第 31 回東京国際映画祭でチケット即完&大好評を博した、劇団「玉田企画」主宰・玉田真也による初映画監督作品『あの日々の話』が、いよいよ、本日、4 月 27 日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開されます。

とある大学サークルの代表選挙が行われた夜。
OB や現役生ら男女9人が残り、二次会でカラオケに興じていた。女子たちが席を外した際、思いがけず女子学生のカバンからコンドームが見つかり、男子メンバーのテンションは一気に上がり暴走していく。一方、女子たちは、OG と現役生の間で不穏な空気に包まれ始めていた。そして締めとなる決起会。和やかに終わると思われたが、ある発言をきっかけに全人間関係が次々と破綻へと追い込まれていく。華やかな大学デビューを果たしたはずの若者たちが裏切り、騙し合い、その果てに残ったものとは―。

「大学生のカラオケオール」という、陳腐とも言えるテーマを題材に、パワハラやマウンティング、世代間ギャップなど、人間社会の縮図を生々しく描くワンシチュエーション会話群像劇。

⻘年団所属の演出家・玉田真也が、自身による同名舞台を原作に映画監督デビューし、初演時の俳優が再結集した映画版では、若手実力派の太賀と村上虹郎がゲスト参加しています。

© 2018『あの日々の話』製作委員会

この度、シネフィルでは玉田真也監督に公開直前に質問を投げかけました。
映画監督デビュー、演出へのあれこれをお聞きしました。

映画『あの日々の話』玉田真也監督に聞く!

•まず、数多くの舞台の脚本、演出を手掛けられてきて、今回映画にしようと思ったきっかけを教えてください?

もともと映画が好きでいつか撮りたいと思っていたんですが、舞台版の初演時に、出演者で俳優の近藤さん山科くんが映画を作ろうと持ち掛けてきて、「あの日々の話」を撮影するのがいいんじゃないか、と勧められ映画にすることにしました。

•初の映画監督で初長編監督でしたが、いかがだったでしょう?また、ご自身の舞台の映画化となりますが、舞台と映画との違いは感じられましたか?

あまり違いを意識せずに作りましたが、俳優の演技のことでいうなら、動線を強く意識しました。舞台のときはそれほど動かなくても時間がもつのですが、カメラを通すとある程度の動きが必要だと感じ、動きを多めにつけました。

•また、東京国際映画祭のスプラッシュ部門に選ばれましたが、率直にどう思われたでしょうか?

まさか選ばれるなんて思っていなかったので、嬉しかったです。

•映画を観るとやはり、一晩の密室群像劇の中でのストーリーと台詞など綿密に練られているなと感心したのですが、現場で変えていった部分とかあるのでしょうか?

リハーサルを1週間ほど行って、演技はその中で作り上げました。台詞はそれほど台本からは変えていないです。カメラマンの中瀬さんもリハーサルに全日参加してくれて、「役者がこう動くならこう撮る」とか、あくまで役者の演技を中心に考えて撮影に臨んでくれましたので、役者に当日撮影で演技を変えることを求めることはなかったです。

•映画でもカラオケでの密室劇を徹底されていますが、映画になさる時に多少外の映像を入れたりする欲求はおきなかったでしょうか?

脚本準備期間のときに、画変わりのために外のシーンを入れようとか、舞台版にない外で起きるエピソードを映画中に入れようとか、いろいろ案が出ました。でもそれをしてしまうと、中途半端な印象になると思いやめました。この映画はカラオケボックスという閉ざされた空間と時間の中で、役者が起こす空気間を濃密にカメラに映すというのが強みだと思っています。この強みを手放すくらいなら、外のシーンは入れないと決めて臨みました。

•大学サークルのカラオケでの出来事で、観た人の多くがこの“朝までオール”の感覚が伝わると思うのですが、ご自身は学生時代どのように過ごしていたのでしょうか?

