誰しも経験したことのあるであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いた映画『はちどり』が4月25日よりユーロスペースほか全国順次ロードショーとなります。

1990 年代の韓国。14 歳の少女ウニ(パク・ジフ)は、何百もの世帯が暮ら す無機質な姿をした集合団地で両親、姉、兄と共に生活している。思春期を迎え、大人の世界への興味も持ち始めていたウニは、学校にあまりなじめず、 別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女の子とデートをしたりして過ごしていた。ウニの両親は、朝から晩まで小さな店を切り盛りし、厳格な父は子供たちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がない。ウニは、自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えていた。そんななか、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会う。

(C) 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.

2 度と戻らない 10 代の不思議で美しい日々を切り取った
『はちどり』―本予告映像解禁ー

今回解禁された本予告は「知っている中で本心まで知っているのは、何人?」ウニが通う漢文塾の女性教師であり、憧れの大人の女性・ヨンジの問いかけから始まる。全てが気だるく眠気しか起こらない、いつまで経っても馴染むことのできない学校の授業、兄の受験の事ばかりでウニに関心がない家族。ただ過ぎていく単調な日々の中、暇に任せてノートに落書きをしていると「私も漫画が好き」と、ヨンジ先生だけが私の存在に気づき、気にかけてくれた。これまで明かすことのなかった自分の胸の内を、ヨンジ先生だけに少しずつ明かしていくウニ。友人との言い争い、淡い恋愛、わけもなく叫びたくなるような、どうしようもない苛立ち。“世界”となかなか折り合いのつかない自分にヨンジ先生は「自分を好きになるには時間が必要だわ」「誰かと出会い 何かを分かち合う」「世界は不思議で美しい」と静かに語りかける。「先生、私の人生もいつか輝くでしょうか」世界各国で 50以上の賞を受賞、世界中を虜にした 14歳のウニの珠玉の日常が詰まった映像となっておりま す。

38歳のキム・ボラ監督による初⻑編作品である本作。2018年釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション 14plus 部門をはじめ国内外の映画祭で 50 を超える賞を受賞(2020 年3月現在)。韓国では 2019 年8月に公開され、単館公開規模ながら公開 1 か月で観客動員数12万人超、最終的に 15万に迫る異例の大ヒットを果たし、かつて世界を熱狂させた韓国映画『息もできない』(2008年)を凌ぐ評価を得るなど、今韓国で最も話題の女性監督の一人です。

主人公・ウニは、2016年に韓国で発売されるやベストセラーとなった小説「82 年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代とも重なる。男性が優遇されることが当たり前だった時代、女性であるという理由で我慢しなく てはいけなかったこと、それがおかしいということに気がつかなかったこと。2つの作品に共通するのは、 そんな時代に生きた女性の物語であり、声をあげようとする姿である。そして、それは韓国の同年代の女性の共感を呼びました。
世界で最も小さい鳥のひとつでありながら、その羽を 1秒に80 回も羽ばたかせ、蜜を求めて⻑く飛び続けるという「はちどり」。それは希望、愛、生命力の象徴とされ、その姿が主人公のウニと似ていると思った、と監督は語る。
映画の中で、ウニは様々な感情を抱えながら、成⻑し、この世界に羽ばたいていこうとする姿に共感し、多くの感動を呼ぶ本作。注目です!

ベルリン映画祭を始め、世界各国で 50 以上の賞を受賞!『はちどり』予告

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STORY
1994 年、空前の経済成⻑を迎えていた韓国、ソウル。14 歳のウニは、両親、姉、兄と集合団地に暮らしていた。学校に馴染めず、 別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごす日々。両親は小さな餅屋を切り盛りし、子供達の心の動きと向き合う余裕がない。
父は⻑男である兄に期待を寄せていたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていた。ウニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていた。 ある日、ウニが通う漢文塾に女性教師のヨンジがやってくる。大学を休学中のヨンジは、どこか不思議な雰囲気を漂わせていた。 自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、ウニは心を開いていく。ヨンジは、入院中のウニを見舞いに訪れ、「誰かに殴られたら黙っていてはダメ」と静かに励ます。ある朝、ソンス大橋崩落の知らせが入る。それは、いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯だった。ほどなくして、ウニのもとにヨンジから一通の手紙と小包が届く。

監督・脚本:キム・ボラ
出演:パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ

2018 年/韓国、アメリカ/138 分/英題:HOUSE OF HUMMINGBIRD/原題「벌새」/PG12/
(C) 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.
提供:アニモプロデュース、朝日新聞社
配給:アニモプロデュース

4/25(土)ユーロスペースほか全国順次ロードショー