初監督作にして第 91 回アカデミー賞&第 71 回エミー賞にW ノミネー トという快挙を果たし、サンダンス映画祭をはじめ 59 の賞を総なめ、ロッテントマト満足度 100%と全米の批評家・観客が絶賛!さらにオバマ元大統領が「感動的で、示唆に富む。ただただ惚れ込んだ」と年間ベスト(2018年)に 選んだ傑作ドキュメンタリー『行き止まりの世界に生まれて』が、9月4日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次公開となります。

© 2018 Minding the Gap LLC. All Rights Reserved.

アメリカ、ラストベルト(錆びついた工業地帯)
傷だらけのぼくらが見つけた明日―

本作の監督であり、主人公の3人のひとりでもあるビン・リューは中国からの移民。8歳になるまでに、中国、アラバマ、 カリフォルニアと転々とし、働き口を見つけた母と共に移り住んだのが本作の舞台でもあるイリノイ州ロックフォードだった。
ロックフォードは、「全米最も惨めな都市ランキング20 3位」(2013年の米紙フォーブス)、「全米最も危険な都市ランキング25 8位」(2019年24/7 Wall St.)になった場所。20世紀初めから70年代にかけて栄えていた鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、アメリカの繁栄から完全に見放された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置する街の一つでもある。仕事もない、夢も希望もない。環境の不安定さは、そこに住む人達の心も蝕み、今は、犯罪や暴力、薬物が日常的に横行する場所でもある。

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そこで、ビンは母の再婚相手となった義父からの不条理な暴力を受けた。壊れた家庭で暮らす中、外でスケートボードを始めたことで、スケートボードとその仲間が彼にとっての拠り所で家族となる。そして、スケートボードで転び、立ち上がり、傷の痛みや習得した技を通して、自分で自分の思い描く生き方を見つけていくすべを学んでいったと言う。本作の主人公キアーやザックも、それぞれに問題を抱えた家庭で暮らしていたことで、同じように自然と仲間となった。

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10代の頃から仲間の姿を撮りためた大量のスケートビデオがきっかけで、映像に興味を持つようになったビンは、19歳の時にシカゴに引っ越し、大学に通う傍らフリーランスの撮影助手として活躍。23歳で国際映画撮影監督組合に入り、スパイク・リー監督やウォシャウスキー姉妹監督の作品をはじめ、 劇映画やテレビシリーズの撮影部で働いた。

その後もスケートビデオを撮り続け、アメリカ各地でスケーターにインタビューをしていたビンが、初監督作の題材として選んだのはスケーターと家庭環境と、“大人になること”。そして、彼は故郷ロックフォードで、自立しようと低賃金の仕事に就くキアーと、父親になろうとしているザック、今の状況から抜け出そうともがくふたりを撮ることを決める。昔から知る仲間である彼らの姿に自分を重ねながらも冷静にカメラを構えていたビンだが、”ある出来事”をきっかけに自分自身も映画の中に登場することを決意する。ビンの企画に数々の若手ドキュメンタリー作家を輩出するカルテムキン・フィルムが協力し、何度も編集を重ね、3人の12年間の軌跡がつまった『行き止まりの世界に生まれて』が完成した。

夢はきっと叶う!
ボロボロのロックフォードから、アカデミーのレッドカーペットへ!
傷だらけの少年の掴んだ栄光!

今作は、彼ら3人のパーソナルでエモーショナルな物語でありながら映画を通して現代アメリカが浮かび上がってくる奥行きある豊かな作り、そして当時28歳の若手ドキュメンタリー作家の初監督作として脚光を浴び、監督デビュー作にして第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネートを果たし た。ボロボロのロックフォードから、きらびやかなアカデミー賞へ。
これぞまさにアメリカンドリーム。アカデミー賞授賞式の日、ビン、キアー、ザックの3人はタキシードに身を包み再会。心が壊れそうな経験をしながらも、自身の過去や仲間の苦しみと向き合い、それを世界が唸る傑作として世界に発表したビン・リュー監督のデビュー作『行き止まりの世界に生まれて』をぜひ劇場で見届けて欲しい。

アカデミー賞授賞式の日(キアー・ジョンソン、ザック・マリガン、ビン・リュー)

『行き止まりの世界に生まれて』予告編

『行き止まりの世界に生まれて』予告編

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【STORY】
傷だらけのぼくらが見つけた明日――
「全米で最も惨めな町」イリノイ州ロックフォードに暮らすキアー、ザック、ビンの3人は貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとっての唯一の居場所で、もう一つの家族だった。そんな彼らも大人になるにつれ、さまざまな現実に直面し段々と道を違えていく。カメラは、明るく見える彼らの暗い過去、葛藤を抱える彼らの思わぬ一面を露わにしていく――。

監督・製作・撮影・編集:ビン・リュー
出演:キアー・ジョンソン、ザック・マリガン、ビン・リューほか
エグゼクティブ・プロデューサー:スティーヴ・ジェイムス(『フープ・ドリームス』)ほか
93分/アメリカ/2018年 英題:MINDINGTHEGAP
配給:ビターズ・エンド
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9月4日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー!