隔年に開催されるドキュメンタリー映画の祭典、山形国際ドキュメンタリー映画祭。その翌年に東京で行う恒例のイベント「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー」を今年も開催します。山形で上映した作品に独自のプログラムを加え、57本を上映!!

※主な上映作品

(主な上映作品と分野)

■インターナショナル・コンペティション

1400本を超える応募作品から選ばれた世界の今を描く、ドキュメンタリー映画の最先端の作品群。あらゆる境界を超える、まさにヤマガタの顔とも言えるプログラム。併せて過去の上映作から関連作品も上映。

フレデリック・ワイズマン監督『インディアナ州、モンロヴィア』アメリカ(審査員特別賞)

大ヒット作『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』のF・ワイズマンの新作。農業の町モンロヴィアを題材に昔ながらの価値観、生活様式を護り続ける“善きアメリカ人”の姿と現代アメリカの実像を浮かび上がらせる。

『十字架』チリ(最優秀賞)

70年代軍事クーデター時に起こった労組工員虐殺事件。近年の裁判で明らかにされた独裁政権による謀略を、街の一角にひっそりと並ぶ十字架が無言で告発する。

『光に生きる――ロビー・ミューラー』オランダ

ヴィム・ヴェンダースをはじめインディペンデントの作家たちと傑作を生み出した撮影監督ロビー・ミューラーのドキュメンタリー

■アジア千波万波

ドキュメンタリー映画作家、小川紳介が提唱した、アジアの若い作家たちを発掘、応援する“アジア千波万波”。

人気のプログラムで毎回、長蛇の列の観客を集め、活発な質疑が熱い!アピチャッポン・ウィラーセタクン、河瀬直美、小田香など多くの映画作家を輩出してきた。

『消された存在、――立ち上る不在』レバノン(アジア千波万波 小川紳介賞)

レバノン内戦後、名もない死者として片付けられた多数の行方不明者。沈黙と忖度と隠蔽の壁から彼らの個を掘り起こし、ドローイングを重ねてアニマを吹き込む。

『ハルコ村』カナダ(アジア千波万波 奨励賞)

10年ぶりに故郷クルドの村に帰ってきた監督。欧州への出稼ぎで不在の男たち、仕送りや連絡が途絶えてもめげない女たちの日常の裏には、大きな「家族」の喜怒哀楽がつまっている。

バフマン・キアロスタミ監督『エクソダス』イラン(アジア千波万波 奨励賞)

イランの巨匠、アッバス・キアロスタミの息子、バフマン・キアロスタミの監督作。イランからアフガニスタンへの帰還を望む出稼ぎ労働者たち。出国管理施設で交わされる会話は、親密な身の上話か残酷な異端審問か。グローバル資本主義時代の大脱出劇。

『気高く、我が道を』イラン(日本映画監督協会賞)

若い頃人気を博した80歳の男性が、いまも女装で踊る喜びを求め続ける。

その他、以下のプログラム

■Double Shadows/二重の影2:映画と生の交差する場所

YIDFF 2015で好評を博した企画の第2弾。本特集では、映画史あるいは映画そのものを直接的に主題とするだけでなく、複数のイメージが重なり合い、響き合うことにより、映し出された被写体が輝きを放つ作品を上映する。映画と人生とが交差する地点に形を成す二重の影によって、多様かつ多彩な生の営みを浮かび上がらせる。

・ジョナス・メカス『富士山への道すがら、わたしが見たものは・・・』『メカスの難民日記』
・『チャック・ノリスvs共産主義』
・『パウロ・ブランコに会いたい』

■新進気鋭の作家たち

YIDFF2019の上映作品から、刺激的な作品を発表し続ける、草野なつか、小森はるか、瀬尾夏美の3人の映画作家をピックアップする。

・草野なつか監督『王国(あるいはその家について)』  
・小森はるか+瀬尾夏美監督『二重のまち/交代地のうたを編む』

■台湾と台風――映画作家・許慧如(シュウ・ホイルー)

アジア千波万波プログラムで『雑菜記』『非正規家族』が上映されてきた台湾の許慧如(シュウ・ホイルー)。「ともにあるCinema with Us 2019」プログラムの中の小特集「故郷から離れて――台湾における災害映像記録と「土地」をめぐる闘い」から災害とともに生きる人々を描いた2作を上映。

・『洪水の後で⏤家についての12の物語』
・『故郷はどこにPlace』

■特別招待作品

山形に審査員としても来日したブラジルの巨匠、ネルソン・ペレイラ・ドス・サントスの遺作と、イタリアを拠点に40年にわたり、2人で映画制作に取り組んできた、イェルヴァン・ジャニキアン、アンジェラ・リッチ・ルッキの近作を上映。

ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス監督『トム・ジョビンの光』

イェルヴァン・ジャニキアン、アンジェラ・リッチ・ルッキ監督
『アンジェラの日記―我ら二人の映画作家』

■審査員作品

ヤマガタの密かな人気プログラム。
普段は見ることができない名匠たちの日本未公開作品を上映。

・ホン・ヒョン監督『スクジュナの惑星』
・サビーヌ・ランスラン撮影『私たちの狂気』
・デボラ・ストラトマン監督『ヴェヴェ(バーバラのために)』

●開催場所:
新宿 K’s cinema(新宿区新宿3-35-13-3F TEL 03-3352-2471)、
アテネ・フランセ文化センター(千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4F)

●開催期間:
新宿 K’s cinema・・・2020年11月17日(土)〜11/20(金)

アテネ・フランセ文化センター・・2020年12月1日(火)〜5日(土)、8日(火)〜12日(土)

・主催:シネマトリックス 
・共催:山形国際ドキュメンタリー映画祭/K’s cinema/アテネ・フランセ文化センター