現在でも名を連ねている実行委員会を構成している熱海市と株式会社フォーカスが、第一回熱海国際映画祭の赤字額などから双方が対立し、スキャンダル化。
開催される、2週間前に突如運営予算として見込まれていた、文化庁、静岡県など補助金等おおよそ2000万の申請を市が取り下げると同時に、すでに集めていたボランティアなども市が解散。
急遽、実行委員会の中で、株式会社フォーカスの単独開催を発表したものの、予算がなくなったため予定していた業者に発注ができない状態。会場、予算、ボランティアがいないままでの開催が危ぶまれていた第2回「熱海国際映画祭」が無事に閉幕を迎え受賞作品が発表されました。

開幕まで、2週間を切る段階での、二転三転。

多くのメディアの伝えている通り、熱海市のCafe Bar&ゲストハウスennovaの会場の無償提供や、開催まで1週間を切って集められ、当日に初顔合わせで配置されたボランティアなどにより、様々な問題はあったものの、第2回熱海国際映画祭が開催されました。

今回映画祭には、全世界から1231本の応募があり、ノミネート作品は6か国、32作品。招待作品は、3作品。
すでに国内で開催される国際映画祭としては、第2回にしてトップクラスの応募数を誇る映画祭となっており、応募があった国は81カ国。

今回のコンペティションの審査は、女優・映画監督として国際的に活躍し続ける桃井かおりさんをはじめ、詩人・映画評論家の園田恵子さん、日本映画を世界に配給し続けているイギリス出身の映画プロデューサーのアダム・トレルさんとやはり前年同様の国際色溢れる審査員となった。

「とにかく開催されて、本当に良かったなと思っています。若いクリエイターたちには、映画祭は大事な存在です。映画祭がないと、なかなかチャンスをつかめないので。映画祭はお金がなくて、どこも大変なんですよ。だから、あんまりびっくりはしない。ベルリンに呼ばれた時(ベルリン国際映画祭)も、飛行機代も出してもらえなかったです」と、開幕で桃井かおりさんが今回のスキャンダルの中で熱海国際映画祭が開催されたことに対して発言し、不安ながらに参加した若い映画監督たちに勇気を与えた。

そして、6月30日ついにー

「熱海国際映画祭」受賞作品発表!!

2019年、グランプリ作品は、1939年のウクライナが舞台にしてウクライナ移民二世でアメリカ生まれのヤーロが父の遺言で、ウクライナに伴侶を求めてやってくることからはじまるアリョナ・デミアネンコ監督によるミュージカル作品『ハルツカ・クセーニャ』に決定。
昨年熱海国際映画祭のグランプリ『レセプショニスト』に続く2年連続での女性監督の受賞となります。

また、監督賞には児童虐待をテーマにした『ひとくず』(英題 KANEMASA)の上西雄大さん。今作は同時に俳優賞として子役の小南希良梨が受賞し、W受賞。

また、最優秀短編賞は、宮川博至 監督の『テロルンとルンルン』。最優秀ドキュメンタリー賞は名優ピーター・セラーズの主演未公開映画の製作秘話を追ったドキュメンタリー『THE GHOST OF PETER SELLERS』、最優秀MV賞は月元映里監督、夏目亜季さん主演『負けない』、最優秀VR賞はJoseph Wong監督『AR Voice Battle 』に決まった。

受賞パーティより、審査員を囲んだ受賞者一同スナップ。

以下、受賞作品予告、場面写真など

熱海国際映画祭 グランプリ
『ハルツカ・クセーニャ(Hutsulka Ksenya)』
アリョナ・デミアネンコ監督

1939年が舞台。第二次世界大戦が勃発し、混乱するウクライナを描いたミュージカル。

Hutsulka Ksenya_trailer

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監督賞・俳優賞
『ひとくず』(英題KANEMASA)
監督賞上西雄大 俳優賞 小南希良梨

映画「ひとくず」予告編

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最優秀ドキュメンタリー賞
『THE GHOST OF PETER SELLERS』ピーター・メダック監督

THE GHOST OF PETER SELLERS - Official Festival Trailer

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最優秀短編映画賞
『テロルンとルンルン』宮川博至 監督

テロルンとルンルン 予告編 120秒

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最優秀MV賞
『負けない』夏目亜季
 月元 映里監督

最優秀VR賞
『AR Voice Battle 』
Joseph Wong監督