『陽はまた昇る』『半落ち』などで知られる佐々部清監督が、次回作の制作準備のために宿泊中のホテルで死去。62歳。
明治大学文学部演劇科卒業後、横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)で学び、84年から崔洋一監督、故降旗康男監督、和泉聖治監督、杉田成道監督らの映画やドラマで助監督を務めた。
監督デビュー作「陽はまた昇る」で日本アカデミー賞で優秀作品賞を受賞。翌年、『半落ち』で日本アカデミー賞最優秀作品賞、優勝監督賞、優秀脚本賞を受賞。
その後も、『日輪の遺産』『ツレがうつになりまして。』などコンスタントに作品を発表し、近年では、自らプロデュースを手掛けた『八重子のハミング』や2019年には天才詩人・北原白秋の波乱に満ちた半生を描いた『この道』を発表していた。
また新作として、薩摩川内市で撮影された映画『大綱引の恋』の監督を務め、今年秋に鹿児島で先行公開、そして来年5月に全国公開を控えていた。
R.I.P.
主な監督作品 予告
『陽はまた昇る』2002年
日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞、日本アカデミー賞優秀作品賞
『チルソクの夏』2003年
日本映画監督協会新人賞、新藤兼人賞金賞
『半落ち』2004年
日本アカデミー賞 最優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞 日本映画復興奨励賞)
『四日間の奇蹟』2005年
『カーテンコール』2005年 日本映画批評家大賞作品賞
『出口のない海』2006年
『夕凪の街 桜の国』2007年 日本映画批評家大賞作品賞
『結婚しようよ』2008年
『三本木農業高校、馬術部』2008年
『日輪の遺産』2011年
『ツレがうつになりまして。』2011年
『六月燈の三姉妹』2013年
『東京難民』2014年
『群青色の、とおり道』2015年
『種まく旅人 夢のつぎ木』2016年
『八重子のハミング』2016年
『ゾウを撫でる』2017年
『この道』2019年
シネフィルでも佐々部監督に湯布院映画祭において動画インタビューをしており、プロデュースも自ら手がけた『八重子のハミング』について語ってくれている。
助監督を得て、監督になった、自分のことを“職業監督”としてはっきりと意識し、プロであることを熱く語っていた姿を思い出しました。
ゆっくりおやすみください、ご冥福をお祈りします。
下記にてインタビュー映像あり