世界の最新の映画情報とともに日本のインディペンデントな映画シーンのコアな情報を発信し続ける映画webマガジン「シネフィル」。青山シアターとの共同企画により、今話題の監督の作品を集めた“cinefilオンライン上映”と“cinefilセレクション”をお届けしています。

今回、cinefilセレクション第2弾として、9/27(金)に劇場公開された『宮本から君へ』が話題の真利子哲也監督を特集が始まりました。

今回の配信では、東京芸術大学大学院の修了作品にもかかわらず、異例の劇場公開を果たした伝説的な初長編作『イエローキッド』、そしてロカルノやロッテルダムの国際映画祭で特別上映され中編映画としては画期的な単独ロードショーが実現した傑作『NINIFUNI』、初の海外での全編撮影をおこなった『FUN FAIR』から、衝撃的な長編商業映画デビューを飾った『ディストラクション・ベイビーズ』まで真利子監督の描く世界を新たに再確認できる期間限定の貴重な機会となります。

『宮本から君へ』より
©︎ 2019「宮本から君へ」製作委員会

真利子哲也監督
1981年生まれ。東京都出身。
法政大学在学中に8mmフィルムで自主制作した短篇作品が、国内外で注目される。その後、東京芸術大学大学院の修了作品『イエローキッド』が、国内外で高い評価を受けると、学生映画として異例の劇場公開に。『NINIFUNI』『FUN FAIR』など中編作品を経て、2016年に劇場公開された『ディストラクション・ベイビーズ』が、第69回ロカルノ国際映画祭で最優秀新進監督賞を受賞をはじめ、国内外の映画賞で多数の賞を受賞した。

2019.9.27(FRI)~2019.10.31(thu)
cinefilセレクション-「真利子哲也 監督特集上映」

配信作品

『イエローキッド』(2009年/106分)
 Yellow Kid

ボクサーを目指す青年とマンガ家の描く世界がクロスする、パワフル・エンタテインメント!

©︎ 2009 東京藝術大学

映画新生代を牽引するキャストとスタッフ、そして音楽。
ボクサーを目指す青年とマンガ家の描く世界がクロスする、パワフル・エンタテインメント!
東京の片隅。祖母と二人暮らしのアパート。何物にもなれない青年は、いつしか、アメコミのヒーローを生きていた。

©︎ 2009 東京藝術大学

©︎ 2009 東京藝術大学

映画祭:
バンクーバー国際映画祭2009 Tiger & Dragon Award入選
ロッテルダム国際映画祭2010 Bright And Future 招待上映
香港国際映画祭2010 コンペティション部門
ブエノスアイレス国際映画祭2010 招待上映
レインダンス国際映画祭 招待上映
ナント三大陸国際映画祭2010 招待上映
おおさかシネマフェスティバル インディペンデント映画賞
高崎映画祭 若手監督グランプリ受賞
毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞受賞(遠藤要)

STORY
田村は祖母と二人で暮らしている。仕事もクビになり、通っているボクシングジムの友人とともに当たり屋などを過ごしている。漫画家の服部は高校時代の馴染みで元ボクシングの世界チャンピオンの三国を取材するため、ボクシングジムを訪れる。以前から服部の漫画に思い入れのあった田村は服部の存在が気にかかる。ある日、服部が田村をモデルに漫画のキャラクターを描いたことから、田村は日常を変化させようと行動し始める……。監督・脚本: 真利子哲也
撮影監督: 青木穣 録音: 金地宏晃 美術: 保泉綾子
漫画: 大脇勇亮/川崎秀和 音楽:鈴木広志/大口俊輔 編集:平田竜馬
製作:原尭志
CAST: 遠藤要/岩瀬亮/町田マリー/波岡一喜/玉井英棋

2009年 日本: 106分
©︎ 2009 東京藝術大学

『NINIFUNI』(2011年/42分)

国道を彷徨う青年。PV撮影で歌い踊るアイドルグループ。
別々の世界が交差するとき、そこに見えるものは?

©︎ ジャンゴフィルム、真利子哲也

主演は、突出した才能にも関わらず寡作で知られ、デビュー作『EUREKA ユリイカ』以来の主演となる宮崎将。共演は、『海炭市叙景』などの山中崇。今や注目度No.1の「ももいろクローバー」が本人役で出演している。監督は、長編デビュー作『イエローキッド』で一躍注目された真利子哲也。映画のアイディアが浮かんでから、頭を離れなかった1つのイメージ。それを自分の目で見たくて撮った。上映時間42分ながら、特別上映以来、観客からの反響があまりに大きく、中編映画としては画期的な単独ロードショーが実現した傑作。NINIFUNIでしか残らない爪痕がきっとある!

