英国を代表する名優マイケル・ケインがナビゲーターを務め、彼が生きた激動の1960年代のイギリスを活写したドキュメンタリー映画『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』が、2019年1月5日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショーいたします。

ミニスカート、ボブ・ヘアー、ロックンロール――初めて若者たちによって未来が作られた 60 年代、イギリス。今なお世界に影響を与える UK ストリートカルチャー“スウィンギング・ロンドン”の誕生と熱狂を、貴重なアーカイブ映像と楽曲満載で描くドキュメンタリー映画が誕生した。

本作の字幕監修を務めたのはピーター・バラカン氏。
1960 年代に青春時代を過ごし、時代の空気感を直接感じていたバラカン氏の当時のイギリスのから雰囲気から音楽のことまで熱いト ークが繰り広げられました。

■日程:12月26日(水) 20:30~21:00
■会場:ユーロライブ (東京都渋谷区円山町 1-5 KINOHAUS 2F)
■登壇者:ピーター・バラカン(ブロードキャスター)、MC・奥浜レイラ

本編上映後、MC の呼びかけでピーター・バラカン氏が登場。
映画を観終わった観客の大きな拍手で迎えられイベントがスタートした。

まず、MC より映画の感想を聞かれると、バラカンは「本作で描かれている1960 年代はまさに僕の青春時代だから、何とも言えない懐かしさがありました。それと同時にこの時代は自分が子供だった時なので、今映画を通して 60 年代を見直すことができるのはまた時代の見え方が変わってく るし、当時自分が意識していなかった社会への変革もなるほど、と思うことがずいぶんありました。」と率直な感想を述べた。

右よりピーター・バラカン氏(ブロードキャスター)、MC・奥浜レイラさん

本作で使用されているアーカイブ映像は未公開のものがかなりの部分を占めているようだが、珍 しいと思った映像は?という質問に対して
「これらの映像は主にTV 用に撮られたものではないかと思います。昔コメディドラマを撮っていたスタッフが本作でもクレジットされていて、とても懐かしくなりました。また、60 年代を如実にとらえているものが多く、そしてカット割りがすごく早いんですよね。何回も観てやっと気が付くこともありました。」と回答。

また、MC より「イギリスの階級制度とアクセントが密接につながっていたことに驚いた」 と投げかけられると、「今もありますが、昔は階級社会がもっと顕著で、イギリス人にとってはそれが当たり前の時代でした。 イギリス人は“口を開けば誰かに嫌われる”という格言みたいな言葉があります。要するに口を開けばそのアクセントで階級がすぐにわかってしまう。そしてどういう人か判断されてしまうのです。一方で僕が 20 代で日本に来た時は、アクセントがどうこうというよりは会って5分くらいで大学を探り合いそれで優劣をつけようとしていましたよね。どこの国でもそういうこ とがあるのだなと思いました(笑)こういうものは潜在意識で持っているものですから、ビートルズが持つ力は本当にすごいと思いました。彼らはリバプールのアクセントで歌っていたし、インタビューもされていました。それによって人々の価値観もだいぶ変わりましたし、逆に、中流階級の標準語を話す人がわざわざ労働者階級的なアクセントで喋ったりすることが多くなったんです。その方がカッコよくなってしまった。60 年代からその後も少なくとも音楽の世界ではずっと労働者階級のミュージシャンがかっこいいとされていますよね。とにかく若者が主役になれたことも画期的だったと思います。どこの国でもそうなったと思いますが、イギリスがとても早かったのではと思います。」と述べた。

ピーター・バラカン氏(ブロードキャスター)

日本でもなじみ深いヴィダル・サスーンやミニスカートの発案者メアリー・クヮントはいかがでしょうか?という問いに対しては「彼らもビートルズと同じ時代に革命を起こした人たちですよね。モデルのツィギーも雑誌を開けば必ず彼女がいて、今のモデルの形を作ったとも言っていいと思います。」と答えると、MC も「それも新しい形なのではと思われますよね」と納得の様子。
そして劇中で使われている音楽については「キンクスやアニマルズの曲など、使用されている楽曲が映像や内容とかなりリンクしており、確かにこの時代はこうだったと思えることが多く、歌詞もぴったりでしたね。」また、音楽映画のつながりとして今大ヒット中の『ボヘミア ン・ラプソディ』をどのようにとらえているかという問いに対しては、「音楽を題材とした映画が日本でここまでヒットするのは驚きました。一つの娯楽映画としてすごくよくできていると思いました。日本では洋楽を聞く人口がかなり減っているから何かこれをきっかけに面白い音楽が海外にもあるんだなと知ってもらいたいですね。」と願望も語った。

最後に観客から字幕監修に関する質問が出ると、「いくつかイギリス人にしか分からないニュアンスの表現があったので気を配りました。また、固有名詞のカタカナ表記は仕事を受ける時からかなりこだわりました!」と字幕に込めた思いを語りトークを締めくくった。

60年代“スウィンギング・ロンドン”をマイケル・ケインがナビゲート『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』予告

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監督:デイヴィッド・バッティ
ナビゲーター、プロデューサー:マイケル・ケイン
出演:マイケル・ケイン、デイヴィッド・ベイリー、ポール・マッカートニー、ツィギー、ローリング・ストーンズ、ザ・フーほか
原題:
MY GENERATION/2017
年/イギリス/カラー(一部モノクロ)/85
分/PG12/英語/日本語字幕:野崎文子/
字幕監修:ピーター・バラカン
配給:東北新社
STAR CHANNEL MOVIES
© Raymi Hero Productions 2017

2019 年 1 月 5 日(土)、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー