日)まで、兵庫県立美術館において開催されています。

特別展「ハリー・ポッターと魔法の歴史」は、2017年にイギリス・大英図書館史上最大の成功を収めた″Harry Potter: A History of Magic″の国際巡回展となっています。
イギリスの国立図書館である大英図書館(British Library)は、世界で最も優れた研究図書館の一つで、大英図書館の大規模な展覧会が日本に巡回するのは今回が初めてとなり、大変貴重な機会です。

本展では、大英図書館のコレクションから、物語の主人公・ハリーが通ったホグワーツ魔法魔術学校の科目に沿って、魔法薬学、錬金術、天文学、薬草学、フェニックスやドラゴンといった想像上の動物などにまつわる資料を厳選して展示されています。
また、J.K.ローリング自身が所有する日本初公開の直筆原稿やスケッチも合わせて、シリーズに欠かせない“魔法”にまつわる様々な資料を紹介します。
是非、この機会にハリー・ポッターの魔法の世界をお愉しみください。
それでは、シネフィルでもいくつかの作品を紹介致します。

ジム・ケイ 《『ハリー・ポッターと賢者の石』の9と3/4番線の習作》
ブルームズベリー社蔵 ©Bloomsbury Publishing Plc 2015

ジム・ケイによる本作は、挿絵入りの『ハリー・ポッターと賢者の石』の絵本の挿絵に用いられた下絵です。
『ハリー・ポッターと賢者の石』で主人公・ハリーがホグワーツ魔法魔術学校へと向かうシーンで、新学期を前にホグワーツ急行に乗って学校に戻る生徒たちで混み合うキングズ・クロス駅の9 3/4番線が描かれています。

魔法薬学

ヤコブ・マイデンバッハ『健康の庭』 1491年 大英図書館蔵 ©British Library Board

魔術において薬作りは欠かせない技術で、特に科学や医学が発達していなかった時代においては特に重要とされ、ホグワーツ魔法魔術学校においては必須科目でした。
本作は、中世に印刷された初の博物学辞典で、主に、植物、動物、鳥、魚、石について書かれています。
木版画による挿絵は、手作業で色付けされています。

薬草学

「薬草書」 15世紀 大英図書館蔵 ©British Library Board

薬効を持つ植物は古くから薬の原料として使用され、世界各地の書物に記録が残されてきました。
中世には多くの学者が自ら写本を編集して個々の植物の性質を記録し、図解しました。

闇の魔術に対する防衛術

『エチオピアの魔術書』1750年 大英図書館蔵 ©British Library Board

魔法は多くの文化において悪の力に対抗するものとして使用されてきました。
例えばホグワーツ魔法魔術学校の授業でもスネイプ先生やルーピン先生が生徒たちに紹介した
狼人間、河童といった闇の生物から身を守るものとして、魔除けのお守りや呪文などが生まれたのです。

エチオピアで作られたこの魔術書には、お守り、魔除け、護符、まじないが豊富に収録されています。

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス《魔法円》 1886年 油彩/カンヴァス
テート蔵 ©Tate, London 2019

ウォーターハウスは19世紀イギリスを代表する画家で、魔女や魔法をテーマとする作品を多く描きました。
歴史を通じて魔女は醜く、邪悪な女性として描かれていましたが、ウォーターハウスが描く魔女は、それとは異なりました。—本作の魔女は美しい色鮮やかなのドレスを身にまとい、身を守るために自分の周りに杖で円を描いています。魔法円の外には、カラスやヒキガエルなど不吉な動物や頭蓋骨が見えます。

魔法生物飼育学

マヌエル・フィレス『動物の性質について』 16世紀 大英図書館蔵 ©British Library Board

中世の寓話集や近世の博物学の本には、実在する動物と並んで、ユニコーン(一角獣)やフェニックス(不死鳥)、ドラゴンといった想像上の動物が描かれていました。
このユニコーンは、16世紀のギリシャの写本に描かれたものです。

夢とファンタジーあふれるハリー・ポッターの世界がよみがえる、特別展「ハリー・ポッターと魔法の歴史」、是非、この機会にご覧ください。        (美学美術史学科専攻 米澤美也子)

展覧会概要

展覧会名:特別展「ハリー・ポッターと魔法の歴史」
会場:兵庫県立美術館
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内
会期:2021年9月11日(土)~11月7日(日)
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※ただし9月20日(月・祝)は開館、翌21日(火)は休館
観覧料:前売日時指定券 一般 1,800円、大学生 1,300円、70歳以上 1,000円
当日券 一般 2,000円、大学生 1,500円、70歳以上 1,000円、
障がいのある人(一般) 500円、障がいのある人(大学生) 350円
※高校生以下無料
※一般以外の料金で利用の場合は証明できるものを当日要提示
※障がいのある人1名につき介護の人1名無料。ただし、兵庫県立美術館公式サイトでの予約が必要
※コレクション展は別途観覧料が必要、本展と合わせて観覧する場合は割引あり
前売日時指定券販売場所:ローソンチケット ※2021年7月31日(土)10:00~数量限定販売
※前売日時指定券をお持ちの方、兵庫県立美術館公式サイトでご予約済みの方は優先入場
※障がいのある人、その他割引利用者(予約のみ)、高校生・招待券持参者(予約のみ)は、「兵庫県立美術館公式サイト」にて、観覧日前日まで前売券の購入・予約が可能。
問い合わせ先:078-262-1011(兵庫県立美術館)
兵庫県立美術館公式サイト

巡回展 東京ステーションギャラリー:2021年12月18日(土)~2022年3月27日(日)

「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展@兵庫 シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展@兵庫 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上2組4名様に、招待券をお送りいたします。
この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
*応募締め切りは2021年10月4日 月曜日 24:00
1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい(複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。