ハリウッドの鬼才クエンティン・タランティーノ監督4年ぶりとなる最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が8月30日(金)日本公開を迎えます。
タランティーノ監督が執筆に5年の歳月を費やし、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという今世紀最大の二大スターを初共演させ、二人の友情と絆を軸に1969年のハリウッド黄金時代の光と闇に迫る、この夏必見の超話題作!7月26日に全米で公開されると、過去タランティーノ作品最大オープニング成績となっていた2009年8月23日公開の『イングロリアス・バスターズ』の3807万ドルを更新。4035万ドルの大ヒットとなり、タランティーノ史上最大のオープニング成績を飾りました。

この度、タランティーノ監督による「ハリウッドへのラブレター」と評される本作の公開を前に、 タランティーノ監督と主演のレオナルド・ディカプリオが来日し、8月26日(月)に記者会見を実施いたしました!

『レヴェナント:蘇えりし者』の2016年3月以来、3年5か月ぶり11度目の来日となるディカプリオと、2013年2月の『ジャンゴ 繋がれざる者』以来、6年半ぶりの来日となるタランティーノ監督。
今回は、その『ジャンゴ』ではかなわなかった、タランティーノ監督×レオナルド・ディカプリオの名コンビ揃っての来日となります。監督たっての希望でツアー最後の地となる日本でのプロモーション。「自分たちの業界へのラブレター」とディカプリオも語る本作を引っ提げて、映画愛溢れる2人がどんな熱い思いを語るのか、注目されます。また、映画やアニメなど日本のカルチャーにも詳しく、日本通で知られる2人の来日とあり、日本のファンにどんな熱いメッセージを寄せるのかご期待下さい。
つきましては、下記にて、会見レポートをご紹介いたします。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』来日記者会見
◆日程:8月26日(月)
◆場所:ザ・リッツ・カールトン東京2Fグランドボールルーム
(東京都港区赤坂9-7-1東京ミッドタウン)
◆登壇者:レオナルド・ディカプリオ、クエンティン・タランティーノ<監督>シャノン・マッキントッシュ<プロデューサー>

<レポート>

250人の報道陣が集まった超満員の会場に、レオナルド・ディカプリオ、クエンティン・タランティーノ監督、シャノン・マッキントッシュプロデューサーが登場。
タランティーノ監督は「日本に戻ってこれて嬉しいよ。今日は集まってくれてありがとう!」とご挨拶。先日、もうすぐ妻であるダニエラ・ピックとの間に子どもが生まれることを発表した監督にMCから祝福のメッセージが寄せられ、「そうなんです!妻が妊娠しました!家中に小さなタラちゃんが沢山いるような日も近いと思うよ」と、日本通であるタランティーノ監督ならではのジョークを交えつつ笑顔で答える一幕も。
続けてディカプリオは「日本に戻ってこられて嬉しいよ。いつも温かい歓迎に感謝している。初来日は『ギルバート・グレイプ』だと思いますが、その時から何度も思っているよ。」
、プロデューサーのシャノンは「私は初来日になります。今回はここにいるタランティーノ、ディカプリオとともにこの作品を携えてこられてとてもうれしく思います。2日間東京を回っていましたが、本当に美しい街だと思いますし、皆さんにこの作品を楽しんでいただきたいと思います。」と、日本来日を果たした喜びを思い思いに明かした。

 シャロン・テート殺人事件という実際に起きた事件が描かれる本作。実際にいた人物シャロン・テートと、リック・ダルトンとクリフ・ブースという架空の人物を加えた本作についてタランティーノ監督は「今回描いている時代はハリウッドのカウンターカルチャーの変化を見られる時代ですごく面白いと思ったんだ。街だけでなく業界自体の変化もあり、時期をシャロン・テートの事件の時間軸を入れていけば、歴史的な部分も掘り下げられて面白いと思ったんだ。」と映画で描いた時代の魅力を語り、「13,14歳くらいの時に読んでいた本が変わった本だったんだけど、実際にいた有名な人物とフィクションを絡めた作品で面白くて、ハリウッドに実際にいた人物とLAに住んでいる人をかけ合わせたら面白いんじゃないかなと思ったんだ。」と、本作のストーリーの発想は昔読んだ本から影響を受けていたことを明かした。

