特定非営利活動法人映像産業振興機構が、日本における商業映画監督の育成への取り組みとして、2006年度より企画・運営する、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019」において、今年度の製作実地研修で完成した短編映画3作品が、2月21日(金)~27日(木)まで角川シネマ有楽町にて1週間限定上映、その後、名古屋、大阪でも上映となります。

21日(金)に角川シネマ有楽町にて、川崎僚監督、島田欣征監督、山中瑶子監督による初日舞台挨拶が開催されました。

【日時】2月21日(金) 20:10~
【場所】角川シネマ有楽町 (東京都千代田区有楽町1-11-1読売会館8F)
【登壇】川崎僚監督、島田欣征監督、山中瑶子監督

映像産業振興機構(VIPO)が企画・実施する「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019」で製作された短編映画3作品が、ついに2月21日(金)より一般公開となった。舞台挨拶に登壇した3人の若手監督は、少し緊張しつつも観客の反応を楽しんでいる様子だった。

今年製作実地研修で完成した短編映画3作品は、自主映画で注目を集めている川崎 僚監督作『あなたみたいに、なりたくない。』、広告映像やPV、CGデザインなどを手掛けている島田欣征監督作『Le Cerveau - セルヴォ -』、そして独学で撮った処女作「あみこ」が、第68回ベルリン国際映画祭に史上最年少で招待された山中瑶子監督作『魚座どうし』の短編映画3作品。
8月に行ったワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ3人の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクションのご協力のもと、プロのスタッフ・キャストと共に35mmフィルム撮影・編集された30分の短編映画となる。

『あなたみたいに、なりたくない。』
出演 阿部純子、小島聖、鳥谷宏之、吉倉あおい、藤田真澄

川崎僚監督は、「伊丹十三監督作品が大好きで、こんな世界があるんだということを映画で見せてくれるところがすごいと思います。この作品も“婚活”ってこういうものなんだと、情報映画としても、皆さんに伝えられればと思って作りました」と語り、「これからも女性の感情を描いて、女性だけでなく男性にも共感・理解してもらえる作品を作っていきたい」と抱負を語った。

©2020VIPO

川崎僚監督
1986年大分県生まれ。
早稲田大学第二文学部卒業。シナリオライターとして映画・ドラマの企画開発に携わる傍ら、ニューシネマワークショップにて映画製作を学ぶ。その後「笑女クラブ」「彼女のひまわり」等の短編映画を製作し、数々の国内映画祭に参加。2018年に初長編映画「wasted eggs」を監督し、タリン・ブラックナイツ映画祭に正式招待、イタリアのレッジョ・エミリア アジア映画祭でも上映された

『Le Cerveau - セルヴォ -』
出演 田中沙依、藤崎絢己、南岐佐、八田浩司、上瀧昇一郎

島田欣征監督は「デヴィッド・リンチやクリストファー・ノーラン監督が好きで、今回手掛けた作品もSFでサスペンスフルなものを作ろうと思いました。エンドロールであれってこういうことだよねと見終わった後に振り返って考えるような作品にしたかったんです。」と今回の作品制作に込めた思いを明かし、「人の暗い部分や闇などの内面を描けるようにチャレンジしてきたい」と語った。

©2020VIPO

島田欣征監督
1986年 東京都生まれ。
大学時代に実写の撮影、編集、3DCGを専攻。イギリス留学中にファインアート、写真、VFX、グラフィックを学ぶ。CG制作会社、デザイン会社を数社経て2013年に独立。監督として広告映像やMVを企画・演出、CGデザイナーとしても映画やCMの制作に携わる。また一方で、CGを教える大学の非常勤講師も務める。初監督作品の短編映画『宵の棒鱈』(2016) が海外や国内の映画祭に選出・招待上映。

『魚座どうし』
出演 根本真陽、外川 燎、山田キヌヲ、伊東沙保、カトウシンスケ

山中瑶子監督は、本作を撮った理由を「子供の映画を撮りたくて、キアロスタミ監督やショーン・ベイカー監督の作品を参考にしました。自分の人生が狂ったなと思ったのが小学校4年生の時で、そのころ何があったのかを書き出して、脚本にも反映しました。」と実体験が物語に反映していることなどを語り、「ただ、脚本を書きあげるのはすごく難しかった。」と制作時の苦労を振り返った。

©2020VIPO

山中瑶子監督
1997年長野県生まれ。
日本大学芸術学部中退。独学で制作した初監督作品『あみこ』がPFFアワード2017に入選。翌年のベルリン国際映画祭に史上最年少で招待され、香港、NYをはじめ10カ国以上で上映される。監督作に、オムニバス映画『21世紀の女の子』(2019)の『回転てん子とどりーむ母ちゃん』

その後、会場からの質疑応答では、役者に演出をする上で大事にしていることは?などの質疑応答が行われ、最後に3人の監督からは、「是非、皆さんの感想やご意見をネットでも話しかけてくださってもいいので是非教えて欲しいです。忌憚なき意見がほしいです。将来いい作品を作って、今日のこの作品を思い返してほしいです」と声をそろえて集まった観客に訴え、大盛況のうちに舞台挨拶は終了となった。

左より川崎僚監督、島田欣征監督、山中瑶子監督

1週間限定の公開だが、東京では連日舞台挨拶が開催され、21日(土)には崔洋一監督を、22日(日)にはndjc2008中野量太監督を、23日(月)には『ケンとカズ』の俳優カトウシンスケさんをゲストに迎え、ndjc2019監督3人とのトークセッションを開催する。

そして、25日(火)は古澤健監督を招き、山中瑶子監督とのトークセッション。
26日(水)は山本政志監督を招き、島田欣征監督とのトークセッション。
最終日の27日(木)には女優・根矢涼香さんを招き、川崎僚監督とのトークセッションがそれぞれ開催される。

いずれも連日18:30から上映となる。名古屋では3月7日(土)に映画パーソナリティの松岡ひとみさんと、大阪では、14日(土)に映画パーソナリティの津田なおみさんと、ndjc2019監督3人とのトークセッションが開催される。
詳しい情報は公式HP http://www.vipo-ndjc.jp/screening/ippan2019/に随時アップされるので要チェックだ。
フレッシュな感性と第一級の確かな技術が作り上げた個性豊かな短編映画3作品!新しい才能をあなたの目で確かめてほしい。

劇場予告編【ndjc公式】

ndjc2019 完成3作品 劇場予告編【ndjc公式】

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〇東京 角川シネマ有楽町 2/21~27 連日18:30~ ※連日舞台挨拶
〇名古屋 ミッドランドスクエアシネマ 3/6~12 連日19:00~ ※3/7舞台挨拶
〇大阪 シネ・リーブル梅田 3/13~19 連日18:30~ ※3/14舞台挨拶