日本・カザフスタン合作映画『オルジャスの白い馬』が、2020年1月18日(土)に新宿シネマカリテほか全国順次公開となります。

©『オルジャスの白い馬』製作委員会

主演を務めるのは、若手実力派俳優である森山未來と、『アイカ(原題)』で2018年カンヌ国際映画祭最優秀主演女優賞に輝いたサマル・イェスリャーモワ。アジアを代表する若手国際派俳優ふたりによるダブル主演となる。森山にとって初の海外主演作となる本作で、全編カザフ語で演じ乗馬もこなす熱演を披露、愛する人に真実を語れない不器用な男を演じている。監督・脚本は、日本人監督とカザフスタン人監督が共同で担当した。カザフスタンの大草原を舞台に、突然父を亡くしてしまった少年オルジャスと、その前に突然現れた不器用だが正義感の強い男カイラートとのふれあいを描くヒューマンドラマだ。

©『オルジャスの白い馬』製作委員会

本作で、カザフスタン側の主演を務めるサマル・イェスリャーモワが、現在開催中の第20回東京フィルメックスの国際審査員の一人として来日中! 
11月27日(水)にフィルメックスにおいて急遽、特別企画としてトークイベントが行われました。

イェスリャーモワにとって映画出演2作目にしてカンヌ国際映画祭主演女優賞をもたらした『アイカ(原題)』は、昨年の第19回東京フィルメックスの最優秀作品を獲得しましたが、昨年映画祭への参加が叶わなかったこともあり、今回は審査員として来日が実現。
主演最新作である『オルジャスの白い馬』の公開を記念して、急遽、トークイベントが企画されました。限られた時間の中で『オルジャスの白い馬』と『アイカ(原題)』について、東京フィルメックスのディレクターである市山尚三氏を聞き手に迎えて貴重なトークを繰り広げました。

以下、イベントレポートです。

イェスリャーモワの主演最新作である『オルジャスの白い馬』は、その『トルパン』でファースト助監督を務め、それまで映画出演の経験のなかったイェスリャーモワのキャスティングを行ったエルラン・ヌルムハンベトフによる監督作となる。
イェスリャーモワが演じるのは、森山が演じるカイラートとかつて深い縁があったものの、現在は夫を突然亡くし窮地に陥ってしまうアイグリという役どころ。

サマル・イェスリャーモワさん
撮影:明田川志保

イェスリャーモワは、「こんにちは」とはにかみながら日本語で挨拶。
続けて、「今回は招待していただきありがとうございます。私のデビュー作である『トルパン』では東京国際映画祭に参加して賞をいただくことができましたが、また日本に来れてすごく嬉しいです。今回は審査員として招いていただき光栄に思っています。日本とはずっと縁が続いていて、『トルパン』に続いて去年はフィルメックスで『アイカ』を最優秀作品に選んでいただきました。そして3本目の出演作『オルジャスの白い馬』は、カザフスタンと日本の合作になります。」と、日本との縁について語る。

『アイカ(原題)』は、セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督の『トルパン』(カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ受賞/第21回東京国際映画祭 最高賞・東京サクラグランプリ&最優秀監督賞)に続く作品となるが、イェスリャーモワによると、『アイカ(原題)』は断片的とはいえ撮影に6年もの期間がかかっているという。ドヴォルツェヴォイ監督がロシアでの冬の中のさらに大雪が激しい状態のもとでの撮影にこだわったり、イェスリャーモワがこの映画で演じた出産直後の若い女性ならではの“精神的にも体調的にも不安定な状態”に撮影再開の度に戻さねばならなかったことなど、数々の苦労を語る。イェスリャーモワの言葉を通じてドヴォルツェヴォイ監督の並々ならぬこだわりが明かされ、数々の映画をプロデュースしている市山氏も「なかなかこんなにすごいことをやっている監督も女優もいない。」と思わず感嘆するほど。

イェスリャーモワは、ヌルムハンベトフ監督から他の女優の起用は考えていないと熱烈オファーを受けたといい、去年のカンヌで具体的なミーティングを行ったという。
そして、「『アイカ』ではプロの役者でない方が多く出演していたので、その方々にアドバイスしたり、リハーサルに多くの時間がかかりました。でも、『オルジャスの白い馬』では森山さんとのシーンが多く、すごく驚き、感動しました。森山さんはすごい役者だと思います。彼は、演技が優れているだけでなく、日本人とカザフ人としてコミュニケーション面で心配もありましたが、現場でお互いの演技について方向性を的確に確認し合えてすごくやりやすかったんです。演技のパートナーとしても素晴らしかったです。」と、撮影を振り返りつつ、共演者である森山を称えた。

サマル・イェスリャーモワさん
撮影:明田川志保

第20回東京フィルメックスは、12月1日(日)まで有楽町朝日ホールほかにて開催中。

森山未來が初の海外作品の主演に挑んだ『オルジャスの白い馬』予告

森山未來が初の海外作品の主演に挑んだ『オルジャスの白い馬』予告

youtu.be

【STORY】
少年の心に吹き込んだ、疾風のような出会い。
夏の牧草地、草の匂いが混じった乾いた風、馬のいななく声。広大な空に抱かれた草原の小さな家に、少年オルジャスは家族とともに住んでいる。ある日、馬飼いの父親が、市場に行ったきり戻らない。雷鳴が轟く夕刻に警察が母を呼び出す。不穏な空気とともに一家の日常は急展開を迎える。時を同じくして、一人の男が家を訪ねてくる…。

2019/日本・カザフスタン/カザフ語・ロシア語/81分/カラー/DCP/Dolby SRD(5.1ch)/シネスコ/英題:Horse Thieves

監督・脚本:竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ
プロデューサー:市山尚三、木ノ内輝、キム・ユリア 
撮影監督:アジズ・ジャンバキエフ 音楽:アクマラル・ジカエバ 編集:ヌルスルタン・ヌスカベコフ、リク・ケイアン 音響:アンドレイ・ヴラズネフ 美術:サーシャ・ゲイ

出演:森山未來、サマル・イェスリャーモワ、マディ・メナイダロフ、ドゥリガ・アクモルダ

配給:エイベックス・ピクチャーズ 
配給協力・宣伝:プレイタイム
©『オルジャスの白い馬』製作委員会

2020年1月18日(土)より新宿シネマカリテほか全国ロードショー