クエンティン・タランティーノ監督

2012年の『ジャンゴ 繋がれざる者』以来のタランティーノ監督作品の出演となるディカプリオは、オファーを受けた時に「この役に惹かれたんだ。」と振り返る。「このリック・ダルトンの魂の部分を2人でどのように作り上げていくかということが魅力的だった。数日間のみが本作が描かれているが、その数日間で歴史的にも変わる。そして、劇中でリックは俳優としてなんとか時代についていこうとしているんだ。1950年代のTVスターとして西部劇に出ていたが、今では本人の意思に反して悪役を演じなければいけない。役者としての自身の演技の仕事自体も減って、文化や世界が変わっている変化の中で、表裏一体の関係の(ブラッドが演じるクリフと)2人の2日間の間で変わっていくことが魅力。監督からバックストーリーを聞かされ、秘めている力を押し出してくれるというストーリーを聞いて、本当にやりたいと思ったんだ。」と語る。

レオナルド・ディカプリオ

ディカプリオが演じるリックとブラッド・ピットが演じるクリフのバディぶりが素晴らしい本作。この2大スターを起用するということについて問われると、「この2人がぴったりだったから。」とタランティーノ監督はきっぱりと答え、「自分が選んだというか、彼らが選んでくれたんだ。世界中がオファーがある中、自分を選んでくれたことを嬉しく思うよ。この2人のキャスティングができたことは世紀のクーデターだと思うよ。」と笑顔で答えた。
続けて、「1人が主演格であっても、スタントダブルというバディものなので、大物だからというキャスティングではなく、内面の部分が違っても外面の部分が近しいルックスになることが必要で、2人(ディカプリオとブラッド)がその共通点を持っていてよかったよ。」
と、外見も似ていることがあることも重要であることと述べた。

映画では親友の2人。役作りの上でブラッドと打ち解けるために行ったことについて聞かれるとディカプリオは、「今回、徹底的に映画に対してはリサーチした。ブラッドが演じるクリフもこの業界に属しているが、少し外側にいて落ちぶれている。ハリウッドが変革していく中、取り残されているんだ。僕たちは成功していると思うけど、この業界がどういうものか見ているし、キャラクターの状態もわかるし、お互いに依存しあっているバックグラウンドのストーリーを監督がすべて用意してくれていて、撮影に入る前だけでなく撮影が始まってからも情報をくれたのですんなり演じることができました。」
と、タランティーノ監督との信頼関係があってこその演技だったことを明かした。

 また、本作を作るにあたって影響を受けた作品や俳優について問われるとタランティーノ監督は「当時はリックと同じような境遇の役者は沢山いたんだ。50年代にTVが登場して、TVを通して新しいスターを生んだ背景があって、新しく生まれてきたスターたちは50年代、60年代の過渡期がどうなるか見えていない時代だったんだ。もちろんTVから映画へと活躍したスティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッド、ジェームズ・ガーナーなどの俳優たちがいたが、出演した作品がよくなかったり、他の理由でうまくいかなかった人も大勢いた。」
と言い、「ルート66」のジョージ・マハリスや、「サンセット77」のエド・バーンズなどの名を挙げた。監督の話を聞いていたディカプリオは「沢山の俳優を参考にした。リサーチをしていく中で未知の世界に迷い込んだ。クエンティン・タランティーノと言えば映画マニアでものすごい知識の宝庫なので、いろいろなものを紹介されて、この映画は業界、ハリウッドの祝福というようなお祭りだと思ったんだ。僕たちが愛した作品に貢献した俳優たちの多くは忘れ去られていると思う。リックを通して自分が知らなかった人のことが分かり、文化が変わっていく中で、ハリウッドという場所は魔法のような世界でリックは仕事はできて、存在はしているので、ラッキーだと思った。自分でも知らなかった、または忘れられた映画人に触れる機会になった。幸せな旅だったよ。」
と、本作でリックという役を演じることで移ろいやすい業界にいること、そして業界にいることについての気づきがあったことを教えてくれた。

