秋の京都で日本情緒あふれる琳派絵画の鑑賞をしてみませんか?
細見美術館では、恒例となりました琳派展の第21回目として、「没後200年 中村芳中」を開催中です。
中村芳中(?~1819)は、江戸後期に京都で生まれ、大坂を中心に活躍した琳派の絵師です。
初期には、大坂の文人たちと親交があり、文人画風の山水画を描き、指頭画(しとうが)といって、筆以外のものを使って絵を描くことで有名になりました。
また、芳中は、尾形光琳(1658~1716)の琳派絵画に影響を受け、琳派の特徴である「たらし込み」というぼかしの技法を多く用いて、草花図を描き、「光琳風」の画家として、一躍、脚光を浴びました。 一方、俳人との交流を通じて、俳画や俳画の挿絵も多く手掛けています。

本展では、文人画風や、琳派風、俳画など芳中のさまざまな作品をご覧いただけます。
特に琳派風の草花を描いた『光琳画譜』(享和2年刊)は、ほのぼのと庶民的で愛らしく、芳中の傑作です。
時を超えて、芳中のゆるい表現が、癒されるのか、「なごみ系」画家として、今また人気を博しています。
是非、紅葉見物を兼ねて、京都・細見美術館へ足をお運びください。

中村芳中〈白梅小禽図屛風〉細見美術館蔵

芳中画は、一見、素人っぽい印象を受けますが、金地屏風に白梅のこの作品は風格があり、濃墨を基調に「たらし込み」の手法を用いて光琳の影響をうかがえる趣のある琳派調作品です。
                                              

中村芳中 〈花卉図画帖〉より「七月芥子」 細見美術館蔵

『花卉図画帖』は、12か月の草花を一図ずつ描いた画帖です。
扇面画でもよく取り上げられている主題を描いています。
色紙型で、扇面型よりも余白が少なく、モティーフは大きく見えます。

                                             

中村芳中〈花卉図画帖〉より「十月白菊」 細見美術館蔵

光琳菊といって、簡略化し「たらし込み」の技法を用い、ぼかし、滲ませることにより色彩を変化させて風合いを出しています。

                                             

中村芳中 〈六歌仙図〉 新古美術わたなべ蔵

芳中の作風は「おおらか」で、太くて緩やかな線描、水分の多い墨や絵の具による彩色、単純化して大きく描いた動物や人物が特徴です。
この絵は、俳諧の持つ軽やかさと、芳中の力みのないユーモアセンスが調和し、「ゆるい」けれど、味わい深い作品となっています。

                                            

中村芳中 〈月に萩鹿図〉 細見美術館蔵

月に向かって鳴く秋の鹿を描いています。
輪郭線を用いず描いた鹿は滲まず外形をとらえています。
萩は鹿の大きさと釣り合わない大きさで、曲線が鹿の向きと合うように描かれています。
月は輪郭の外側を墨で塗り、落ち着いた感じになっています。

中村芳中 『光琳画譜』より波千鳥 享和二年(1802) 個人蔵  

波と千鳥の組み合わせは《扇面貼付屏風》にも見られます。
「たらし込み」の手法が生かされ、千鳥がほのぼのと愛らしく描かれています。
おだやかでなごむ中村芳中の世界を是非、ご堪能ください。
                   

会期中展示替えがあります。

展覧会概要

展覧会名:琳派21 没後200年 中村芳中
会期:2019年10月26日(土)〜2019年12月22日(日)
会場:細見美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
時間:10:00〜18:00(最終入場時間 17:30)
休館日:月曜日  ※ただし祝日の場合、翌火曜
観覧料:一般 1,400 円(1,300円)
学生 1,100円(1,000円)  ※( )内は20名以上の団体
TEL:075-752-5555

関連イベント

                        詳しくはホームページをご覧くだい    
第47回アートキューブレクチャー   
「ゆるい?かわいい?芳中画の魅力」
12月7日(土)午後2時~
講師:福井麻純 (細見美術館主任学芸員)

会期中イベント 有 料・事前申込制
「アクティブ鑑賞会 令和をひらく、寿ぎの美」
 
11月9日(土)午後2時~英国スタイルミニ茶会  有料・事前申込制
11月15日(金)午後2時~

歳暮のミニ茶会   有料・事前申込制
12月14日(土)午後1時・午後3時
12月15日(日)午前11時・午後1時・午後3時

没後200年 中村芳中@京都 cinefil チケットプレゼント

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、没後200年 中村芳中@京都 cinefil チケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
この招待券は非売品です。転売、オークションへの出品などを固く禁じます。

応募先メールアドレス  info@miramiru.tokyo
応募締め切り    2019年11月18日(月)24:00

1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
  建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい(複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。