日本映画界の鬼才監督による野心的な企画と若い才能たちの予測不可能なケミストリーで創造する新レーベル<シネマラボ>。
その第1弾は、『踊る大捜査線』シリーズや『サマータイムタイムマシン・ブルース』などのヒット・メイカー、本広克行監督が、押井守の脚本「夢見る人」の実写映像化に挑んだ、まさにドリーム・プロジェクト。
その名も『ビューティフルドリーマー』。日本映画の新たな伝説がここから始まる…。
青春映画の旗手として名高い本広克行監督は『サマータイムマシン・ブルース』ではSF研究会、『幕が上がる』では演劇部を題材にしてきました。そして今回、本広監督が『ビューティフルドリーマー』で取り上げたのは映画研究会!先勝美術大学映画研究会に伝わる、“撮ろうとすると、必ず恐ろしいことが起こる”といわれる作品の撮影を決めた映研部員たち。映画を撮った経験などまったくない彼らの前に、予期せぬ困難とトラブルが次々と待ちうける。果たして彼らは、無事にクランクアップできるのか!?
映画という“夢”を創るため、集い、協力し、すべてをかける青春の姿。
撮影という熱狂と興奮の中、恋と友情が交錯し、終わりなき“祭”は未来に向かって永遠に続いていく…。
本広監督は、新たな試みとして、完全な脚本を用いず、おおよその筋だけを立て、現場で口頭の打ち合わせで芝居をまとめる“口立て”を用いた演出を取り入れ、若い俳優たちの新鮮な演技によるリアルな青春を映像に収めることに成功した。
出演は、監督としてメンバーをリードする主人公のサラに小川紗良。 朝ドラ「まんぷく」などでの好演が話題になった新進女優としてだけでなく、映画監督としても長編映画デビュー作『海辺の金魚』の公開を控えるなど、注目されている存在です。
カメラ担当でサラを支えるカミオに『HiGH&LOW THE WORST』『私がもててどうすんだ』などの神尾楓珠、助監督兼雑用係として奮闘する映研のムードメイカー、モリタに劇団ナイロン100℃所属で『カツベン!』などの森田甘路。プロデューサーのリコには、『あさひなぐ』『ドロステのはてで僕ら』で好演した藤谷理子、メイク担当のシエリに、札幌の劇団イレブンナイン出身のヒロシエリ、録音担当のウチダに、これが映画デビュー作で若手注目劇団・劇団スポーツの主宰の内田倭史。
また、映研OBとしてメンバーを支えるタクミには、数々の話題作に出演しながら映画監督としてもコンスタントに作品を発表し、マルチな才能を発揮している斎藤工。確かな演技力で撮影に貢献するサヤカには、『山猫は眠らない8 暗殺者の終焉』でハリウッド・デビューも果たし、女優としても大きく飛躍中の秋元才加。映画コメンテーター“赤ペン瀧川”こと、瀧川英次。そして、舞台、テレビ、映画に幅広く活躍する名優、升毅。といった個性豊かなキャストたちが出演しています。
今後の日本映画業界を担う若手キャストが「ビューティフル ドリーマー」に出演が決定。スタッフも「踊る」シリーズをはじめ、本広克行監督作品を支える「本広組」のスタッフが集結!音楽は菅野祐悟になります。
本広克行監督コメント
シネマラボというレーベルは、当初小中監督から「現代のATG」を作らないかという提案から始まりました。
ラボ=実験。予算に制限がありながらも監督の作家性を最優先し、後世に残る作品を生み出す事を目的としたレーベルです。映画はオールドメディアであり、長い間その形を変えていません。
それをどのような形で進化させるのかをいつも考えています。興行的には、厳しいかもしれません。でも、やらないと後世に残る映画は作れない。作家性のある作品が少なくなっている今、次世代の若者のクリエイターたちが撮りたいものを撮れる場を作れないか、というのをずっと思っていました。
その土台に、押井監督、小中監督、上田監督をはじめ私達がなれればいいと思っています。
その第一弾となったのが、「ビューティフルドリーマー」です。ずっと押井守監督と組んで実写を撮ってみたいと思っていました。今回の為に押井監督には「夢みる人」という原案となる本を書いてもらいました。当初は登場人物が軽音楽部だったのですが、それを私なりにアレンジして映画研究会にし、主演を小川紗良さんに演じてもらいました。
小川さんは実際に大学で映画研究会に入って作品を作っていて、自然と出る演出する言葉を知っているのと、信じた事に周りを巻き込んで猛進して行きそうな強い眼差しが今回の主演に絶対に必要な人でした。全ての映像作品を作っていてずっと思っていた事があります。
今や当たり前のように作品の中だけで交わされる省略された無駄のない台詞を、演者から出るリアルな話し言葉を使って作品を作れないか。今では機材の性能が上がっていて、昔は録音できなかった台詞も今だからできる方法があります。急に違う作り方をすると観ている人は拒否反応がある事を知っていながらも、このシネマラボで自分なりの「実験」として、エチュードという形で映画の中の台詞をリアルに演出させてもらいました。是非この不思議な映画を、多くの人に色々な感情で楽しんでもらえればと思います。
サラ役 小川紗良コメント
大学時代、サークルで映画を撮っていた私にとっては、あの頃を追体験するような日々でした。
