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政府、行政、各自治体による段階的な自粛の解禁が行われる中、映画館も感染防止対策を施しながら営業を再開し始めております。

再開したミニシアターの一つ、九州の日田リベルテで劇場と監督・俳優を繋ぎオンライン企画として、<『風の電話』オンライン舞台挨拶&ディスカッション@日田リベルテ>を6月7日(日)19時より開催されました。

以下レポートとなります。

今回の舞台挨拶は感染防止対策により全70席のうち、リアルな座席は20席のみ販売という状況の中、残りの50席をオンライン視聴できるチケットを劇場のオンラインショップで販売し劇場の座席分はほぼ“満席”となった。(※本編ではなく舞台挨拶イベントにおいて。)

イベントは、原支配人の挨拶に始まり、参加できなかったモトーラ世理奈、三浦友和、西島秀俊らのビデオメッセージが流れた後に、諏訪敦彦監督、渡辺真起子、カトウシンスケ、占部房子、青木基晃宣伝プロデューサーが登壇し、内容の濃いトークが展開された。
劇場の観客からの質問にも応じ「作品の中で、クルド人コミュニティーのシーンが出てくるがその意図は?」という問いに諏訪監督は「狗飼恭子さんとの共同脚本の中に書かれていたもので、傷ついた人々、傷ついた大地というのは世界共通のことなのでその人たちを入れたかったと彼女から聞いた時、自分も共感した。」と答え実際の舞台挨拶さながらのやり取りがされた。最後には劇場の観客から拍手がおき盛況に終えた。
今回のケースはこの状況下で何かできないかという劇場と作品チームの相談の中で実現した実験的な試みで、全国の劇場でも運用できるように本施策がモデルケースになればという思いもあり、早速問合せも他劇場からあった。

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<原茂樹 日田リベルテ支配人>

「元々は『風の電話』を4月に上映予定でしたがコロナ禍により上映できなくなりその後ミニシアター・エイドや#SaveTheCinemaなどの後押しによりようやく再開できました。そして再開後、どうしても『風の電話』を上映したいと思いこの時期に上映させていただくことになりさらにこのようなイベントもさせていただき一生忘れられない緊張感に包まれております。再開したとはいえ座席の制限があり、その空席を販売してみるという実験的なイベントを実施し今後に役立てていただければと思っております。本当に多くの皆さんのおかげで実現できました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。」

コメント

<諏訪敦彦監督>

「やっと映画館が開いて映画がスクリーンで上映されていることを実感するだけで少し救われた感じがします。一館もミニシアターが無くなって欲しくなく、居ても立っても居られませんでした。まだこれから大変な状況が続きますが何か出来ることがあればと思ってます。『風の電話』でモトーラ世理奈演じる主人公ハルは触れたりハグすることで世界との繋がりを保ってます。現実世界ではソーシャル・ディスタンスでこういったリモートなどで接してますが触れるということは人にとって本来重要なことだと思います。#SaveTheCinemaの活動を通じて映画は文化だと言い続けてますが最近そんな生易しいものではないと思っています。人を救う映画もあれば不快な気分にさせる映画もある。多様だからこそ「これは私の映画である」、と感じられる作品に出会うことがあるのです。自由な映画がありまたその出会いも自由でなければいけないと思います。」

<渡辺真起子>

「『風の電話』というみんなで心を込めた作品があったお陰で、こうゆう(オンラインでの)新しい形で観客の皆様と出会えたりまた仲間と出会えたことを嬉しく思います。『風の電話』でベルリン国際映画祭に参加した後から全ての活動がストップしていき、周りの映画人も何か動かなきゃという雰囲気の中、ミニシアター・エイドや#SaveTheCinemaなどの活動に参加していきました。さらに何が出来るかを模索する中、日田リベルテさんや様々な人たちと一緒にやって行こうという気持ちで瞬く間に今回のイベントが実現できて実は少し泣きそうです。(笑)いつの日か劇場で皆さんにお会いしたいと思います。」

