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生誕120年イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展会場風景- photo(C)mori hidenobu -cinefil art review

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奇想の版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャー

 1898年オランダ生まれのマウリッツ・コルネリス・エッシャーの生誕120周年を記念し、エッシャーのコレクションで知られるイスラエル博物館より日本初公開の作品を含め約150点が、2月28日より福岡アジア美術館で展示されています。
 オランダ生まれのエッシャーは「トロンプ・ルイユ」で知られていますが、トロンプ・ルイユとはフランス語で「眼だまし」を意味し、実際と見間違う精密描写した絵のことをいいます。また精密描写の錯覚を利用した表現として、ダリ、マグリットといったシュルレアリスムの画家たちがいます。
幾何学模様や、精密な描写、視覚の魔術師といわれるエッシャーは、木版画、リトグラフ(石版画)、メゾティント(銅版画)といった複製が容易にできる版画表現を多用しています。
今回の展示では、エッシャーの表現をもとに、「科学」、「聖書」、「風景」、「人物」、「広告」、「技法」、「反射」、「錯視」といった視点で展示構成がされており、エッシャーの表現がわかりやすく、テーマにそって展示されています。

「宿命(逆さまの世界)」1951年 - photo(C)mori hidenobu -cinefil art review

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位相幾何学とエッシャー

 幾何学は、最初は古代エジプトの測量から、やがて様々な図形が古代ギリシャによって発達しました。紀元前300年頃に古代ギリシャの学者エウクレイデス(英語名はユークリッッド)によってまとめられてから、ユークリッド幾何学と呼ばれるようになりました。また、19世紀になってから、ユークリッド幾何学における平行線公準(真っ直ぐではない直線)が成り立たない幾何学として、非ユークリッド幾何学が発見されました。
 また、非ユークリッド幾何学の一つとして、「位相幾何学(トポロジー)」が生み出され、その中でも一つの面と一つの辺を持つ「メビウスの帯」は、無限の繰り返しを比喩的に表すものとして用いられました。
1934年にスウェーデンのオスカー・ロイテルスバルトが考案した、「ペンローズの三角形」は錯視である不可能図形です。
 「メビウスの輪」や「ペンローズの三角形」といった「位相幾何学」の持つ形や空間の連続性といったものが、エッシャーの作品には多くモチーフとして現れます。特にエッシャーは不可能図形を発想として、独創的な作品を作り上げました。

「上と下」 1947年 - photo(C)mori hidenobu -cinefil art review

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オランダと風景画

 15世紀のオランダでは、北方ルネサンス期のファン・エイク兄弟によって、油彩画の技法が完成され、ルネサンスそのものに大きな影響を与えました。北方ルネサンス期では絵画のみでなく、タペストリー、装飾写本、ステンドグラスといった多彩な表現も多くみられます。その後の17世紀のオランダ黄金時代の絵画は、先の北方ルネサンス期の影響から、写実主義の影響を受けています。
 またオランダでは、宗教画以外の絵画表現として、歴史画、肖像画以外にも、風俗や風景、都市の景観、静物など、多岐にわたります。特に風景画は、実在の風景を描いた写実的絵画ではなく、空想もありながら工房で描かれた絵画が数多くあります。
エッシャーの作品では風景画も多くあり、幾何学的な表現も交えつつも、伝統的なオランダの絵画の歴史から、精密な描写表現が特徴です。

「昼と夜」 1938年 - photo(C)mori hidenobu -cinefil art review

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メタモルフォーゼ

 エッシャーの代表的な構図の原点ともいえる「メタモルフォーゼ」シリーズの作品。「メタモルフォーゼ」とは、変化、変身の意味で、1939から1940年にかけて制作された、作品の幅が4メートル近くにも及ぶ巨大な木版画の「メタモルフォーゼⅡ」という代表的な作品があります。
この作品は、「metamorphose」の文字からはじまり、白黒のモザイクからトカゲに変化し、ミツバチ、魚、鳥と変化を繰り返して、風景、チェスから白黒のモザイクになり「metamorphose」の文字に戻って行きます。 風景そのものは、イタリアでエッシャー自身により撮影した写真が使用されています。
展示の最後にある「メタモルフォーゼⅡ」の作品は圧巻です。エッシャーの特徴ともいえる白と黒の階調とコントラストが美しい、ダイナミックな作品です。
 現代にあっても、エッシャーから影響を受けた、芸術家、数学者、建築家といった人は数多くいます。
日本においても、エッシャーの作品は、マンガ雑誌や、科学雑誌で紹介され、非常になじみ深いものがあり、親しみがあります。生誕120年を記念した本展覧会では、また新しい発見をすることができるでしょう。

メタモルフォーゼⅡ(部分拡大) 1939〜1940年 - photo(C)mori hidenobu -cinefil art review

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メタモルフォーゼⅡ 1939〜1940年 - photo(C)mori hidenobu -cinefil art review

生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展 概要
会  期:2019年2月28日木曜日 ~ 3月30日土曜日
休館日:水曜日
開館時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)
入館料:当日券:一般 ¥1,500 大学生・高校生 ¥1,000 中学生・小学生 ¥500
    団体券:一般 ¥1,300 大学生・高校生 ¥800  中学生・小学生 ¥300
会  場:福岡アジア美術館
     福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7・8階
     phone 092-263-1100
     fax 092-263-1105
公式サイト:http://www.escher.jp/fukuoka.html
主  催:イスラエル博物館 テレビ西日本 読売新聞社 ラブエフエム国際放送
後  援:イスラエル大使館 福岡県 福岡県教育委員会 福岡市 福岡市教育委員会 (公財)福岡市文化芸術振興財団 福岡県教職員互助会 西日本鉄道 九州旅客鉄道
協  賛:野崎印刷紙業
協  力:Blue Dragon Art Company 日本通運 福岡アジア美術館
企画制作:産経新聞社 フジテレビジョン
日本展監修 :熊澤 弘(東京藝術大学 大学美術館准教授)

「生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展」cinefilチケットプレゼント!
ご提供組数 5組10名様

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、福岡アジア美術館チケットプレゼント係宛てに、Eメールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、記名ご本人様のみ有効の、チケットをプレゼントいたします。
チケットは、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、
公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。

応募先Eメールアドレス
info@miramiru.tokyo
応募締め切りは2019年3月21日木曜日

記載内容
1.氏名<※必須>
2.年齢<※必須>
3.当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)<※必須>
4.ご連絡先Eメールアドレス、電話番号<※必須>
5.記事を読んでみたい監督、俳優名(複数回答可)
6.読んでみたい執筆者(複数回答可)
7.連載で、面白いと思われるもの(複数回答可)
8.連載で、面白くないと思われるもの(複数回答可)
9.シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せください。
また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせていただきます。

森秀信 プロフィール

1966年長崎市生まれ。
武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了後、現代美術センターCCA北九州リサーチプログラム修了。
主に現代美術の創作活動の他、展覧会のキュレーションやワークショップの企画を担当。専門は現代美術。