映画サークルって、色々な珍事件が起きるんですよ。データが飛んだり、お金が尽きたり、
機材が壊れたり、しょうもないことで喧嘩したり、色恋沙汰がもつれたり。
それでも映画を撮りたい気持ちは突っ走って、かぐや姫もドン引きな無理難題を言ってみたり。
部室には余計なものがいっぱいあって、3留くらいしてる先輩が昼寝してる。
”伝説のOB”はいつまでもサークルにはびこって、ああだこうだと言ってくる。
本当に、映画サークルって変。それでも、サークル活動や映画撮影の在り方が変わり果てて
しまった今となっては、あの変な日々も懐かしく思えたり。2020年、思いがけずこの映画は
「癒し」になるかもしれません。人と人との距離の近さが生む珍事件たちに、
ぜひ心をふっと緩ませてみてください。夢みる人、そしてかつて夢みた人に、届きますように。
リコ役 藤谷理子コメント
はじめまして。映画「ビューティフルドリーマー」でリコ役をさせていただきました、
藤谷理子と いいます。 リコ役の理子なんですけれど、もちろん偶然ではありません。
サラ役を小川紗良ちゃんが、モリ タ役を森田甘路さんが演じているように、
映画に出てくる役の名前は全て俳優本人と同じです。 しかも撮影はほぼエチュードで、
各々の言葉がセリフになって進むところもありました。 まさに作品の中に入りこんで
仲間と一緒に映画を作っていた感覚でした。 思い返せばとても稀有な経験をさせて
いただいたように感じます。 本広監督はじめ、この映画に関わる全ての皆さまに
感謝いたします。 ただ、ここまで書いて、なんだか変な映画なのかもしれないなと
自分でも思ってきました。 確かに少し変わった映画だと思います。
でもご覧になってお楽しみ頂ければ、リコとしても、藤谷理子としても、
この上なく嬉しいです。 どうぞよろしくお願いいたします!
カミオ役 神尾楓珠コメント
青春を感じる映画になっていたのと共に、この作品を撮っていた時間そのものが
僕ら5人の青春だったのかなと完成を観てしみじみと感じました。
役名が本人と同じでも全く違う5人組になっていることが幻のようで、
本当に夢だったんじゃないかと思うくらい不思議な時間だった気がします。
劇中で「毎日合宿みたいで楽しいわ」というリコの台詞があるのですが、
まさにその通りで、すごく楽しい時間でした。
懐かしさや青春が詰まってる作品ですし、映画好きの方にはたまらないシーンなども
きっとあるので是非楽しみにしていてください。
ウチダ役 内田倭史コメント
今思えば、撮影前のワークショップを含め、この作品作りにかかわっていた時間は、まさに夢のようでした。
楽しく、美しく、それでいて、時に何かの不安に包まれるような…セリフがほとんどなく、即興で演じながらシーンを作っていくということを本広監督から聞いたときは「そんな無茶な…!」と驚いたことを覚えています。
ぼくたちが悪戦苦闘するのと同じように、劇中の映研メンバーたちも、失敗に失敗を重ねます。
それでも「映画を撮りたい」という初期衝動を胸に危なっかしく進む彼らに背中を押されながら、
撮影に臨みました。見る方によってさまざまな手触りを感じられる不思議な作品だと思います。
久しく会っていない学生時代のともだちに会いに行くように観ていただけたら嬉しいです。
ちょっと恥ずかしくて、美しい、そんな記憶が蘇ってきます。
シエリ役 ヒロシエリ コメント
皆様はじめまして!今作が初めての映画出演、デビューしたてもしたてのヒロシエリと申します。
皆様健やかにお過ごしでしょうか。考えることが多い毎日で、てんてこまい!といった
今日この頃でございますね。そんな目まぐるしい日々の中、昨年撮影した映画「ビューティフル ドリーマー」が無事に公開されるという吉報!心の底から嬉しく思います。
撮影は初めての事ばかりで(超!)大変でした。が、映研メンバーとは仲良く、毎日桁はずれにはしゃぎ、愛あるスタッフの皆さんに囲まれ、非常に恵まれたデビュー戦になりました。
この映画には皆様が過ごしたあの夏、そして過ごしたかったあの夏(!)まで詰め込まれています。
アドリブ満載、台本無し。丸腰こそが最強の私たち映研メンバーを観て、
少しでも元気になっていただけたらば幸いです。
モリタ役 森田甘路 コメント
まず改めて、これを作品として形にしてくださった本広監督、スタッフの皆様、本当にありがとございます。演劇畑出身の自分にとって「役者」とは「再現性」を求められる職業だと思っています。しかし「即興演技」においてそれは求められません。
「自由にやって」とその梯子を外された途端、何故か役者は自由でなくなる。不思議ですね。
それでも頭をフル回転させ足掻いてなんとか成立させようとする。でもふと思ったのが、
そういう状況ってまさに限られた時間、知識、経済力でなんとか楽しんでいた自分の学生時代そのものだな、と。「若さってこういうことじゃん!」ってむしろ開き直って撮影に臨んでた気がします。観てる方には「好き勝手演じてくれやがって」と思われるかもしれません。でもそういうあやふやな状態のままでいるっていうのも若さの特権だと思いません?
