60年代の若者たちの孤独や不安、そして衝動を描いた映 画作家、ピーター・エマニュエル・ゴールドマン監督の特別上映を開催します。メカス、ゴダールが絶賛し、ユスターシュやストローブに衝撃を与えた孤高のアメリカ人映画作家の、生涯2本の長篇劇映画が、2020年9月6日、ユーロライブにて特別上映が決定しました。

ゴールドマンは近年で最もエキサイティングな新人映画作家だ。この処女作は驚くほど素晴らしい作品である。
ースーザン・ソンタグ

アンダーグラウンド映画とゴダール映画の長所をもって、友人たちの生活や感覚をシンプルな 物語として紡いだ。......『Echoes of Silence』は非常に美しいテーマと形式をそなえた映画だ。
ージョナス・メカス

我々が敬愛するアメリカ映画作家は皆早熟だった。ホークスのキャリアもゴールドマンと同じ年頃に始まった。ゴールドマンは、すべて1人でやってのけた...偉大なアメリカ映画作家は増えてゆくだろう。すでにゴールドマンにクラーク、カサヴェテスがいるのだ。
ージャン=リュック・ゴダール

【ピーター・エマニュエル・ゴールドマン】
1939年NY生まれ。1964年にアメリカで処女作『Echoes of Silence』を監督し、イタリア・ペ サロ映画祭で特別監督賞を受賞。メカスやソンタグらより国内で高く評価されただけでなく、 ビエットやゴダールらフランスの映画人たちからも絶賛された。
65年に短編『Pestilent City』を監督。66年にパリに渡り、長編第2作『Wheel of Ashes』(1968)を制作。だが、その後ゴールドマンは映画製作から離れ、ユダヤ人としてのアイデンティティに傾倒してゆく。
60年代に前衛映画作家として世界各国の映画祭で賞賛を浴びながら、NYとパリで撮られた2本の強烈な作品を残して映画界から離れていった、稀代な監督である。

『Wheel of Ashes』上映後には昨年著書『フレームの外へ──現代映画のメディア批判』(森話社)が発売された映画評論家の赤坂太輔さんと、ミュージシャン・作家の中原昌也さんの トークつきです。

【上映作品】

『Echoes of Silence』沈黙のこだま

NYをさまよう20代の若者たちを記録した、ニュー・アメリカン・シネマの記念碑的作品。
街をぶらつく若者たちのやりきれなさや衝動を、手書きのインサートタイトルとさまざまなレコ ードに乗せて描き出す。
(1964/アメリカ/74分/スタンダード)

『Wheel of Ashes』灰の車輪

混沌とした世俗的な欲望と、心の平穏を神に求めるはざまで苦悩する青年の姿を描く。
愛や真理を求めて68年のパリを彷徨う主人公をピエール・クレモンティが演じた。
(1968/フランス/95分/スタンダード)

【上映スケジュール】
2020年9月6日
会場:渋谷 ユーロライブ
料金:各作品とも一律1500円

18:00『Echoes of Silence』沈黙のこだま
19:30『Wheel of Ashes』灰の車輪

上映後トークつき
ゲスト:赤坂太輔(映画批評家)、中原昌也(ミュージシャン/作家)

【ゲストプロフィール】

赤坂太輔
映画批評家・映像論。立教大学講師。 著書『フレームの外へ──現代映画のメディア批判』(森話社)

中原昌也
ソロユニットHair Stylisticsとして活動するミュージシャン。 小説家・映画評論家・画家など活動は多岐にわたる。

*二本立てではございません。
*当日券は17:30より販売
*10分前より開場。整理番号順、自由席。
*前売り券は2週間前頃よりPeatixページにて販売します。
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主催:Pigeon Films
協力:Re:Voir