演劇サークルに所属していたのですが、そのサークルでは毎年6月頃に新人公演という新入生が中心になって制作する公演があります。その公演の打ち上げの2次会は必ず大学の近所にあるカラオケボックスで朝までオールというのが決まりでした。その朝までのオールの中では必ず2組くらいカップルが出来るんですが、そのときの経験が、この映画には直接的に影響していると思います。

© 2018『あの日々の話』製作委員会

•若い時から、影響を受けたものを教えてください。演劇、映画でも文学でも美術でも構いません。また、好きな作家や監督などがいたら教えてください。

映画は小さい頃から大好きでした。日本の監督だと山下敦弘さんが好きで、「ばかのハコ船」「松ヶ根乱射事件」など何度も繰り返し観ています。アメリカの監督ではマーティン・スコセッシが好きです。「ミーン・ストリート」「グッド・フェローズ」がお気に入りです。

•今までの人生でご自身の転機になった事があったら、教えてください。これもプライベートな事でも、社会的なことでもなんでも構いません

人生の転機は、演劇サークルに入ったときかなと思います。それまでまったく演劇に興味がなかったのですが、大学2年生の時に友達に誘われてノリで入りました。そのときは長居することはないだろうと思っていたのですが、今でも演劇は続けています。

•そして、若くして劇団を立ち上げられましたが、それはやはり学生時代から考えていたのですか?

大学生のときに青年団という劇団の演出部に入ったのですが、そこに入ると1年に一度は公演を企画しないといけない決まりなんです。その決まりを守って1年に一度は公演を企画しました。やっているうちに少しずつ人気が出てきて、そのまま独立して劇団にしました。大学時代からなんとなく自分の作品を上演する場所は持ちたいと思っていました。

•今後、映画監督としては次回作とか考えていらっしゃいますか?また、10年後は何をしていると思いますか?

はい。いくつも実現したい企画があります。
10年後は、まったく分かりません。彫刻とか彫っているかもしれないし、お寿司屋さんになっているかもしれません。でも何かを作る仕事はしていそうです。

•最後に、この映画をご覧いただく皆様に、この映画の見どころを監督自身の言葉で伝えてください。

「こういう奴いる!」とか「こういう瞬間ある!」とか既視感に溢れたシーンや人物がたくさん出てくると思います。その濃度が異常に濃い作品なので、きっと誰でも、分かるわー、と思いながら楽しめるのではないでしょうか。

そういうあるある的な側面と同時に、この作品では、いつの時代も起こりうる人間関係のネガティブな側面を多く描写しています。俯瞰して見ていると、社会の縮図のように見えてくるかもしれません、そこも見どころです。

あと、とにかく役者たちの演技が素晴らしいと思うので、そこのところも注目してみてほしいです。

玉田真也 1986年、石川県出身。玉田企画主宰・作・演出。玉田企画を2012年に旗揚げし、以降すべての 作品で脚本・演出を担当。日常の中にある「変な空気」を精緻でリアルな口語体で再現する。映画『シェ アハウス』脚本(監督:内田英治)、テレビ東京『下北沢ダイハード エピソード0 記憶をなくした男』脚 本、NHK『ちょいドラ/ロボカトー中島と花沢さん』脚本等

玉田真也の初映画監督作『あの日々の話』予告

人気演出家 玉田真也の初映画監督作『あの日々の話』予告

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原作・監督・脚本 : 玉田真也
出演:山科圭太、近藤強、木下崇祥、野田慈伸、前原瑞樹、森岡望、高田郁恵、菊池真琴、⻑井短
/ 太賀 / 村上虹郎
企画:玉田真也、山科圭太
製作:映画「あの日々の話」製作委員会(MOTION GALLERY STUDIO、レトル、ENBU ゼミナール)
制作:MOTION GALLERY STUDIO
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
宣伝協力:アニモプロデュース
© 2018『あの日々の話』製作委員会
2018 年/日本/100 分/カラー/ステレオ/シネマスコープ
※この作品は三浦大輔・作「男の夢」に着想を得たものです。

4/27(土)、渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー