昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、大きな話題となったフランス・ポルトガル合作映画『ポルトガル、夏の終わり』が、4/24(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 他全国順次公開となります。

本作は、フランスの至宝イザベル・ユペールがアイラ・サックス監督の『人生は小説よりも奇なり』(14)に惚れ込み監督にラブコールを送り、それを受けた監督が彼女のために書き下ろした儚くも美しい人生の物語だ。

イギリスの詩人バイロン卿に“この世のエデン”と称されたポルトガルの世界遺産の町シントラを舞台に繰り広げられる、ある夏の終わりの1日。早朝から日が沈む夕景が映し出されるまでというごく短い時間で繰り広げられる物語を通じて、主人公フランキーとその家族や大切な人の、それぞれの過去、現在、そして未来――ゆったりと流れ、決して止まることのない彼らの人生の姿がありありと浮かび上がってくる。このうえなく幻想的で美しいシントラという町が、フランキーたちの人生模様を演出するかのようにスクリーンに映し出される。

イザベル・ユペールは、本日3月16日が67歳の誕生日!
記念として、もはや神々しささえ漂う美しさを捉えた本作の新場面写真やメイキング画像9枚が一挙解禁となりました!

ポール・ヴァーホーヴェン監督とタッグを組んだ『エル ELLE』でアカデミー賞主演女優賞に初めてノミネートされたユペールは、近年は世界各国の気鋭監督作に意欲的に主演するなど、60代にして全盛期ともいえる輝きを見せている稀有な存在。そんな彼女が本作で演じるのは、ヨーロッパを代表する女優フランキーだ。彼女は自分の余命が長くないことを知っており、シントラに家族や友人を呼び寄せたのは最愛の者たちの人生を今のうちに少しだけ演出しようと仕組んでのことだった。

解禁となった場面写真は、フランキーが町を何気なく歩く様子やふもとの何かを切なそうに見つめる場面、フランキーいわく“バカ息子”のポール(ジェレミー・レニエ)との一コマや、仕事関係で唯一の友人といえる存在であるヘアメイクアップアーティストのアイリーン(マリサ・トメイ)との久々の再会の瞬間、自分の大ファンであるという老婦人の誕生日会に飛び入り参加するシーンのメイキングカットなど、フランキーのバケーション中の様々な様子が切り取られている。

© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions

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いずれも、フランキーの“全能”感だけでなくはかなさ、もろさもにじむような強い印象を残すものばかり。演じているユペール自身のエイジレスな魅力はもちろん、彼女が「完璧だった」と振り返る衣装にもぜひ注目したい。ユペールは本作で着用した衣装について「女優というフランキーの役柄が服装から伝わってほしいと思っていた。最初から登場人物は衣装によって定義され、役作りが行われていたの」と語る。短い時間を描く物語ゆえフランキーが着る服は主に2着で、病の身でかつ旅先にはそぐわない服装だが、「2枚の衣装は、画面に映し出されたとたんに強い印象を残さなければならなかった。紫とオレンジ。映画で映えるこの2色に、私はとても惹きつけられたわ。冷たくて強くて、印象に残る色。私は、フランキーの小ぶりのスカーフと体に沿うデニムのジャケット、それにハイヒールをとても気に入った。森を歩くフランキーに脆さを与えてくれる」と語る。
フランキーが身に着ける印象的でありながらシンプルな衣装と、映画のもうひとつの主人公ともいえるシントラの自然が織りなす美しい色彩のコントラストを、ぜひ大きなスクリーンで堪能してほしい。

メイキング画像
© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions

メイキング画像
© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions

ユペールに対して我々観客が抱くパブリックイメージを地で行くような人物であるフランキーだが、サックス監督は「僕は、俳優をキャスティングするのではなく、人間をキャスティングするといつも考えている。だから、イザベルというキャラクターを女優として描くのは、とても自然なことに感じたんだ」と、当て書きにより作られたフランキーというキャラクターが女優である理由を語る。さらに、「イザベルは演じ方を見事に知っているのに、驚くほど演技くさくならない女優だ。さりげない仕草に意味を持たせる方法を熟知している」と賛辞を惜しまない。一方のユペールは、サックス監督の演出について、「彼は私に“ポイントゼロの演技”、つまりその場の状況だけを行動で演じることを求めたの。可能な限りのシンプルさを求めていて、余分なものはすべて排除した。だから、私はただそこにいるだけ。時々、胸のなかでつぶやいてたわ。『どうか観客に、映画の中にいる私がちゃんと見えていますように!』って」と振り返る。

こうして生まれた大女優イザベル・ユペールが演じる大女優フランキーという人生のひとときは、私たちにささやかな感動をもたらしてくれる。

『ポルトガル、夏の終わり』予告編

イザベル・ユペールが魅せる、このうえなく美しく繊細な、人生の物語『ポルトガル、夏の終わり』予告編

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【STORY】
ヨーロッパを代表する女優フランキーは、夏の終わりのバケーションと称し、“この世のエデン”と呼ばれるポルトガルの世界遺産の町シントラに一族と親友を呼び寄せる。自らの死期を悟った彼女は、亡きあとも愛する者たちが問題なく暮らしていけるよう、すべての段取りを整えようとしたのだ。しかし、それぞれに問題を抱えた家族たちの選択は、次第にフランキーの思い描いていた筋書きから大きく外れていき――。

出演:イザベル・ユペール『エル ELLE』、ブレンダン・グリーソン『ロンドン、人生はじめます』、マリサ・トメイ『人生は小説よりも奇なり』、ジェレミー・レニエ『2重螺旋の恋人』、パスカル・グレゴリー、ヴィネット・ロビンソン、グレッグ・キニア

監督・脚本:アイラ・サックス『人生は小説よりも奇なり』
原題:FRANKIE/2019/フランス・ポルトガル/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1chデジタル/100分/字幕翻訳:松岡葉子 

© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions

配給:ギャガ
後援:ポルトガル大使館、ポルトガル政府観光局

4/24(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 他全国順次公開