映画『八甲田山』『劔岳 点の記』などで知られる昭和の文豪、新田次郎の未だ映画化されて
いない傑作小説を映画化した『ある町の高い煙突』初日舞台あいさつが6月22日に有楽町スバル座で行われ、井手麻渡、渡辺大、小島梨里杏、城之内正明、松村克弥監督が登壇した。

茨城県・日立のシンボルとして知られる“大煙突と桜並木”に秘められた奇跡の"感動実話"を基にした本作は、茨城県日立鉱山の若き青年たちが、加害者と被害者としての対立を乗り越え、叡智を振り絞って煙害を解決していくさまを描き出すヒューマンドラマ。
6月15日から茨城県・水戸市とつくば市の映画館で先行上映された後に、6/22(土)からは全国約90の映画館で全国公開される。

本イベントの様子を下記にてご報告させて頂きますので、ぜひご紹
介頂きますようお願い申し上げます。

◆日程:2019年6月22日(土)
◆場所:有楽町スバル座(千代田区有楽町1丁目10番1号 有楽町ビルヂング2F)
◆登壇者:井手麻渡、渡辺大、小島梨里杏、城之内正明、松村克弥監督

この日はあいにくの雨模様となったが、劇場は大勢の観客で満員。
主人公・関根三郎を演じる井手はやや緊張気味に「本日はお忙しい中、劇場まで足を運んでいただいてありがとうございます。朝早くから並んでいただいた方もいらっしゃったみたいで、本当にありがとうございます」とあいさつ。

続けて日立鉱山で煙害補償を行う加屋淳平を演じた渡辺は、「こういう作品に似合うような、しっとりした天気だなと。いい意味で捉えています。短い時間ですが、皆さんとお話ができたらなと思います」と笑顔を見せた。

さらに三郎と心を通わせる加屋の妹・千穂を演じた小島が「今日は朝早くからたくさんの方が集まっていただいてうれしいです。昨年の夏、暑い中、皆さんと頑張って撮った作品が形となって。皆さんのもとに届くことがすごくうれしいです」と続けると、村民の孫作を演じた城之内も「ステージから見ても、お客さまがこんなにもたくさん入ってくださっていて。本当にうれしいなと思います」と晴れやかな表情。
また、城之内自身、茨城出身だということで、「茨城の日立で先行上映をやったんですけど、すぐに席が完売して。日立の人たちの興味、団結力はすごいんだなと思いました」と改めて感じることも多かったようだ。

そして松村監督は「ここ有楽町スバル座は、子どもの頃から来ていて。憧れの劇場でした。このステージに立つことが出来て。しかも満席で。本当にうれしいです」と感無量な様子を見せた。

井手は、名優・仲代達矢が主宰する無名塾に所属する若手俳優。劇中では、師匠とあおぐ仲代との共演シーンもあったが、「とても緊張しました。普段、一緒にお芝居をさせていただいていますが、無名塾の外でご一緒させていただく機会をいただいて感謝しております」とコメント。
さらに「仲代さんからはどのような言葉が?」と尋ねられると、「よく頑張った、とおっしゃっていただいて。誇りに思っております」とまっすぐなまなざしで付け加えた。

登壇者たちはそれぞれに、本作に対する思いはひとしおな様子。
城之内が「今回のこの映画は公害のお話ですが、現代の町対企業とか、いろいろとあると思うんですが、そうやっていろいろと置き換えて観られると思います。いろんな感想が聞けたらいいなと思います」と語ると、小島も「現代にこそ観て欲しい映画が出来あがったと思っています。千穂を演じさせていただいて、現場では物理的な三郎さんとの距離を感じたんです。だからより大切な人が愛おしくなるというか。心の距離が縮まるんじゃないかな、という、温かいものを感じさせていただきました。少しでもそういうところが届いたらうれしいです」とあいさつ。

さらに客席に子どもたちの姿を見つけた渡辺が「今日、うれしかったのがいろんな客層の方々が観てくださったということ。子どもも来てくれてうれしいです。なんでかというと、おそらく僕たちの世代もそうなんですけど、あまり煙突というものに触れたことがないからなんです。町からだんだんと煙突が消えていっていますが、でもこういう作品を観た後ならば、例えばおじいちゃんおばあちゃんから孫へという具合に、話が語り継がれていくと思うんです。そういう役割をこの作品が担っていると思います。映画というのはそういうもので、僕もけっこう昔の作品をやるんですが、そういう時に、祖父母から話を聞いたりしました。そういう架け橋になる作品になればいいなと思います」と会場に呼びかける。

そして井手が「初めて映画に主演させていただきまして。撮影現場の中心にいて、スタッフがひとつひとつ丁寧に、煙突を作るように一個一個積み上げていって、作品を作っているんだなということを実感いたしました。今日改めて思いましたが、作品というものはお客さんが入って、観ていただくことで完成するんだなということを実感するとともに、皆さまに感謝しております」と晴れやかな表情を見せた。

そして最後に松村監督が「僕は茨城を舞台とした映画をいろいろと作ってきました。今回も茨城が舞台ではあるんですけど、100年前にエコロジーを成し遂げた、奇跡の物語でした。これは現代にも通じる映画だと思います。これから国内だけでなく、世界にも発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします」と決意を語った。

100年前の感動実話を映画化!『ある町の高い煙突』予告

100年前の感動実話を映画化!『ある町の高い煙突』予告

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【STORY】

「この美しい村は大きく変わるかもしれません…」

1910年、茨城県久慈郡入四間の裕福な地主の家に生まれ育った関根三郎はある日、隣村の日立鉱山による煙害が発生しているという話を耳にする。
村の権力者である三郎の祖父・兵馬は事態を重く見て、分家の恒吉を連れて鉱山会社へ掛け合いに行くが、「補償はするが煙害は我慢してくれ」と一方的。受験を控えた三郎を心配した兵馬はある夜、30年前に村長として採掘権を許可したのは自分だと告げ、その5日後に亡くなってしまう。
三郎は祖父の遺志を継ぎ、進学も外交官になる夢も捨てて、煙害と闘うことを決意する…JXTGグループ、日立製作所、日産自動車など春光グループの源流である日立鉱山(現・JX金属)におけるCSRの原点となった物語。

出演:井手麻渡 渡辺大 小島梨里杏 吉川晃司 仲代達矢 大和田伸也 小林綾子 渡辺裕之 六平直政 伊嵜充則 石井正則 螢雪次朗 斎藤洋介 遠山景織子 篠原篤 城之内正明 大和田健介 たくみ稜

原作:新田次郎『ある町の高い煙突』(文春文庫・刊) 
企画協力:文藝春秋
ナレーション:阿川佐和子

エグゼクティブプロデューサー:鈴木一良 宮本澄江  
脚本:渡辺善則 
監督・脚本:松村克弥 
プロデューサー:亀 和夫 城之内景子

製作:Kムーブ
制作協力:マウンテンゲートプロダクション Yプロダクション 
配給:エレファントハウス/Kムーブ
2019年/日本映画/カラー/130分/シネマスコープサイズ/5.1ch

(C)2019 Kムーブ  

大ヒット上映中!!