国立映画アーカイブではこの秋、東京国際映画祭、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)、アメリカ議 会図書館との共同により、議会図書館が所蔵する貴重な 35mm プリントで至宝のアメリカ映画を上映する企画「アメリカ議会図書館 映画コレクション」を開催されます。

アメリカ議会図書館は、書籍のみならず、地図・版画・楽譜・写真・レコードなどさまざまな資料の膨大なコレクションで知られる、世界最大の図書館の一つです。
その議会図書館の映画コレクションは、現在では 200 万点以上に達し、合衆国最大規模となっています。そのなかから、アメリカ合衆国の精神や文化を体現している多様な 9 プログラム(14 本)を、議会図書館が主に近年作製した 35mm プリントで上映します。
すべての映画ファン、そしてアメリカ 合衆国に関心をお持ちの方にとって必見の作品ばかりです。二度とない貴重な特集上映となります。

ポイント

◎民主主義とアメリカに興味のある方、必見! キング牧師の生涯を追った決定版ドキュメンタリ ーを日本初上映。

◎イームズチェアで有名! チャールズ&レイ・イームズ夫妻による独創的な短篇映画を特集。

◎今年生誕100年の女性監督シャーリー・クラークによる、アメリカ・インディペンデント映画史上の最重要作を上映。

◎ヴィダー、ウェルマン、カーティス、ダッシン、フォード......、ハリウッドの黄金時代を作り上げた巨匠の代表作や日本未公開作品を一挙上映。

▼上映作品▼(全9プログラム)

1.『街の風景』Street Scene
(1931、監:キング・ヴィダー、79分)

エルマー・ライスのピューリッツァー賞受賞戯曲が原作。様々な出自の人々が暮らすアパートの玄関先が舞台。そ の限られた空間を活かしきる、ヴィダーのダイナミックな演出に圧倒される。

2.『飢ゆるアメリカ』Heroes for Sale
(1933、監:ウィリアム・A・ウェルマン、71分)

傷痍軍人の薬物依存症と失業に始まり、共産主義や労働争議、赤狩りまでを71分という恐るべきスピードで語り きる大恐慌期ハリウッドの代表作。

3.『結婚スクラム』Four’s a Crowd
(1938、監:マイケル・カーティス、92分)

恋愛の四角関係を描くスクリューボール・コメディの傑作。ロザリンド・ラッセルやエロール・フリンといったハ リウッドスターたちが洗練された名演で魅せる。

4.『裸の町』The Naked City
(1948、監:ジュールス・ダッシン、96分)

NY市警の刑事たちが殺人犯を追いつめる様をドキュメンタリータッチに描く。戦後ハリウッド犯罪映画の金字塔。

5.『摩天楼』The Fountainhead
(1949、監:キング・ヴィダー、113分)

ゲーリー・クーパー主演。自らの信念と欲望以外の何物にも従わない建築家を描き、アメリカ個人主義の極限を体 現したラディカルな問題作。

6.『ウィリーが凱旋するとき』When Willie Comes Marching Home
(1950、監:ジョン・フォード、82分)

『ウィリーが凱旋するとき』
(c) Motion Picture (c)1950 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed 1978 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

射撃が上手すぎるゆえに教官に任命されてしまい、武勲を上げられない青年の物語。
ジョン・フォードが愛国主義を風刺的に描いた戦争コメディ。

7.『クール・ワールド』The Cool World
(1963、監・脚:シャーリー・クラーク、106分)

Photo courtesy of Zipporah Films, Inc. www.Zipporah.com

今年生誕100年を迎えた、アメリカ・インディペンデント映画の伝説的女性監督シャーリー・クラークの代表作。 ハーレムのスラム街で、のし上がろうと非行を重ねる黒人少年を、マル・ウォルドロンのジャズをバックに描く。

8.『キング モンゴメリーからメンフィスまでの記録』King: A Filmed Record...
Montgomery to Memphis

(1970年、製:イーリー・ランドー、リチャード・カプラン、182分)

人種差別と闘うキング牧師の約13年間をアーカイブ・フッテージから再構成した、キング牧師のドキュメンタリ ーの決定版。ポール・ニューマンなどハリウッドスターたちのインタビューも挿入される。

9.「イームズ作品集」

(計70分)
アメリカのミッドセンチュリーを代表するデザイナー/建築家であり、独創的な短篇映画監督でもあったチャールズ&レイ・イームズ夫妻の傑作集。おもちゃの汽車を動かしたいという子どものような願いを見事に達成した『おもちゃの汽車のトッカータ』 や、コンピュータの原理と可能性を的確に洞察した『情報機械』、さらに、想像を絶する広大な宇宙から素粒子のミクロの世界ま でを描く代表作『パワーズ・オブ・テン』など計6作品を上映。大スクリーンで観る絶好の機会。

上映作品:『イームズ・ラウンジ・チェア』Eames Lounge Chair(1956、2分)『メキシコの祝祭~死者の日』Day of the Dead(1957、15分)『おもちゃの汽車のトッカータ』Toccata for Toy Trains(1957、14分)『情報機械』The Information Machine or Creative Man and the Data Processor(1957、10分)『スミソニアン協会』The Smithsonian Institution(1965、20分)『パワーズ・オブ・テン』Powers of Ten(1977、9分)

トークのお知らせ■
11月2日(土)「イームズ作品集」上映後4:50pm~5:30pm(終了時刻は予定)

ゲスト:鈴木了二(建築家)
デザイナー/建築家として著名なイームズ夫妻の映画作品の上映後、建築家で、 映画の実作や批評でも活躍されている鈴木了二氏のトークを開催します。 *トークイベントからの参加はできません。

アメリカ議会図書館 映画コレクション
Film Treasures from the Library of Congress
会期:2019年10月31日(木)-11月10日(日)*月曜休館

主催:国立映画アーカイブ、東京国際映画祭、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)、アメリカ議会図書館
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階) 定員:310名(各回入替制・全席自由席)

料金:一般1,300円/高校・大学生・シニア1,100円/小・中学生、障害者(付添者は原則1名まで)520
円/国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ900円(学生)、1,000円(教職員)

*Student U30: 各回先着20名まで、30歳以下の学生の方は、学生証提示により無料となります(当日券のみ)。
前売券:10月17日(木)10時より、チケットぴあにて全上映回の前売券
(全席自由席・各150席分)を販売中。[Pコード:550- 462]

購入方法や発券手数料等の詳細はホームページかプログラムをご確認ください。