2011 年に 35 ミリフィルムで公開された空族制作・富田克也監督による『サウダーヂ』が公開 10 周年を記念してデジタルリマスター版にて 10 月 23 日(土)より K’s cinema にて劇場公開することが決定し、新しい新ビジュアル、場面写真、そして空族からのメッセージが到着しました。

©2021 kuzoku

映像制作集団「空族」が日本映画界に殴り込みをかけた出世作にして、10 年代を代表する
1本と今なお語り継がれる『サウダーヂ』が、遂にデジタルリマスター版で劇場公開決定!

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監督、富田克也は当時トラック運転手をしながら、相澤虎之助ら仲間と共に、映像制作集団「空族」を勝手に名乗り、1 年半の歳月をかけて自主制作でこの映画を作り上げた。
2011 年に公開されると、第 33 回ナント三大陸映画祭グランプリ<金の気球賞>、第 66回毎日映画コンクール<日本映画優秀賞&監督賞>、<第26回 高崎映画祭 最優秀作品賞>、「キネマ旬報」2011 年日本映画年間ベストテン6位にも輝いた、まさに 日本映画界に大旋風を巻き起こしたのが本作だ。

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当時は、映画館もデジタル化の流れが推し進められていた時期に、あえて 35mmフィルムでの上映を敢行するという暴挙も話題となった。
主演のひとり、猛を演じたのは、山梨のヒップホップクルーsitllichimiya のラッパー田我流。本
作公開後に発表された「B 級映画のように 2」(12 年)が発表されると、一躍、日本のヒップホップ界を牽引するラッパーとしてその名を広めた。
シャッター街で、この国の腐りきった現状 をフリースタイルでラップする姿は、映画史に残るシーンとして今も名高い。
空族はその後もタイ・ラオスオールロケ『バンコクナイツ』(16 年)、仏教をテーマに据えた『典座 -TENZO-』(19 年)と変わらず規格外の作品を制作し続けている。そして、来るべき『サウダーヂ』の続編的な作品も現在、山梨で釣りをしながら構想中だという。 今後の空族の動向を待ちつつ、10 年後の『サウダーヂ』をデジタルリマスター版を是非、劇場で!
また同時に K’s cinema での上映期間中は、特別上映として前作『国道 20 号線』(77 分)、及び『サウダーヂ』のリサーチの為に制作したドキュメンタリー『FURUSATO2009』(48 分)の上映も予定されている。

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空族からのメッセージ

土方・移民・ヒップホップ
2011年に公開した『サウダーヂ』は山梨県甲府市を舞台に、北京オリンピック、リーマンショック後の大不況で行き場を失った日系ブラジル人たち、出稼ぎに来たタイ人、そして国籍の選択をせまられているその子供たちとの出会いから着想を得、疲弊しきった地方都市を描くことになった作品である。 そして、、、あれから一体何が変わったのだろうか? 精司がバブル時代を幻視し猛がラップしながら歩いた、あのアーケード街のシャッターは今も閉まったままでいる。ポルトガル語の「サウダーヂ」という言葉には失われたものへの郷愁とともに未来への祈りが込められているという。
『サウダーヂ』を公開したその年、福島で人災としては最悪の核爆発が起こり、わたしたちはもう二度と後戻りできなくなってしまった。

あれから10年―。
“災害と疫病と分断”のこの時代に『サウダーヂ』は新たな意味を持ち始めている。―空族

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STORY
山梨県•甲府。人通りもまばらな中心街、シャッター通り。
HIPHOPグループ「アーミービレッジ」のクルー・猛は“派遣”で土方として働き始める。そこで、土方ひとすじに生きて来た精司や、同じく派遣されてきた、タイ帰りだという保坂に出会う。タイパブに連れて行かれ盛り上がる精司や保坂に違和感を覚え、やがて外国人を敵視するようになる猛はある行動に出る...

『サウダーヂ デジタルリマスター版』 2021 年/35mm→DCP/5.1ch/167min
監督:富田克也
脚本:相澤虎之助/富田克也
撮影:高野貴子 録音・音響効果:山﨑厳 助監督:河上健太郎 編集:富田克也/高野貴子
エグゼクティブ・プロデューサー:笹本貴之
プロデューサー:伊達浩太朗/富田智美
制作:空族/『サウダーヂ』製作委員会 配給:空族
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出演:鷹野毅、伊藤仁、田我流、ディーチャイ・パウイーナ、尾﨑愛、工藤千枝、デニス・オリヴェイラ・デ・ハマツ、イエダ・デ・ アルメイダ・ハマツ、野口雄介、村田進二、亜矢乃、熊田ちか、中島朋人(鉄割アルバトロスケット)

9月10日(金)より新宿ピカデリー他全国公開