『青の帰り道』再上映記念連載/監督・藤井道人#11

「青の帰り道」監督の藤井道人です。

5月11日から、アップリンク渋谷にて「青の帰り道」の上映が始まりました。
それに伴って、昔から縁の深いcinefilさんで、連載を書かせていただけることになりました。
その第11回。

5月21日

上映11日目。

新潟シネ・ウインドさんで上映が決まった。
シネ・ウインドさんで上映が出来ることになったきっかけは、映画を観た観客の方の働きかけのお陰である。こんな風に「青の帰り道」が広がっていくことは本当に嬉しい。

本日から4回上映も決まった。僕たちにとっては高いハードルだけれども、引き続きしっかり宣伝をしていきたい。

今日のゲストは、平田満さん。
平田さんがゲストに来てくれると思わなかったので、驚きと喜びで感情がパニックになった。平田さんは「蒲田行進曲」をはじめ、日本の映画史を牽引している大先輩である。

本作以外にもAmazonプライムドラマ「日本をゆっくり走ってみたよ~あの娘のために日本一周~」でもご一緒させていただいている。

平田さんはとても優しい方で、撮影が中断してしまい、再撮影をお願いしたときも、笑顔で快諾してくださった。

トークは、僕にとって宝物になった。沢山の気づきがあったのだ。
僕が、この映画を書いたきっかけなどすべての点と点が繋がった気がした。

僕は7人のキャラクターの中でユウキに近いと言っているのだが、平田さん自身もユウキに近いと前置きをした後に、
「ユウキみたいなキャラクターの人が語り部になって物語を伝えていくんでしょうね。リョウやカナじゃこの物語は語れないでしょうし」

本当だ。無意識だったが、ユウキは物事の全てを見ているのだ。

僕自身、まだ興奮が冷めやらないが、もし二回目を観る機会があれば是非ユウキ目線で本作を観て欲しい。

平田さん、本当にありがとうございました。

本日は、共同脚本を担当したアベラヒデノブ。
彼と出会ってもう8年目になる。今日は、本について沢山話せたらと思っている。

藤井道人

左から藤井道人監督、平田満さん

■平田満 Mitsuru Hirata
1953年11月2日、愛知県出身。
学生時代につかこうへいと出会い、舞台「熱海殺人事件」「蒲田行進曲」などに出演。映画「蒲田行進曲」(80)では舞台と同役を演じ日本アカデミー賞主演男優賞等数多く受賞。また、01年には第9回読売演劇大賞最優秀男優賞、14年に第49回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。近年の主な出演作品として舞台「白蟻の巣」(17)「荒れ野」(17)「赤道の下のマクベス」(18)、ドラマ「宮澤賢治の食卓」(17)「西郷どん」(18)映画「愚行録」「22年目の告白」「光」(すべて17)などがある。

■藤井道人 Michihito Fujii
映画監督、映像作家、脚本家。1986年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部映画学科脚本コース卒業。伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』でデビュー。『光と血』などの作品を発表する一方で湊かなえ原作ドラマ『望郷』、ポケットモンスター、アメリカンエキスプレスなど広告作品も手がける。2017年Netflixオリジナル作品『野武士のグルメ』や『100万円の女たち』などを発表。2019年『デイアンドナイト』『青の帰り道』公開中。6月28日『新聞記者』の公開が控える。

ご来場のお客様からご感想をいただきました!

■myu様

「青の帰り道」を見た。東京出てきてからの、其々の向かってる先が嫌な予感しかしなくて、そして予感通りに進む感じがしんどかった。ただ其々の夢ややりたい事について、素直に進んでるだけなのにね。
途中しんどくなって、周りの観客に「私キリについてるから、あなたカナで、そちらはリョウを、あなたはタツオ。」とか言って、小さくなって其々の肩にでも乗って、守ってあげたくなったくらい。でもそれじゃダメなのよね。 其々が自分の力と7人の友情と絆で、そして少し不器用な親に見守られて。

しかしコレ、もし7人じゃなかったら?もし1人だったら?と考えたら凄い怖い。時には孤独に感じる場面や、いるからこそ拗れた状況になったとしても、7人がいるから超えられたのかな。友人だいじ。
乗り越えてこそ最後のシーンにつながるのよね。7人が其々にいてよかった。時間軸が長いけれど場面場面が濃密に描かれていて深い映画でした。

渋谷の映画館で見たから帰り、渋谷の夜の街を歩く人波の若者たちがなんとなくいつもより断然リアルに見えてしまった。

■かほり様

「青の帰り道」を観た。上手く表現できないけど 濃い青春映画だった。
言葉がひとつひとつ刺さった。 そんなこと言われたらどうしよって言葉がいくつもあった。 若いから言えるのかな。

緑がキレイだった。 曲が歌がステキだった。 エンドロールまでじっくり観た。
若い人がたくさん観たらいいのかな。

■sail様

ファーストランが短くてガッカリすることはたまにあるけど、SNSで盛り上がったり、劇場に要望を伝えることは無駄じゃないことが最近になってよく分かった。じゃなきゃ『青の帰り道』が満席を出し続けている状況は元来のブッキングでは考えられないな。
昔の名画座、今ならミニコンやミニシアターでいつか上映してくれると待っていられる。だからあまり焦らなくなってきた。それでも映画を観ることは、時も場所も含んだ一期一会だと思うので、観たいものは出来るだけ早めに劇場に足を運びたいとは思ってるけどね。
これは以前アップリンクの浅井社長がnoteで仰ってた、「従来のミニシアターの概念をアップデートする」ビジネスモデルの構築に繋がるようにも思う。大手シネコン/ミニコン/単館の役割は既に変わりつつあり、実は観客の方が設備・上映作品の傾向・イベント慣れ等の特性を掴んで使い分けている実感がある。

アップリンク渋谷は33上映連続満席、完売!
吉祥寺も、無期限の上映延長が決定!

『青の帰り道』 東京再上映・トークイベント開催中!

東京・アップリンク渋谷 https://shibuya.uplink.co.jp/
5/11(土)〜公開中 (終映日未定)

《トークイベント登壇予定者》

藤井道人監督・岡本麻里(原案)
22(水)アベラヒデノブ(青の帰り道 共同脚本)/23(木)笠松将、高橋朋広監督(映画『ラ』)/24(金)真野恵里菜/25(土)清水くるみ、藤井武美/26(日)阿部進之介/27(月)山本彰吾(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)/28(火)甲斐翔真/29(水)武田玲奈/30(木)山田智和、川島直人/31(金)前田公輝

※詳細は劇場HPをご覧ください。

■アップリンク吉祥寺 https://joji.uplink.co.jp/
拡大上映決定!5/17(金)〜(終映日未定)

■大阪・第七藝術劇場 http://www.nanagei.com/
6/22(土)〜

■京都・出町座 https://demachiza.com/
6/22(土)〜

映画『青の帰り道』

映画「青の帰り道」予告編/2018年12月7日(金)全国ロードショー

youtu.be

出演:真野恵里菜 清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔
山中崇 淵上泰史/嶋田久作
工藤夕貴 平田満

主題歌:amazarashi『たられば』

監督:藤井道人
原案:おかもとまり
脚本:藤井道人/アベラヒデノブ
制作プロダクション:and pictures
制作協力:BABEL LABEL/プラスディー
配給:NexTone
配給協力:ティ・ジョイ

©映画「青の帰り道」製作委員会 

公式サイト:(以下より)

連載第10回