大きな話題となった『ヤクザと憲法』、ドキュメンタリーとして異例の26万人以上の動員を記録した『人生フルーツ』など、テレビと映画の枠を越えて刺激的な作品を発表し続ける東海テレビ放送ドキュメンタリー劇場。

2018年菊池寛賞を受賞した「東海テレビドキュメンタリー劇場」の11作品に加え、光市母子殺害事件の弁護団を追った「光と影」、日本ではじめて現役の裁判長に長期密着した「裁判長のお弁当」など東海テレビの真骨頂ともいえる司法シリーズ4作を加えた全15作を上映する特集上映「東海テレビドキュメンタリーのお歳暮」が12月14日(土)より東京・ポレポレ東中野にて開催いたします。

特集上映『東海テレビドキュメンタリーのお歳暮』

上映作品

『平成ジレンマ』2010年/98分
「戸塚ヨットスクール事件」で時代のヒーローから一転、希代の悪役となった戸塚宏校長の今。平成ニッポンが抱えるジレンマを圧倒的な迫力で突きつける。モントリオール世界映画祭招待作品。

『青空どろぼう』2010年/94分
三重県四日市市。美しかったあの空を奪ったのは誰?公害裁判へ立ち上がった人々と、40年にわたり写真とペンで彼らを支えた記録人・澤井余志郎の魂の物語。

『死刑弁護人』2012年/97分
「オウム真理教事件」「和歌山毒カレー事件」「光市母子殺害事件」などを担当する弁護士・安田好弘の生き様。見る前と後では世界が確実に違って見える究極の一本。

『長良川ド根性』2012年/80分
清流を遮る「長良川河口堰」。建設をめぐり推進・反対が激しく対立するが国策は止まらない。公益とは?民意とは?現代日本の構造的な難問を鮮烈に描く。

『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』2012年/120分
独房から無実を訴え続ける死刑囚・奥西勝を日本映画界の至宝・仲代達矢が演じる。本作は映画とジャーナリズムが日本の司法の根底に突きつける異議申立。

『ホームレス理事長 退学球児再生計画』2013年/112分
「退学球児に再び野球と勉強の場を」と謳ったNPO。でも何かがおかしい…。賛否両論、毀誉褒貶。ドキュメンタリーの可笑しさと真の恐ろしさが凝縮された怪作。

『神宮希林』2014年/96分
式年遷宮をめぐる旅人は、女優・樹木希林。「自分の身を始末していく感覚で毎日を過ごしている」そう語る希林さんの人生初めてのお伊勢参りドキュメント。

『ヤクザと憲法』2015年/96分
実録じゃなくて本物!ヤクザの世界でキャメラが廻る。社会と反社会、権力と暴力、ヤクザと人権?強面たちの知られざる日常からニッポンの淵が見えてくる。

『ふたりの死刑囚』2015年/85分
釈放された袴田巌と獄死した奥西勝。冤罪を訴え続けたふたりの死刑囚とその家族の人生から、「法治国家」ニッポンの司法が裁いた、否、犯した罪を問い詰める。

『人生フルーツ』2016年/91分
ニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋。四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実。津端修一さん90歳、英子さん87歳、長年連れ添ったふたりの暮らしから、この国が、ある時代に諦めてしまった本当の豊かさへの深い思索がはじまる。

『眠る村』2018年/96分
名張毒ぶどう酒事件——戦後唯一、司法が無罪からの逆転死刑判決を下したこの事件。57年が経った今もなお、多くの謎がある。決定的な物証の不在、自白の信憑性、二転三転した村人たちの供述。平成最後の冬に放つ、渾身のミステリー。

「司法シリーズ」傑作選

『光と影 ~光市母子殺害事件 弁護団の300日~』2008年/47分
18歳の被告を「死刑にしろ、弁護不要」と熱狂する世論。鬼畜とバッシングされた弁護団の内側にカメラを入れ、社会の深層を照射してみせたマスターピース。

『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』2009年/47分
はたして犯罪被害者は、みな加害者の極刑を求めているのか…。最愛の肉親を殺害された3人への取材が遺族の多様な思いと死刑制度の現実を明らかにしていく。

『裁判長のお弁当』2007年/47分
日曜以外は夜遅くまで働く。食事も外へは出ず、執務室で昼と夜、愛妻弁当…。日本ではじめて現役の裁判長に長期密着し、その肉声と裁判所内部の様子を映し出す。

『検事のふろしき』2009年/53分
裁判員裁判の導入前夜、日本ではじめて検察庁内部の長期密着取材を敢行。「公益の代表」たる検事たちの知られざる姿を映像化。検事の濃紺の風呂敷の中身とは?

企画:東風+ポレポレ東中野 
提供・制作・著作:東海テレビ放送

2019年12月14日(土)―12月28日(土)東京・ポレポレ東中野にて開催
2019年12月21日(土)―12月30日(月)※12/25休映 名古屋シネマテークにて開催
※名古屋シネマテークは上映作品が異なります。

「東海テレビドキュメンタリー劇場」最新作第12弾
『さよならテレビ』

本作は東海テレビ開局60周年記念番組「さよならテレビ」(77分)に新たなシーンを加えた待望の映画化である。
テレビの現場は日々、何に苦悩し、何を恐れ、どんな決断を迫られているのか。
果たして、テレビに存在意義はあるのか?
薄っぺらいメディアリテラシーは、もうたくさん。テレビの今を活写する。

(C)東海テレビ放送

今は昔。テレビは街頭の、お茶の間の、ダントツの人気者だった。豊かな広告収入を背景に、情報や娯楽を提供する民間放送は、資本主義社会で最も成功したビジネスモデルの一つだった。しかし、その勢いはもうない。「テレビは観ない」と公言することがクールだった時代を通り越し、今はテレビを持たない若者も珍しくない。マスメディアの頂点でジャーナリズムの一翼を担ってきたテレビが、「マスゴミ」と揶揄されるようになって久しい。これは市民社会の成熟か、あるいはメディア自身の凋落か…。今、テレビで、何が起きているのか? 『ホームレス理事長』『ヤクザと憲法』のクルーが、自社の報道部にカメラを入れた。

本作は東海テレビ開局60周年記念番組「さよならテレビ」(77分)に新たなシーンを加えた待望の映画化である。自らを裸にしていくかのような企画は、取材当初からハレーションを引き起こした。そして、東海地方限定で放送されるやいなや、テーマだけでなく、その挑発的な演出が、異例の大反響を呼んだ。番組を録画したDVDが、まるで密造酒のように全国の映像制作者に出回った。テレビの現場は日々、何に苦悩し、何を恐れ、どんな決断を迫られているのか。果たして、今のテレビにレゾンデートルはあるのか?

薄っぺらいメディアリテラシーは、もうたくさん。テレビの今を活写する。(『さよならテレビ』公式HPより)

(C)東海テレビ放送

(C)東海テレビ放送

(C)東海テレビ放送

最新作・第12弾『さよならテレビ』の予告編が解禁!

数々の傑作ドキュメンタリーを発表し続ける「東海テレビドキュメンタリー劇場」最新作-第12弾『さよならテレビ』予告

youtu.be

プロデューサー 阿武野勝彦
監督 圡方宏史
音楽 和田貴史
音楽プロデューサー 岡田こずえ
撮影 中根芳樹
音響効果 久保田吉根
編集 高見順
(C)東海テレビ放送

2020年1月2日(木)より[東京]ポレポレ東中野、[愛知] 名古屋シネマテークにてロードショー、ほか全国順次公開