台湾アカデミー賞こと金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞受賞した、ドキュメンタリー映画『私たちの青春、台湾』が2020年10月31日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開する運びとなりました。

©7th Day Film All rights reserved 

2011年、魅力的な二人の大学生と出会った。
ひまわり運動のリーダー陳為廷(チェン・ウェイティン)、中国人留学生で台湾の社会運動に参加する蔡博芸(ツァイ・ボーイー)。

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彼らが最前線に突き進むのを見ながら「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。しかし彼らの運命はひまわり運動後、失速していく。
それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく—

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アジア初の同性婚法制化、蔡英文総統の歴史的再選、女性議員がアジアトップ水準の4割を占め、
世界も注目した新型コロナ対策などで関心を集める台湾。
金馬奨授賞式で傅楡(フー・ユー)監督が涙を流しながら、「いつか台湾が“真の独立した存在”として認められることが、台湾人として最大の願いだ」とスピーチをしたことは大きなニュースとなった。

ひまわり運動は、23日間の及ぶ立法院占拠、統率の取れた組織力、全世界に向けたメディア戦略、まれにみる“成功”をおさめたといわれている。しかし立法院内では、一部の指導者たちによる決議に対する不満など、理想の“民主主義”の困難さに直面し、多くの課題を残していた。雨傘運動前の黄之
鋒(ジョシュア・ウォン)、周庭(アグネス・チョウ)との交流など、カメラは台湾、香港、中国の直面する問題、海を越えた相互理解の困難さ、民主主義の持つ一種の残酷さを映し出していく。
台湾という息吹の中で、ともに未来を描き、迷い、空っぽになり、ともに理想求めもがく、“私たち”の青春の物語は、何を問いかけてくるのか——

■唐鳳(オードリー・タン)(台湾デジタル担当大臣)
三・一八ひまわり運動は、一九八〇年代以降の台湾における最大規模の学生・市民による抗議運動で、台湾における行政をも巻きこむ社会活動の展開に、現在に至るまで深く影響を及ぼしている。運動の主力として、多くの若者が痛みや熱い思いを体験し、改めて人生の進むべき道を決めていった。
『私たちの青春、台湾』は、運動の過程での喪失や奮闘を真摯に記録しており、民主的な社会にとって最も意義のある教訓になっていると言っていい。それは、単に未来を夢見るだけではなく、困難と向き合い勇気を持って挑戦してはじめて、本当に自分の進むべき道に出ることができ、私たち自身を通して未来を呼びこむことができる、ということなのだ。

■安藤 桃子(映画監督)
かつての日本の学生運動を彷彿とさせる本作は、タイトルの如く「青春」を捉えたドキュメンタリーだと思っていた。しかし、気付けば私は予測とは違う出口に立っていた。この映画が“このような終わり方”が出来たことが、社会の視点が逆転しつつある象徴であり、希望だと感じる。

■多和田 葉子(作家)
まちがいだらけで、もろくて、おそろしく魅力的な若者たちが集まって、社会をゆさぶる。そのようすを記録に撮ろうと張り切る若い監督の期待はある時点でみごと裏切られるが、映画を観た人の心には、「過ぎ去った青春」という言葉で括ってしまえない強い残響が残り続けるだろう。

■李 琴峰(作家・翻訳家)
女性大統領、同性婚、優れたコロナ対策――近年の「進歩的な台湾」の礎を成した2014年のひまわり学生運動は、決して突然起こった出来事ではない。無数の小さな流れがやがて歴史を変える奔流となっていくそのさまを見つめては何度も涙ぐみ、同時に民主主義の、何かを変えることの、そして人間の難しさに、思わず溜息を漏らさずにいられない。

■東山 彰良(作家)
突き進む者と、それを記録する者。その裏側にある個人的な憂鬱と後悔。
それでもなにかを正したいと願う若者たちの想いは、こんなにも純真でまぶしい。

映画公開にあわせ、傅楡監督の人生と台湾の民主化の歩みを書いた、「わたしの青春、台湾」(五月書房新社)邦訳版も発売になります。

■書籍発売情報

映画監督・傅楡、そして台湾の、等身大の物語
傅楡は華僑の両親を持ち、台湾で生まれた。5歳の時に戒厳令が解除され、台湾は民主化へと動き出す。思春期を迎える頃、周囲には「中華民国防衛戦」のスローガンが流行し、アイドルに夢中だった中学時代、台湾は史上初の総統直接選挙に熱狂していた。
やがて彼女はドキュメンタリー映画と出会い、「ひまわり運動」を撮り始める——。
本書では、葛藤、挫折を繰り返しながら成長する、台湾の民主化の歩みと傅楡自身の人生を振り返る。彼女は「この本を読んでくれた人が、自国の政治、歴史などについて考えてくれる、一助となる事を心より願う。これこそが、わたしが本書に対して抱く最大の希望である」と、読者へ語りかける。

書影

書籍名:わたしの青春、台湾
語り:傅楡
筆記・構成:陳令洋
翻訳監修:関根謙(慶應義塾大学名誉教授)、吉川龍生(慶應義塾大学教授)
翻訳:佐髙春音、藤井敦子、山下紘嗣
翻訳協力:劉怡臻
発売日:10月23日(金)
本体価格:1,800円+税  ISBN:978-4-909542-30-4  発行:五月書房新社

映画『私たちの青春、台湾 』予告

映画『私たちの青春、台湾 』予告編2020/10/31(土)公開

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■STORY
2011年、魅力的な二人の大学生と出会った。台湾学生運動の中心人物・陳為廷(チェン・ウェイティン)、台湾の社会運動に参加する人気ブロガーの中国人留学生・蔡博・芸(ツァイ・ボーイー)。やがて為廷は林飛帆(リン・フェイファン)と共に立法院に突入し、ひまわり運動のリーダーになった。“民主”が台湾でどのように行われているのか伝えたいと博芸が書いたブログは、書籍化され大陸でも刊行される人気ぶりだ。彼らが最前線に突き進むのを見ながら、「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。
しかし彼らの運命はひまわり運動後、失速していく。ひまわり運動を経て、立法院補欠選挙に出馬した為廷は過去のスキャンダルで撤退を表明。大学自治会選に出馬した博芸は、国籍を理由に不当な扱いを受け、正当な選挙すら出来ずに敗北する。それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく——

監督:傅楡(フー・ユー) 
出演:陳為廷(チェン・ウェイティン)、蔡博芸(ツァイ・ボーイー)

製作・出品:七日印象電影有限公司7th Day Film
プロデューサー:洪廷儀(ホン・ティンイー) 

主題歌:《我們深愛的青春Our Beloved Youth》詞/曲/演唱:楊彝安(ヤン・イーアン) 
原題:我們的青春,在台灣-Our Youth In Taiwan

後援:台北経済文化代表処台湾文化センター 
日本語字幕:吉川龍生 台湾語協力:劉怡臻 
提供・配給・宣伝:太秦

©7th Day Film All rights reserved 
2017|台湾|カラー|DCP|5.1ch|116分

2020/10/31(土)よりポレポレ東中野他全国順次公開!

http://www.ouryouthintw.com