『青の帰り道』再上映記念連載/監督・藤井道人#12
「青の帰り道」監督の藤井道人です。
5月11日から、アップリンク渋谷にて「青の帰り道」の上映が始まりました。
それに伴って、昔から縁の深いcinefilさんで、連載を書かせていただけることになりました。
連載も、おかげさまで多くの方がSNSでご覧になっており、反響も高まっております。
今回で第12回。
5月22日
上映12日目。
スタッフにも疲れが出て来た。毎日劇場でサポートしてくれる宣伝部、アシスタントの皆さんには本当に感謝している。
トークショーのない回でも連日満員なことは本当に嬉しいし、映画が広がってきてくれることは本当に嬉しいのだが、チケットやパンフレットが高額で転売されたりすると流石に落ち込む。
スタッフ一同、改善に努めていきたいと思っている。
気を取り直して、
本日のゲストは共同脚本のアベラヒデノブ。
WANDA「ワンダフルワンダ」CMのタイトルコールを担当したり、バラエティ番組「家、ついて行ってイイですか?」に密着されたり、ドラマ「日本ボロ宿紀行」では監督を担当するなど、(無駄に)マルチに活躍しているBABEL LABELの中心人物だ。
彼との出会いは7年前。
SNSで彼の予告編を褒めたことから、紆余曲折あり僕の部屋に転がり込んできて今に至る。
「青の帰り道」は、企画が動いてからクランクインするまで時間がかなり短かったので、彼の協力は不可欠だった。歴史的背景や時事ネタのリサーチから、僕が書けない部分を補ってもらった。
ちなみに劇中に出てくる「無添加カナコ」は彼の発案だ。
持ち前の「緊張しているフリ」トークで、会場を沸かしてくれた。
出会ったころは社会性の欠片もなく、連帯保証人になったり、色々な迷惑を被った僕だけど、なんだか一緒に登壇できることは本当に感慨深いものがあった。
今後の彼の動向にも是非注目していただきたい。
本日のゲストは映画「ラ」より高橋朋広監督と笠松将が来てくれる。
是非お楽しみに。
藤井道人
■アベラヒデノブ Hidenobu Abera
映画監督・脚本家・俳優。1989年ニューヨーク生まれ、大阪府出身。監督・脚本・主演「死にたすぎるハダカ」(12)が2012年モントリオール・ファンタジア映画祭入賞他、受賞歴多数。
多彩な才能を発揮しており、俳優として園子温監督のスマホ映画「うふふん下北沢」(17/主演)など映画・CM・舞台で活躍しながら、脚本家として「青の帰り道」(18)、監督として、テレビドラマ「日本ボロ宿紀行」(19)、映画「想像だけで素晴らしいんだ-GO TO THE FUTURE-」(19)「LAPSE」(19/主演)。広告作品には自ら出演した日清「謎肉丼」(18)や、MINTIA「珠玉のおつかれさまムービー」(18)、バンホーテン「ガラスの仮面WEB限定ムービー」(17)など。
■藤井道人 Michihito Fujii
映画監督、映像作家、脚本家。1986年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部映画学科脚本コース卒業。伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』でデビュー。『光と血』などの作品を発表する一方で湊かなえ原作ドラマ『望郷』、ポケットモンスター、アメリカンエキスプレスなど広告作品も手がける。2017年Netflixオリジナル作品『野武士のグルメ』や『100万円の女たち』などを発表。2019年『デイアンドナイト』『青の帰り道』公開中。6月28日『新聞記者』の公開が控える。
ご来場のお客様からご感想をいただきました!
■Woo様
吉祥寺の再上映で観てきました。決してハッピーな内容ではない映画なので「良かった」という表現はおかしいかもしれませんが、「凄い映画に出会った」ことは間違いありません。 ぜひ、多くの人に届くよう、他の地域でも再上映されればいいなと思います。
私は30代ですが、若い時ってこういう頃あるよね、過ぎれば思い出だけど、いろいろ人と比べて自分は...といろいろ考える時期、と思いながら見てました。 もっと上の世代も同じ感情で見れるし、若い世代にこそぜひ見てほしい映画です。
日本映画ではあまり描かれないリアルさは、世の中の汚い部分をありのまま描く韓国映画のようでもあり、若者ならではの瑞々しさは洋画を見ているようでもありました。
■ゆか様
『青の帰り道』鑑賞。友達の生活環境や考え方はどんどん変わるのに、自分だけ何も変わらなくて取り残されたような感覚に陥ることと、その焦り。いつまで経っても変わらないと友達から思われることへの苛立ち。何も手にしていない自分が、色々なものを手にした友達を前にした時の劣等感。
「私の人生こんなはずじゃなかった」と泣き叫ぶこと。…どれも私のことだと気づいたら、涙が止まらなくなった。
そして映画の中の7人を見て、私にもこんな時期があったと懐かしむのではなく、彼らよりもだいぶ年上となった今でも、同じような感情が根底にあることを思い知らされて、そんな自分が情けなくて号泣した。
もう一度、自分の人生を最初からやり直したいと思った。でも…誰かが誰かのことを思って手を差しのべたり、親の愛情だったり、エンドロールに流れる主題歌の歌詞だったり…映画の中の優しい部分に触れると、人生やり直したいなんて思っちゃダメなんだとも思えた。
そんな風に考えたら、今まで私に関わってくれた人たちに対して失礼だなと。今までの経験があるからこその自分なんだと。だから、どんなに夢破れて情けなくても、この人生を最後まで生き抜かなきゃいけないんだ。
アップリンク渋谷は33上映連続満席、完売!
吉祥寺も、無期限の上映延長が決定!
『青の帰り道』 東京再上映・トークイベント開催中!
東京・アップリンク渋谷 https://shibuya.uplink.co.jp/
5/11(土)〜公開中 (終映日未定)
《トークイベント登壇予定者》
藤井道人監督・岡本麻里(原案)
23(木)笠松将、高橋朋広監督(映画『ラ』)/24(金)真野恵里菜/25(土)清水くるみ、藤井武美/26(日)阿部進之介/27(月)山本彰吾(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)/28(火)甲斐翔真/29(水)武田玲奈/30(木)山田智和、川島直人/31(金)前田公輝
※詳細は劇場HPをご覧ください。
■アップリンク吉祥寺 https://joji.uplink.co.jp/
拡大上映決定!5/17(金)〜(終映日未定)
■京都・出町座 https://demachiza.com/
6/22(土)〜
■新潟・市民映画館 シネ・ウインド https://www.cinewind.com/line-up/
7/27(土)〜
映画『青の帰り道』
出演:真野恵里菜 清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔
山中崇 淵上泰史/嶋田久作
工藤夕貴 平田満
主題歌:amazarashi『たられば』
監督:藤井道人
原案:おかもとまり
脚本:藤井道人/アベラヒデノブ
制作プロダクション:and pictures
制作協力:BABEL LABEL/プラスディー
配給:NexTone
配給協力:ティ・ジョイ
©映画「青の帰り道」製作委員会
公式サイト:(以下より)
連載第11回