10位『つつんで、ひらいて』広瀬奈々子監督
9位『惡の華』井口昇監督
8位『ザ・ファブル』江口カン監督
7位『ブルーアワーにぶっ飛ばす』箱田優子監督
6位『ハナレイ・ベイ』 松永大司監督
5位『ばるぼら』手塚眞監督
4位 『教誨師』佐向大監督
3位『初恋』三池崇史監督
2位『岬の兄妹』 片山慎三監督
1位『チワワちゃん』二宮健監督
Panos Kotzathanasis氏の2019年のランキングでは、最初の氏のコメントのとおり多様性のある作品を選んでいます。
ドキュメンタリー作品から佐藤慶紀監督『新宿タイガー』 関根光才監督『太陽の塔』広瀬奈々子監督『つつんで、ひらいて』と三本がランクインされました。
それぞれ違う題材ではありますが基本としているのは、オリジナルな生き方や、その表現方法や制作に真摯に向かい合った作品です。
『ココロ、オドル』岸本司監督は沖縄県慶良間諸島で、『ハナレイ・ベイ』 松永大司監督は、カウアイ島とそれぞれ沖縄、ハワイの島をロケーション撮影された作品。
近年、商業的にも成功するインディペンデント作品の中では、2位にランキングされた片山慎三監督のデビュー作『岬の兄妹』は今年のヒット作品です。そのほか、同じく監督デビュー作となる松上元太監督の『JKエレジー』や、夏都愛未監督『浜辺のゲーム』。そして、ぴあフィルムフェスティバルや、cinefil賞を受賞した工藤梨穂監督『オーファンズ・ブルース』などが挙げられています。
CMなどで活躍する映像作家による映画への進出も近年多く見受けられますが、その中では江口カン監督『ザ・ファブル』や映画デビューとなった箱田優子監督『ブルーアワーにぶっ飛ばす』が話題を呼びました。
もう一つの流れとして、海外で映画を勉強してきたHIKARI監督『37セカンズ』、海外の監督が撮ったサムライ映画バーナード・ローズ監督『サムライマラソン』、そして海外資本とスタッフのコラボによる手塚眞監督『ばるぼら』など、閉塞感のある日本の映画界の中でも徐々に、今までより様々な形で海外との関係であったり、コラボなどが進んできているようです。
メジャーな監督からは、三池崇史監督『初恋』や井口昇監督『惡の華』などが挙げられていますが、今年大きく際立ったのは、『新聞記者』を大ヒットさせた藤井道人監督の別作品『デイアンドナイト』や、今泉力哉監督の同じく大ヒット作『愛がなんだ』などがランクインしており、1位となった『チワワちゃん』の二宮健監督を含め、今まで良質なインディペンデントの作品を作り続けてきた監督たちが大きく飛躍した年であることが思い知らされました。
最後に、4位にランクインした佐向大監督『教誨師』は、亡くなった大杉漣さんが、初めてエグゼクティブプロデューサーを務め、最後の主演作であったことを付け加えます。