9月7日に開幕した「第41回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」。本日、映画祭のメインプログラムである自主映画のコンペティション「PFFアワード2019」の表彰式が、会場の国立映画アーカイブにて行われ、最終審査員の方々により、各賞が発表されました。
495本の応募作品の中から一次審査、二次審査を経て18作品が入選し、本映画祭で各2回ずつ上映されました。受賞結果は下記の通りです。

最終審査員
斎藤 工(俳優・映画監督)、白石和彌(映画監督)西川朝子(映画プロデューサー)、野村佐紀子(写真家)、山下敦弘(映画監督) ※50音順。敬称略

グランプリ
『おばけ』監督:中尾広道 (39歳/大阪府出身/上映時間:64分) 

グランプリ 『おばけ』中尾広道監督 受賞コメント
生きているうちに評価して頂けて良かったです。いまの自分にできることを全部注いで命を削ってつくりました。
PFFが大好きで、この映画祭で自主映画の魅力を知りました。PFFがあるから背中を押され支えてもらい、やりたいことをやってこれました。
この受賞でそれを肯定して頂けたことを真摯に受け止め、これからもやりたいことをやるという純粋な気持ちを持ち自主映画を撮り続けていきたいです。

準グランプリ
『雨のやむとき』監督:山口優衣 (22歳/千葉県出身/上映時間:28分) 

審査員特別賞
『きえてたまるか』監督:清水啓吾 (23歳/島根県出身/上映時間:29分) 
『くじらの湯』監督:キヤマミズキ (26歳/大阪府出身/上映時間:7分) 
『ビューティフル、グッバイ』監督:今村瑛一(31歳/愛知県出身/上映時間:113分) 

『きえてたまるか』

審査員特別賞『きえてたまるか』監督:清水啓吾

『くじらの湯』

審査員特別賞 『くじらの湯』監督:キヤマミズキ

『ビューティフル、グッバイ』

審査員特別賞 『ビューティフル、グッバイ』監督:今村瑛一

エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
『スーパーミキンコリニスタ』監督:草場尚也 (27歳/長崎県出身/上映時間:101分)

ジェムストーン賞(日活賞)
『スーパーミキンコリニスタ』監督:草場尚也 (27歳/長崎県出身/上映時間:101分)

ジェムストーン賞(日活賞)

エンタテインメント賞(ホリプロ賞)

映画ファン賞(ぴあニスト賞)
『東京少女』監督:橋本根大 (24歳/群馬県出身/上映時間:8分)

映画ファン賞(ぴあニスト賞)

観客賞
『OLD DAYS』監督:末松暢茂 (36歳/東京都出身/上映時間:54分)

観客賞

[特別設置]ひかりTV賞
『アボカドの固さ』監督:城 真也 (25歳/東京都出身/上映時間:96分) 

[特別設置]ひかりTV賞

◎グランプリ作品『おばけ』は、第32回東京国際映画祭にて上映されます。
◎動画配信サイト「青山シアター」にて「PFFアワード2019」配信中! 
https://aoyama-theater.jp/feature/pff   

最終審査員5名による審査講評 (敬称略/登壇順)

白石和彌(映画監督)
初めてPFFの審査員をして、どういう才能に会えるかなと思っていたのですが、会えるどころの騒ぎでない、これはつくった人と僕とのケンカだと思って気合いを入れて観ました。技術的にもレベルが高い作品が多く、映画を撮る衝動や作品の核だけでない部分でも評価される時代に入ってきたと思います。

野村佐紀子(写真家)
入選作18作を5回、6回、7回くらい物凄く観ました。監督たちの本気を観落としていないかという思いで何度も。それはとても良い経験です。
この18人の監督がつくる作品はこれからも同じように何度も何度も観たい、楽しみにしています。

西川朝子(映画プロデューサー)
プロデューサーという立場で観て、皆さんの企画力、プロデュース力が非常に高かったです。自主映画と商業映画の境目が全くなく、自分たちも気合いを入れ直さなきゃと思いました。

斎藤 工(俳優・映画監督)
フィルムメーカーとして、欲望の見える人に賞をあげたいという気持ちが強くありました。メイドインジャパン、日本映画は世界と戦っていく時代に来ていると思います。今回選ばれた作品は世界に誇りたい5本だと思います。

山下敦弘(映画監督)
今日の表彰式を見ていて、監督たちの目が綺麗だなと(笑)。PFFには入選してませんが、自分も昔はこちら側だったなと思うと感慨深いです。
入選18作品は本当に自主映画らしい自主映画ばかりで、とても刺激を受けました。この時代に映画をつくることを選んだ、それだけでもう僕ら仲間、同業者だと思ってます。スクリーンで上映されて僕らと同じラインに立った、ということで、これから一緒に頑張っていきましょう。