現代アメリカ映画の最重要監督、ケリー・ライカートのキャリア初期の傑作4本を一挙に上映する特集「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」が、7月より渋谷シアター・イメージフォーラムを皮切りに全国で開催されることが決定した。

知る人ぞ知る「現代アメリカ映画の最重要作家」

1964年にフロリダ州マイアミで生まれたケリー・ライカート。海外では、「現代アメリカ映画の最重要作家」と評され、『ノマドランド』のクロエ・ジャオの先駆者としても脚光を浴びる大きな存在。日本ではこれまで紹介される機会が少なく、知る人ぞ知る存在にとどまっていたが、昨年9月のイメージフォーラム・フェスティバルはじめ一部の劇場で上映された際には、チケットが即完売になるなど大好評を博した。 今回上映されるのは、彼女の初期の傑作4本。

94年に従来の犯罪映画・メロドラマ・ロードムービーの枠組みを鮮やかに換骨奪胎し、インディペンデント・スピリット賞で3部門ノミネート、出品されたベルリン映画祭、サンダンス映画祭でも批評家から絶賛された長編デビュー作『リバー・オブ・グラス』(1994)。
US インディーロックの雄「ヨ・ラ・テンゴ」が楽曲提供し、ウィル・オールダムが主演した 2006 年の『オールド・ジョイ』(2006)。
『オールド・ジョイ』を見て、ライカートに自らアプローチしたミシェル・ウィリアムズを主演に迎えた『ウェンディ&ルーシー』(2008)。
そして、再び主演にミシェル・ウィリアムズを迎え、ゾーイ・カザン、ポール・ダノら豪華俳優が出演した全く新しい現代版・西部劇『ミークス・カットオフ』(2010)は、ヴェネツィア国際映画祭 SIGNIS(国際カトリック映画事務局)賞を受賞。
『オールド・ジョイ』以降の作品は、『リバー・オブ・グラス』に惚れ込んだトッド・ヘインズが製作総指揮を務めている。

A24 が製作・配給した最新作「First Cow」(20)は、ベルリン国際映画祭で金熊賞にノミネートされ、ニューヨーク批評家協会賞(NYFCC)では作品賞を受賞。「インディワイアー」誌では3位、「サイト&サウンド」誌では3位、「ガーディアン」誌では6位と、欧米主要メディアでも 2020年の年間ベストに軒並みランクインするなど激賞された、 にわかに世界中から熱い視線を集める名匠ケリー・ライカートの原点たる初期の代表作が全国の映画館で上映される待望の機会となる。

特集上映「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」

『リバー・オブ・グラス』

撮影:ジム・ドゥノー
出演:リサ・ドナルドソン(リサ・ボウマン)、ラリー・フェンセンデン
1994年/アメリカ/スタンダード/カラー/76 分

『オールド・ジョイ』

脚本:ジョナサン・レイモンド
撮影:ピーター・シレン
音楽:ヨ・ラ・テンゴ
出演:ダニエル・ロンドン、ウィル・オールダム
2006年/アメリカ/ヴィスタ/カラー/73 分

『ウェンディ&ルーシー』

脚本:ジョナサン・レイモンド
撮影:サム・レヴィ
出演:ミシェル・ウィアムズ、ウォリー・ダルトン
2008年/アメリカ/ヴィスタ/カラー/80 分

『ミークス・カットオフ』

脚本:ジョナサン・レイモンド
撮影:クリストファー・ブローヴェルト
出演:ミシェル・ウィルアムズ、ゾーイ・カザン、ポー
ル・ダノ
2010年/アメリカ/スタンダード/カラー/103 分

特集上映「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」は7月より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次開催!

公式 Twitter:@kelly2021_jp (公式サイト準備中!)

配給:グッチーズ・フリースクール、シマフィルム
提供:シマフィルム、東映ビデオ