「ヘルタースケルター」や「リバーズ・エッジ」など、80年代~90年代にかけて時代を代表する多くの人気作を手掛け、今なお熱狂的な支持を受ける漫画家・岡崎京子が1994年に発表した「チワワちゃん」が若手実力派キャストと弱冠27歳の新鋭・二宮健監督の手によって映画化!
新たな青春のバイブル、映画『チワワちゃん』が1月18日(金)に全国公開となりました。

本作の監督である二宮監督は、公開前から同じく岡崎京子作品を実写化した行定勲監督との対談を熱望しており、1月27日(日)、遂にその願いが叶い、新宿バルト9にて二宮監督、行定監督によるスペシャルトークイベントが開催。

映画『チワワちゃん』公開記念舞台挨拶

■日時:1月27日(日)
■場所:新宿バルト9
■登壇者(敬称略):二宮健監督、行定勲監督、森直人(映画評論家)

下記イベントレポートとなります。

司会として登壇した映画評論家の森直人から作品の感想について聞かれた行定監督は「巧みだね。映像が饒舌過ぎないかと思いながらも(笑)」と冗談を交えつつ好評価。
森から実は行定監督も「チワワちゃん」を映画化したがっていたという話が明かされると、「ベルリンで『リバーズ・エッジ』が公開された後に岡崎先生に『チワワちゃん』を映画化させて欲しいと言いに行こうと思っていて、その頃に二宮と会ったらチワワをやるって言われて(笑)」とコメント。

更に主演の吉田志織に対しても、「吉田志織さんは昔ワークショップで教えたことがあって。ある時会ったらチワワを演じたって言われまして。その時はあんまり出ないんだなと思ったんですね、チワワ不在で描くんだろうなと。そしたら何このチワワちゃん(笑)俺好きになっちゃったもん。(笑)」と二宮監督に続いて、主演の吉田とも意外な接点があったことを明かした。

左より二宮健監督、行定勲監督

作品を現代的なアプローチで描いたことに対しては、「SNSで繋がってんだけど何も分かってなかったんじゃないかていうのが、確かに今の人達が観た時に重なっていくものがあると思う」とコメント。
自身が描くなら90年代で描いただろうと語る行定監督に対し、二宮監督は初めて原作を読んだのが3、4年前だと語り、「91年生まれで90年代を正直知らないんですよね。だから単純に自分の世代の話に置き換えられちゃったし、自分に重なっちゃったというか。丁度20代前半で、このまま遊んでいる訳にもいかないなと思ってる時に読んだので。今しか出来ないぞって気がしましたね」と語った。

逆に行定監督の「リバーズ・エッジ」をどう思ったのかという質問に二宮監督は「チワワの撮影準備中に観たんですよね。映画化するっていう情報も準備中に知ったのでビックリしちゃって。てっきり『ヘルタースケルター』の次は『チワワちゃん』だと思ってたんで」と行定監督が「チワワちゃん」の映画化に驚いたのと同様に、自身も驚いたとコメント。
実際に作品を観た感想を聞かれると、「行定さんは職人として真っ当にやり切ったから、僕は好きにしようってある意味背中を押して貰えたというか。これがあるなら『チワワちゃん』を現代にしても大丈夫だなと自信を持てましたね」と語った。

左より司会の森直人(映画評論家)、二宮健監督、行定勲監督

行定監督の映画作りは引き算的で二宮監督は足し算的に思えるという森の質問に対して二宮監督は、「チワワちゃん」は引いたら原作のページが無くなっちゃう(笑)」と笑いながらも、「前半はオリジナルストーリーで後半は原作に忠実なんですよね。映画にするんだったらチワワちゃんと皆が過ごした時間って一体何だったのっていう部分を象徴的にやってそれが後半に効いてくるものをやりたいなと。30ページの漫画だったら成立するけど、映画だとそこをやらなきゃと思ったので。僕の青春に対する記憶も憧れも全部置いていこうと思ってやりましたね」と自身の演出の狙いを明かした。

また『チワワちゃん』に出演した役者達に対してどう思ったかという質問に対しては行定監督が良い役者が揃っていたとコメント。「次使おうとも思った役者もいたし、気になっていた役者でも、寛 一 郎くんは違う顔を見た気がしました。(村上)虹郎もいいよね、自由じゃないのがいい(笑)本人傍若無人なのにあんな繊細なキャラクターを演じていて(笑)それがとても良かったです。成田君もキャラクター的に難しいのに上手かった。でも何よりチワワちゃんですね。良かった」とそれぞれの演技を絶賛した。

行定監督絶賛のチワワちゃんのオーディションには特に力を入れたと語る二宮監督が、行定監督ならどうオーディションしますかと尋ねると、行定監督は「多分、おっぱい(笑)肉体は絶対重要だと思っていて、それが余すことなく披露されてますよね」とコメント。
それに対して二宮監督は「原作では巨乳で身長が低い設定なんですよね。でも吉田さんはそうじゃないので、チワワが喋る時は常に位置関係で上にいるようにしてましたね。身長を感じさせないようにしつつ、それによってチワワちゃんに抑圧されてる皆、みたいなのもやりたくて」と思わぬ裏話も飛び出した。

青春の幻影を描いた本作について行定監督が「27歳で撮るかと(笑)あれはおっさんが撮るものだよ。おっさんが青春の幻影を追い求めてるものなんだよ」とコメント。
それに対し二宮監督は、「いや僕でも青春が終わっていく感じはしますから(笑)。後、そういう青春の終わりってものを感じなきゃっていう義務感がどっかで芽生えて。終わっていくのにお前なにやってんのと。自分は映画を撮る事しか出来ないから、じゃあ青春を終わらせる映画を撮らなきゃという使命感がありましたね」と映画化に懸けた思いを熱く語った。

最後に行定監督が二宮監督に対して、「器用貧乏になって欲しくないなと思いますね。俺もだけどプロデューサー的な能力があるからならないと思うんだけど。これからは砂漠を歩いて行くような感じになると思うので、いいオアシス、いい人を見つけてね、補給しながらやっていって貰えればと思いますね(笑)」とコメントし、イベントを締めくくった。

左より二宮健監督、行定勲監督

岡崎京子原作×二宮健監督『チワワちゃん』本予告

岡崎京子原作×二宮健監督『チワワちゃん』本予告

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門脇 麦

成田 凌 寛 一 郎、玉城ティナ 吉田志織/村上虹郎

仲万美、古川琴音、篠原悠伸、上遠野太洸、松本妃代、松本穂香/成河

栗山千明(友情出演)/浅野忠信

■監督・脚本:二宮 健 
■原作「チワワちゃん」岡崎京子著(KADOKAWA刊)

主題歌:Have a Nice Day!”僕らの時代“©ASOBiZM ■挿入歌:Pale Waves”Television Romance”©Kobalt Music Publising Ltd ©2017Dirty Hit

■製作「チワワちゃん」製作委員会 企画 東映ビデオ 
■企画協力:KADOKAWA 
■制作プロダクション:ギークサイト 
■配給:KADOKAWA R-15

2019年/日本/カラー/シネマスコープ/DCP 5.1ch/104分

©2019『チワワちゃん』製作委員会

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