『れいわ一揆』、『水俣曼荼羅』と話題の新作2本が公開待機中の原一男監督の普及の名作「ゆきゆきて、神軍」が<夏の神軍祭り>が開催されます。

今年は戦後75年、そして本作のメインキャラクターである奥崎謙三氏の生誕100周年であることから、全国のミニシアターで開催され、各劇場で、原一男監督によるオンラインも含む舞台挨拶が予定されています。

そして今回は、<夏の神軍祭り>特別版の予告編、奥崎謙三生誕100周年を記念したビジュアルが発表されました。
また、今回の上映に際して、上映劇場の関係者、原一男監督がコメントを寄せました。

奥崎謙三生誕100周年記念ビジュアル

原一男監督の普及の名作-奥崎謙三生誕100周年記念『ゆきゆきて、神軍』予告

原一男監督の普及の名作-奥崎謙三生誕100周年記念『ゆきゆきて、神軍』予告

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<劇場コメント>

戦争を知らないオレたちに、生ける亡霊が降りてきた。奥崎という名の敗戦の鬼が。
仁藤由美(名古屋シネマテーク)

受け容れられることが“正しさ”だと思っている社会に、奥崎謙三の“正義”が強烈な一撃で揺さぶりをかける。
林 未来(元町映画館)

健忘症のわたしたちは、折に触れて『神軍』を見返す必要がある。過剰なる “人間” を思い出すために。
小坂 誠(第七藝術劇場/シアターセブン)

『ゆきゆきて、神軍』を松本で上映した『中劇シネサロン』(2004年閉館)のオーナ-の藤本さんは、東京の劇場に観に行き、奥崎さんの手配で妻シズミさんの命日に観客に配られた『神軍饅頭』の空箱を未だに大切に持っています。興行は映画人生で相当インパクトあったようです。
(NPOコミュニティシネマ松本CINEMAセレクト 理事長 宮嵜善文)

<原一男監督コメント>

「ゆきゆきて、神軍」の完成前から「神軍パート2」を作って欲しい、と私を説得しようとかかっていた奥崎さん。「神軍」のラストで元中隊長の息子さんに銃を発砲して重傷を負わせた奥崎さんのこと。パート2を作ったら、もっと大きな事件を奥崎さんは起こすことになるだろうと予感した私は、首を縦に降らなかった。
だが奥崎さんの死後10年以上経った今となって、あの時、「はい。パート2を作りましょう」と答えていたら、奥崎謙三は、今の汚濁と腐敗に満ち満ちた世の中に対して風穴を開けるようなアクションを仕掛けただろうか?と夢想することがある。

監督=原一男
企画=今村昌平│制作=小林佐智子│録音=栗林豊彦│編集・構成=鍋島 惇助
監督=安岡卓治、大宮浩一│撮影助手=德永靖子、三好雄之進
選曲=山川 繁│効果=伊藤進一

配給=疾走プロダクション

(1987年/日本/122分/DCP)

2020年8月14日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開