第76回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したスウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督最新作『ホモ・サピエンスの涙』が11月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館にて公開となります。
映像の魔術師が、この時代を生きる全人類(ホモ・サピエンス)に贈る――。
愛と希望を込めた映像詩。
この世に絶望し、信じるものを失った牧師。戦禍に見舞われた街を上空から眺めるカップル。これから愛に出会う青年。陽気な音楽にあわせて踊るティーンエイジャー…。
本作で描かれるのは、時代も性別も年齢も異なる人々が織りなす悲喜劇。映像の魔術師ロイ・アンダーソン監督が構図・色彩・美術と細部まで徹底的にこだわり、全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影した。実在の名画の数々からインスパイアされた美術品のような映像美にのせて「千夜一夜物語」の語り手を彷彿とさせるナレーションが物語へと誘う。
時代を超えて愛される、必聴ナンバー続々登場!
圧倒的映像美と名曲が織りなす、至極の映画体験!!
本作の登場人物たちの日常をロマンティックに彩るのは、時代を超えて愛される必聴ナンバー。伝説的ヴォーカリスト、ビリー・ホリデイや、ヴォーカル・グループの草分け、ザ・デルタ・リズム・ボーイズなどの名曲が続々登場。ロイ・アンダーソン監督こだわりの映像と至極の歌声が、最高の映像体験をもたらしてくれる。今回、その一端が垣間見える本編映像が到着した。使用楽曲は、ザ・デルタ・リズム・ボーイズによる「Tre trallande jäntor」。思わず踊りだしたくなるナンバーだ。
『ホモ・サピエンスの涙』本編映像
<劇中登場楽曲>
♪「All of me」ビリー・ホリデイ
1931年に発表されたジャズのスタンダードナンバー。ルイ・アームストロング、フランク・シナトラなど数々のアーティストに歌われ、愛されてきた失恋ソングの名曲。本作では「レディ・デイ」の愛称で知られる、史上最も偉大なジャズ・ヴォーカリストの1人ともいわれるビリー・ホリデイによる楽曲が使用されている。ブルースをベースにした歌唱は即興性に優れ、究極のジャズ・ヴォーカルともいえるスタイルを生み出した。現在、その知られざる人生を描いた伝記映画「The United States Vs. Billie Holiday」が製作中だという。劇中では、大好きなシャンパンを飲む女性を男性がうっとりと見つめるシーンで流れる。
♪「Tre trallande jäntor」ザ・デルタ・リズム・ボーイズ
♪「'O sole mio」エーリック・イーゲルストレーム
1898年に発表されたイタリアのカンツォーネ。恋人の美しさを太陽に例えて讃えた内容で、タイトルは「私の太陽」の意。エルヴィス・プレスリーによるカヴァー「It's Now or Never」は、世界中で2,000万枚を超える大ヒットとなった。本作では、スウェーデンのマンドリン奏者エーリック・イーゲルストレームの演奏が使用されている。劇中では、地雷で両脚を失った男性が奏でる曲として登場する。会うことの叶わない、彼にとっての「私の太陽」を想って演奏しているのだろうか。観客の想像を膨らませる印象的なシーンとなっている。
♪「Mira, o Norma」ジョーン・サザーランド&マリリン・ホーン
イタリアオペラを代表するヴィンチェンツォ・ベッリーニ作曲の歌劇「ノルマ」の第2幕に登場する楽曲。死の覚悟をしたヒロインのノルマが、子供たちのためにも生きるよう説得される内容。本作では、20世紀を代表する歌手ジョーン・サザーランドとマリリン・ホーンによる楽曲が使用されている。劇中では、旧友に無視され続ける男性の独白シーンで流れる。
世界が絶賛する映画監督ロイ・アンダーソンの渾身の映像と、それを彩る楽曲を堪能できる本作。
ぜひ、芸術の秋に大きなスクリーンで体感してみてほしい。
出演:マッティン・サーネル、タティアーナ・デローナイ、アンデシュ・ヘルストルム
監督・脚本:ロイ・アンダーソン(『愛おしき隣人』『さよなら、人類』)
撮影:ゲルゲイ・パロス
2019年/スウェーデン=ドイツ=ノルウェー/カラー/76分/ビスタ/英題:ABOUT ENDLESSNESS/原題:OM DET OÄNDLIGA
後援:スウェーデン大使館
提供:ビターズ・エンド、スタイルジャム
配給:ビターズ・エンド