もう若くない人間が言うのもなんですが、この映画はその若さがスクリーン前面に押し出されています。若さが飛びだす3D映画です。ご期待ください。
アキモト サヤカ役 秋元才加 コメント
今回は本広監督に素敵な経験をさせて頂きました。お芝居をしているようなしてないような、
リアルなのかフィクションなのか、どこか裸を見られているようなこそばゆい気持ちです。
こんな映画見た事ない!観方が分からない(笑)しかし、いつの間にかこの映画のペースにはまり、あっという間に観終わってしまいました。思わず緊張したり、クスッとしたり。
この映画の観方の答えは皆様と探していけたら良いなぁ、なんてそんな事を思っています。
こんな学生時代を送ってみたかった…かも。
マス タケシ役 升毅 コメント
『ビューティフルドリーマー』公開決定おめでとうございます!
この映画を皆様に観て頂けることが決まり、心より感謝と、喜びを感じています。
まさにビューティフルドリーマー。
新しいような 懐かしいような 自然なような 不自然なような 自由なような
不自由なような 本気のようで 冗談のよう
初々しくも老獪な まじめに遊び まじめにふざけ 大まじめにはしゃぎ
夢か現か 真か幻か
本広ワールド全開です!
どうぞ劇場にて、存分に召されてくださいませ!
STORY
翌日にせまった文化祭の準備に追われ、先勝美術大学の校内は、学生たちの熱気と喧騒に包まれていた。 そんな中、例年通り文化祭で展示も発表もしない映画研究会の部室だけは、いつもと同じように、まったりとし た時間が流れていた。しかしその朝「部室の片隅に何かある」という不思議な夢を見たサラ(小川紗良)は、本当に古い段ボール箱を見つけてしまった!その中には古い脚本と演出ノート、1本の16mmフィルムが入っていた。そのタイトルは「夢みる人」。さっそく映写してみるが、なぜかその映画は未完のままだった。そこにふらりと表れたOBのタクミ先輩(斎藤工)は、彼らに「これは撮ろうとすると必ず何か恐ろしいことが起こる、OB達の間ではいわくつきの映画だ」と告げる。しかしこの映画にすっかり魅せられたサラは「これ、私たちでやってみない?」と部員たちに猛アピール。監督はサラが担い、プロデューサーはリコ(藤谷理子)、撮影はカミオ(神尾楓珠)、 録音にウチダ(内田倭史)、衣裳とメイクはシエリ(ヒロシエリ)、助監督とその他雑用をモリタ(森田甘路)が担当し、一致団結してはじめての映画制作への挑戦が始まるが、部員たちは次々に予期せぬ困難やトラブルに見舞われる。やがて、資金は底をつき、準備していたクラウドファンディングも大失敗。。
この脚本は本当に呪われているのか? この終わりなきトラブルに出口はあるのか!?映画研究会の映画制作という“祭 はまだ始まったばかりだった!
【出演】
小川紗良 藤谷理子 神尾楓珠 内田倭史 ヒロシエリ 森田甘路
斎藤工 秋元才加 升毅
(追加出演者は順次発表致します)
監督:本広克行
原案:押井守『夢みる人』
脚本:守口悠介
キャラクター設定・構成:奥山雄太(ろりえ)横山翔一
脚本協力:高井浩子
製作:勝股英夫 石川光久
エグゼクティブプロデューサー:西山剛史 森下勝司
企画・プロデュース:穀田正仁 稲葉もも プロデューサー:雨無麻友子
アソシエイトプロデューサー:上久保友貴
宣伝プロデューサー:高原万平
撮影:川越一成 照明:木村伸 録音:倉貫雅矢
美術:相馬直樹 編集:岸野由佳子 サウンドデザイン:大河原将
VFXスーパーバイザー:大見康裕 音楽:菅野祐悟 装飾:桑田真志
衣裳:中島エリカ ヘアメイク:堀奈津子
監督補:山口淳太 助監督:松田祐輔
制作プロダクション:LDS
製作:映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
(エイベックス・ピクチャーズ Production I.G 清栄コーポレーション ポニーキャニオン)
配給:エイベックス・ピクチャーズ
(C) 2020映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
公式Twitter: cinemalab_jp
公式Instagram:cinemalab_jp