9月12日(土)から東京・国立映画アーカイブにて開催される「第42回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」。先日発表されたオープニング作品とPFFスカラシップ作品に続き、全ラインナップが発表となった。本年は以下の6企画が実施される。

①世界三大映画祭を制した驚異の映像作家
ロイ・アンダーソン監督特集

ロイ・アンダーソン監督
(C)Studio 24

アジア初の「ロイ・アンダーソン・コンプリート特集」を実現!

27歳での初の長編映画『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』(70年)が国内外で称賛されるも、2作目『ギリアップ』(75年)以降CM制作に専念したアンダーソン監督。CM界の巨匠となり自らの美学を詰め込んだスタジオを拠点に、唯一無二の映画を携え2000年に復活を果たし、『散歩する惑星』(00年) でカンヌ映画祭審査員特別賞を受賞。続く『愛おしき隣人』(07年)は同映画祭ある視点部門に出品。『さよなら、人類』(14年)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞(グランプリ)に輝き、「リビング・トリロジー(人間についての3部作)」を完結。

本特集では、これら長編作品に加え、昨年、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した11月公開の最新作『ホモ・サピエンスの涙』(19年)の特別上映や、「リビング・トリロジー」のプレリュードといわれる『ワールド・オブ・グローリ ー』を含む短編プログラム(1967~1991年)の日本初上映を行います。

世界を震わせ、映画の夢を叶える勇気をくれるスウェーデンの作家ロイ・アンダーソンがたっぷり楽しめるこの特集。国立映画アーカイブの大スクリーンで、独自の美術やセットにも注目!CM作品や監督メッセージも準備中!

ロイ・アンダーソン監督特集 ~素敵なにんげんたち~

〈上映作品〉
『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』
1970年ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか4冠 *35mmフィルム上映
『ギリアップ』
港町のホテルを舞台に描く、哀愁漂うクライムムービー*日本初上映
『散歩する惑星』
構想20年、撮影4年をかけて撮り上げた傑作*35mmフィルム上映
『愛おしき隣人』
架空の街を舞台としたユーモラスな人類観察映画*35mm フィルム上映
『さよなら、人類』
時空間も現実も超えた、真面目でおかしな人々の人生と死の物語
『ホモ・サピエンスの涙』
全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影!*特別上映
短編プログラム
貴重な学生時代を含む初期短編5本を日英字幕で上映*日本初上映

②WOWOW連続ドラマWをスクリーンで

「たっぷりと時間をかけ、じっくりと物語を語る。」 その夢を実現させるWOWOWの連続ドラマ W。近年の傑作から、PFFに縁の深い2監督の作品をスクリーンで上映。間に休憩を挟みつつも、全話一気上映のあとにはトークも行うという、充実しすぎる映画祭ならではのプログラム。

©︎2015 WOWOW INC.

『夢を与える』2015年/日本/カラー/約50分×4話

監督:犬童一心(『引っ越し大名!』『ジョゼと虎と魚たち』)
出演:小松菜奈、菊地凛子、新田真剣佑、オダギリジョー

芸能界の光と影18歳の少女が見た夢は。
幼い頃から美しく素直な夕子は、母の望む通りモデルとして成功を掴みかけた矢先、衝撃的な事件に巻き込まれる。脚本は『凶悪』の高橋泉、原作は綿矢りさの同名小説。菊地凛子と小松菜奈が見せる母娘の愛憎劇にも注目。
※上映後、犬童監督によるトークを予定しています

©︎2019 WOWOW INC.

