更に二人の来日を祝して、本作で日本語吹き替えを担当したファビエンヌ役の宮本信子さん、リュミ―ル役の宮﨑あおいさん、リュミ―ルの娘・シャルロット役の佐々木みゆちゃんが、会場へ駆けつけました!
それぞれ花束を贈呈し、「このお話を頂いてから、朝から晩まで映画を拝見しておりましたので、ドヌーヴさんに対して、どこか懐かしい方にお会いした感覚がありました。今日はありがとうございます。」(宮本)、「この場に一緒に立たせて頂けていることが本当に恐縮で、幸せな一日です。」(宮﨑)、「今日はお越しいただき、ありがとうございます。とても嬉しいです。よろしくお願いします!」(佐々木)と、二人へ感動の想いを伝えます。
実写吹き替えは初挑戦となる宮本さんは「初めての吹き替えのお仕事でした。声だけを入れる、だからこそファビエンヌがどのような人物なのか理解し、表現するかというのをよく考えて演じさせていただきました。」と熱い想いを持って挑戦したことを明かします。
これまでにも是枝作品に出演されたことがある宮﨑さんは「このお話を頂いてから、時間の許す限り作品を観て、ずっとビノシュさんを感じていたので、昨日初めてお会いしたときに、本当に涙が出てきそうになって、棒のように固まってしまった姿を監督に笑われました。声を当てていた間は、ずっとビノシュさんの気持ちを共有できていた感覚があり、すごく幸せなお仕事でした」と、心震える喜びを吐露。
みゆちゃんは「声のお仕事は初めてだったんですけど、これはチャンスだ!って思って、頑張ってやってみたらすごく楽しくて、嬉しかったです!」と、初めてのチャレンジに満足気な様子。
是枝監督は「みゆちゃんはずっと声のお仕事をやりたいと思っていたみたいなので、僕からオファーが来た時“よし!”って思ったみたいです(笑)。宮本さんは凛とした声が良いなと思っていて、宮本さんは”自分の中にいる侍がこれは断ってはいけない!と言っているから、引き受けた”と仰っていたんですが、その侍がいてくれて良かったと思っています。宮﨑さんはビノシュさんと比べると年齢的には少し若いんですけど、これまで声のお仕事を一緒にさせていただいていて、少年からおばあちゃんまで演じ分けられる女優さんだと思っているので、迷わずオファーしました。とても良いバランスで素敵なアンサンブルができたと思いますので、吹き替え版も是非楽しんでください」と、今回のキャスティングのイメージや、吹き替え版に対する想いを語ります。
本作でも是枝監督ならではの深い人間ドラマ、そして母娘の関係性が見ごたえたっぷりに描かれていますが、宮本さんも一観客として楽しくご覧になった様子。「ドヌーヴさん(ファビエンヌ)が撮影所を抜け出してクレープを食べにいこうとしているところを、ビノシュさん(リュミール)が迎えに行って止めるシーンがあるんですけど、なんだか親子の関係性が逆転しているようで、面白かったです。」と、宮﨑さんが印象的なシーンを明かすと、ドヌーヴは「私もあのシーンはお気に入りなんです。実際に女優として撮影現場にいると、長い時間待たされて、もうやってらんないわ!と抜け出したくなることが結構あります。そういった部分が非常に上手く描かれているので、私も大好きです。」と、ドヌーヴも自身の気持ちを重ねていたと暴露。
「私とカトリーヌの共通点が一つあって、それは”とても食いしん坊”ということ。だからこそ、あのシーンも成功したと思います。」とビノシュも笑いを誘いました。
みゆちゃんは「魔女の真似をするシーンで、『ハハハッ』って魔女っぽく笑うのが、難しかったです!」と難しかったシーンを振り返りましたが、司会から「また吹替えのお仕事をやってみたいですか?」と聞かれると、「はい!」と元気よく答えます。
最後に是枝監督が代表し、これからご覧になる観客へ向けて「母と娘が逆転しているというシーンがあると仰っていましたが、映画の中では母と娘が、娘と母に見えたり、昔の誰かと誰かの親子関係が見えたり、色々な見え方をするように重層的に作ったつもりでいるので、劇中劇も含め、注目して観て頂けると、より楽しんでいただけると思います。」とコメント。
フランス映画界の至宝たちに加え、日本を代表する女優陣も集結し、終始華やかな空気が漂いながらイベントは幕を閉じました。
以上。
是枝裕和監督構想8年!
世界の豪華キャストと描き出す『真実』予告
【STORY】
全ての始まりは、国民的大女優が出した【真実】という名の自伝本。
出版祝いに集まった家族たちは、綴られなかった母と娘の<真実>をやがて知ることになる――。
国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、テレビ俳優の娘婿ハンク(イーサン・ホーク)、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書……お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」
そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。
原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ『シェルブールの雨傘』/ジュリエット・ビノシュ『ポンヌフの恋人』/イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』/リュディヴィーヌ・サニエ『8人の女たち』
撮影:エリック・ゴーティエ『クリスマス・ストーリー』『夏時間の庭』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
配給:ギャガ
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