<カトウシンスケ>

「オンラインでの舞台挨拶は初めてで緊張してますが、実際にお会いできないのが少し寂しく感じます。いつか劇場に行きたいと思います。友人から日田のちゃんぽんと餃子は絶対に食べろ、と言われたので必ず行きます(笑)。この状況下でしんどい思いをしている方、傷ついている方も多いかと思います。映画でどこまで救えるか分かりませんがしんどい思いをしたら僕らが(スクリーンで)代わりに傷つきますのでそれを観て少しでも楽になったら、楽にならなくてもその映画館で過ごした2時間はそれはそれでいいことだと思いますのでもし気が向いたら足を運んでいただけたらと思います。」

<占部房子>

「映画を映画館で観られるのは嬉しいことですね。ここずっと映画館で映画を観たいと泣いてました。私も早く観に行きたいと思います。『風の電話』では岩手県大槌町の人物を演じるので撮影前に自分で調べて大槌町に行ってその土地の感じを確かめたりしました。『風の電話』自体が今も旅をしているような気がしていていろんな人と出会い育っていると思います。この作品は自分にとっての救いにもなっていると今回あらためて実感しました。」

映画『風の電話』について

2011年に、岩手県、大槌町在住のガーデンデザイナー・佐々木格氏が自宅の庭に設置した<風の電話>。死別した従兄弟ともう一度話したいという思いから誕生したその電話は、「天国に繋がる電話」として人々に広まり、東日本大震災以降、3万人を超える人々が、この場所を訪れている。本作はこの電話をモチーフにした初めての映像作品です。監督は、『2/デュオ』(97)で長編監督デビュー以来、『M/OTHER』(99)を始め、『ライオンは今夜死ぬ』(17)など日本だけでなく、フランスをはじめヨーロッパで圧倒的な評価を受けている諏訪敦彦。広島から故郷の大槌町へと旅する主人公ハルを、唯一無二の個性を放つ注目の女優モトーラ世理奈が演じ、西島秀俊、西田敏行、三浦友和ら日本を代表する名優たちが、彼女の熱演を温かく包みこむ。今だからこそ届けたい、珠玉の感動作が誕生しました。

<ストーリー>
17歳の高校生ハル(モトーラ世理奈)は、東日本大震災で家族を失い、広島に住む伯母、広子(渡辺真起子)の家に身を寄せている。心に深い傷を抱えながらも、常に寄り添ってくれる広子のおかげで、日常を過ごすことができたハルだったが、ある日、学校から帰ると広子が部屋で倒れていた。自分の周りの人が全ていなくなる不安に駆られたハルは、あの日以来、一度も帰っていない故郷の大槌町へ向かう。広島から岩手までの長い旅の途中、彼女の目にはどんな景色が映っていくのだろうか―。憔悴して道端に倒れていたところを助けてくれた公平(三浦友和)、今も福島に暮らし被災した時の話を聞かせてくれた今田(西田敏行)。様々な人と出会い、食事をふるまわれ、抱きしめられ、「生きろ」と励まされるハル。道中で出会った福島の元原発作業員の森尾(西島秀俊)と共に旅は続いていき…。そして、ハルは導かれるように、故郷にある<風の電話>へと歩みを進める。家族と「もう一度、話したい」その想いを胸に―。

出演:モトーラ世理奈 西島秀俊 西田敏行(特別出演) 三浦友和

渡辺真起子 山本未來 占部房子 池津祥子 石橋けい 篠原 篤 別府康子

監督:諏訪敦彦 脚本:狗飼恭子・諏訪敦彦 音楽:世武裕子
 

制作プロダクション:ジャングルドラム
制作・配給:ブロードメディア
配給協力:イオンエンターテイメント 

©2020映画「風の電話」製作委員会 
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

『風の電話』は下記の配信2ステーションにて特別先行配信中です。

★クランクイン!ビデオ →https://video.crank-in.net/
★Paravi →https://www.paravi.jp/

●視聴料金:800円(視聴期間:72時間)