 そして、長年タランティーノ監督と仕事をしているプロデューサーのシャノンは「監督の作品はマジカルなものがある。現場も素晴らしく、ファミリーのようです。『レザボア・ドッグズ』からずっと働いているクルーもいて、彼らは楽しんで戻ってきますし、監督のビジョンを一緒に実現しようとする。撮影していないときはクエンティンの歴史の授業があって、彼のスタッフはどんな映画の仕事をしていようと、彼が脚本を書き始めたらいつ撮るのかと連絡してきて他の映画を断ってでもクルーとして入ろうとするんです。(ディカプリオ、ブラッド、マーゴット・ロビーの)3人との仕事をみて、喜びをみました。実はテイクを撮った後、クエンティンがOKを出すけど、もう1回撮るんです。『なんで?』と質問すると『映画が好きなんだ!』という返しをみんなでするんです。」
と映画を愛するタランティーノ監督ならではの楽しい現場の秘話を教えてくれた。

左よりクエンティン・タランティーノ監督、シャノン・マッキントッシュ<プロデューサー>、レオナルド・ディカプリオ

1969年の古き良き時代のハリウッドのセットや、当時のヒッピー・カルチャーやファッションの見どころの一つである本作。タランティーノ監督の知識の宝庫が大爆発した本作でタランティーノ監督は、「この映画ではたくさん楽しいことがあって、素晴らしい俳優たちがいて、この時代やキャラクターたちに息吹を吹き込むことが素晴らしかった。一番何に満足を感じたかというと、50年間という時を逆に回して、今生きている街を、CGやスタジオを使わずに、ビジネスも普通に行われている人通りのある場所を美術や衣装などを駆使して再現できたことなんだ。」と撮影のこだわりを明かした。

最後に、本作のタイトル、そして舞台にもなる「ハリウッド」が持つ意味について問われるとタランティーノ監督は「映画業界とハリウッドという街の2つの意味を持っていて、この作品は両方を描いた作品。市民が住んでいる街でもあり、一つの業界として成功や失敗が隣り合わせにある街なんだ。ポジションがどんどん変わってくる興味深い業界であり、高校生活が続いているような感覚になる街だと思う。」
、ディカプリオは「僕が生まれ育った場所。かなり悪評もあって、そういう酷い人たちがいることも確かですが、僕にとっては家族がいて良い友達がいるので自分自身の一部になっている。夢の工場でもあり、失敗もある街。LAで世界中から集まった多くの素晴らしい人々に会ったり、LAに戻るのはいつも嬉しく思う。」
と、思い思いに自身の「ハリウッド」に対する想いを寄せた。

会見では、映画マニアのタランティーノ監督が自身が、1960年代のカルチャーを徹底リサーチしたというエピソードも飛び出し、「69年といえば、蔵原惟繕監督の『栄光への5000キロ』という映画、知ってるかな? 英語字幕付きのDVDを探しているんだ。あと2日ほど日本に滞在するから、ぜひ連絡をほしいな」
とアピール。来日会見の場で、映画オタクぶりを発揮!会見は熱気に包まれたまま幕を閉じた。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告

クエンティン・タランティーノ監督-『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』新予告

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STORY
 リック・ダルトン(ディカプリオ)は人気のピークを過ぎたTV俳優。映画スター転身を目指し焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブース(ピット)はスタントマンかつ親友でもある。目まぐるしく変化するハリウッドで生き抜くことに精神をすり減らしているリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。パーフェクトな友情で結ばれた二人だったが、時代は大きな転換期を迎えようとしていた。そんなある日、リックの隣にロマン・ポランスキー監督と女優シャロン・テート夫妻が越してくる―。そして、1969年8月9日―それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える【事件】は起こる。

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配給・宣伝 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

8月30日(金) 全国ロードショー