『悪党~加害者追跡調査~』2019年/日本/カラー/約50分×6話

監督:瀬々敬久(『糸』『64-ロクヨン- 前編/後編』)
出演:東出昌大、松重 豊、新川優愛、板谷由夏

赦しか、復讐か―悲しみと怒りを抱え続ける人々の葛藤
出所した元加害者を追跡調査する探偵・修一は、少年時代に姉を殺され、犯人への復讐心を胸に生きてきた。被害者遺族による赦しとは何かを鋭く問う問題作。原作は社会派ミステリーで知られる薬丸岳の小説「悪党」。
※上映後、瀬々監督によるトークを予定しています

③ブラック&ブラック~映画と音楽~

昨年からスタートしたこの企画は、ナビゲーターのピーター・バラカン氏が作品を選定。上映前に氏のトーク+大スクリーンで上映、というスタイル。今年の上映作品は『ソウル・パワー』!幻の「ザイールʼ74」コンサートを甦らせた本作は、衝撃の日本公開から10年を迎えた。音楽が共通言語!"キンサシャの奇跡"がここにも!

◎ピーター・バラカン氏よりコメント
1974年、当時のザイールで行われたムハマッド・アリの復帰試合に合わせた形の音楽祭の模様を映像に収めたものの、35年も公開されないままになっていました。ようやく2010年に見られたその姿は当時の最先端のブラック・ミュージックを見事に記録していたことに改めて感激したものです。

『ソウル・パワー』*35mmフィルム上映

2008年/アメリカ/カラー/93分
監督:ジェフリー・レヴィ=ヒント
出演:ジェームス・ブラウン、ビル・ウィザース、B.B.キング、ザ・スピナーズ、モハメド・アリ

④オープニング:石井裕也監督『生きちゃった』

©︎B2B, A LOVE SUPREME & COPYRIGHT @HEAVEN PICTURES All Rights Reserved

今年の映画祭のオープニングは、石井裕也監督が自身でプロデュースも行ったオリジナル長編『生きちゃった』の世界最速上映!終映後に、石井裕也監督、出演の仲野太賀さん、若葉竜也さん他キャストによる時間たっぷりのトークを予定。

『生きちゃった』2020年/日本/カラー/91分

脚本・監督・プロデューサー:石井裕也
出演:仲野太賀、大島優子、若葉竜也

魂を剝き出しにして、生きることの意味を問う91分
幼馴染の男女3人は、ある出来事をきっかけに、想像もしなかった未来に飲み込まれていく。思いを伝えること、人を愛することは、なぜこんなに難しいのか? 石井裕也監督の最新作は、日本の過酷な現実を直視した衝撃作。

⑤第25回PFFスカラシップ作品完成披露

©︎PFFパートナーズ=ぴあ株式会社、株式会社ホリプロ、日活株式会社/一般社団法人PFF

第25回PFFスカラシップ作品『猫と塩、または砂糖』を、第42回PFFでお披露目上映!
「PFF アワード」の受賞監督から毎年1名を選出し、企画から公開までをトータルプロデュースする「PFF スカラシップ」。第25回作品の監督を務めたのは、自身の人生経験を活かし、リアルな家族関係をシニカル且つコミカルに描いた『食卓』で、PFFアワード2016グランプリを獲得し、バンクーバー国際映画祭にも招待された小松孝監督です。上映前に、小松孝監督、出演の田村健太郎さん、宮崎美子さん、吉田凜音さん、諏訪太朗さんによる舞台挨拶を予定しています。

『猫と塩、または砂糖』2020年/日本/カラー/120分予定

監督・脚本:小松 孝
出演:田村健太郎、宮崎美子、吉田凜音、池田成志、諏訪太朗

シニカルなユーモアで描かれる、家族の幸せ
社会を拒絶し母のペット「猫」になった長男、慎ましい母、アル中&糖尿病の父の3人で暮らす、佐藤家。母と元彼の再会をきっかけに、その娘も巻き込み、ひとつ屋根の下、5人の奇妙な同居生活がスタートする...。

⑥コンペティション部門「PFFアワード2020」

480本の応募作品の中から入選した17作品を紹介。
本入選作品は、映画祭で2回ずつ上映され、9月25日(金)に行われる表彰式にて、最終審査員らによりグランプリほか各賞が発表されます。 ※最終審査員は後日発表!

映画祭チケットは、8 月15日(土)午前10時より、チケットぴあにて発売開始!
今年は前売券のみ!(全席指定席制)当日券の販売はございません。