©︎ ジャンゴフィルム、真利子哲也

©︎ ジャンゴフィルム、真利子哲也

映画祭:
第64回ロカルノ国際映画祭 Fuori Concorso部門招待作品
第41回ロッテルダム国際映画祭 Spectrum Shorts部門招待作品

STORY
殺風景な地方都市。だだっ広い国道を、轟音をたてて車が走り去って行く。1つの事件が起こる。事件に関与した青年は、奪った車で国道を彷徨いつづける。彼がそこに生きていることなど誰も気づいていない。プロモーションビデオの撮影でその地を訪れたアイドルグループ。1%のかげりもなくきらきらと歌い踊る。誰にも気づかれない青年と熱い視線を浴びるアイドル。別々の世界が交差するとき、そこに見えるものはいったい何なのだろう。「その1ショットが見たかった」――真利子哲也監督の衝動から始まった。NINIFUNIは必ず爪痕を残す。

監督・脚本:: 真利子哲也
CAST:: 宮崎将/山中崇/ももいろクローバー
2011年: 日本: 42分
©︎ ジャンゴフィルム、真利子哲也

『FUN FAIR』(2012年/38分)

アジアの国々の空の下、同じ時間に日本人たちが体験する小さな“奇跡”を描いたオムニバス映画『同じ星の下、それぞれの夜』の一篇。(本作はマレー語部分を字幕でお届けします。)

©︎ 2012「同じ星の下、それぞれの夜」製作委員会

STORY
マレーシアから帰国間近の会社員がホテルを出ると……。
迷子の少女、子ヤギ、自転車タクシーの男、日本人会社員がたどるFUN FAIR(移動遊園地)への小さな旅が静かな感動を誘う。マレーシアで全編撮影された愛すべき作品。

監督・脚本:真利子哲也
CAST:山本剛史/スン・ジェニー/アズマン・ハッサン/ディーチャイ・パウイーナ
2012年: 日本: 40分
©︎ 2012「同じ星の下、それぞれの夜」製作委員会

『ディストラクション・ベイビーズ』(2016年/108分)

ほとばしる剥き出しの魂。脳髄がくらくらする衝撃。
純粋な狂気にのみこまれる、日本映画史上もっとも過激な108分。

©2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

剥き出しの魂が沸騰する。路上でいきなり見知らぬ人間に殴りかかり、ストリート・ファイトを繰り返す野獣のような若者。その異形のオーラとカリスマ性に惹きつけられ、共に凶行に及んでいく“恐るべき子供たち”──。
今回は彼の商業映画デビュー作となる。監督の希望で共同脚本に『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平を迎えたオリジナルの世界観は、ここで徹底的に研ぎ澄まされた。「すべてをやりきった」と本人が語るとおり、純正100%、真利子(マリコ)映画の極限のかたちが満を持して世に放たれる。

©2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

©2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

第69回ロカルノ国際映画祭(2016年)新進監督コンペティション部門・最優秀新進監督賞
第38回ナント三大陸映画祭(2016年)銀の気球賞(準グランプリ)

STORY
愛媛県松山市西部の小さな港町。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良(柳楽優弥)と弟の翔太(村上虹郎)。日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に町から姿を消す―。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也(菅田将暉)。彼は「あんた・・・すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。こうしてふたりの危険な遊びが始まった。やがて車を強奪したふたりは、そこに乗り合わせていたキャバクラで働く少女・那奈(小松菜奈)をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へと向かう。彼らの暴力と血にまみれた凶行はインターネットで瞬く間に拡散し、ついには警察も動き出す。

監督:真利子哲也
脚本:喜安浩平/真利子哲也
主題歌:向井秀徳「約束」音楽:向井秀徳
CAST:柳楽優弥/菅田将暉/小松菜奈/村上虹郎
2016年 日本 108分

公開中!『宮本から君へ』
真利子哲也監督最新作『宮本から君へ』予告

池松壮亮×蒼井優!真利子哲也監督最新作『宮本から君へ』予告

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STORY
文具メーカーで働く営業マン宮本浩は、笑顔がうまくつくれない、気の利いたお世辞も言えない、なのに、人一倍正義感がー

原作: 新井英樹『宮本から君へ』百万年書房/太田出版刊 
監督:真利子哲也
脚本:真利子哲也、港岳彦

出演:
池松壮亮 蒼井優 井浦新 一ノ瀬ワタル 柄本時生 星田英利 古舘寛治 ピエール瀧 佐藤二朗 松山ケンイチ

主題歌:宮本浩次「Do you remember?」(ユニバーサルシグマ)
レコーディングメンバー Vocal:宮本浩次、Guitar:横山健、Bass:Jun Gray、Drums:Jah-Rah
配給:スターサンズ、KADOKAWA  
(C)2019「宮本から君へ」製作委員会

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