東日本大震災からまもなく8年、第1回四万十映画祭“長編部門:最優秀賞”や、福岡インディペンデント映画祭2018 “100分ムービー部門最優秀作品”に輝くなど、国内外の映画祭にて高い評価を受け、完成から2年半の時を経て、映画『ハッピーアイランド』がユーロスペース(渋谷)をメイン館として2019年初春に劇場公開することが決定しました。

本作は、福島県須賀川市出身の渡邉裕也(わたなべゆうや)監督が、3.11の原発事故によって風評被害を受けるも、農業を営み続けた自身の祖父の姿を見て映像化を決めた作品。
この作品を体現する主演は誰なのか、を考えたときに、「不器用だけど、実は良い奴。この作品の中で、辛くもどかしい状況の中でも、生きなきゃいけない、という事を描きたかった。主人公もそんなまっすぐな眼を持っている人が良い」というイメージから、もともと親交のあった吉村界人(よしむらかいと)にオファーをしたという渡邉監督。

本ポスタービジュアルが解禁!

©ExPerson2019

本作の撮影は3年前の2015年12月。風評被害の中、様々な生活の苦労と戦う被災地の人々と共にした福島ロケで、主演吉村界人は何を思ったのだろうか。
また、監督直々のオファーで同じく本作の出演を決めた萩原聖人(はぎわらまさと)も、震災で自身の妻を亡くすも、勇ましく農業を営み、吉村演じる真也の成長を後押しする正雄として登場する。現実を目の当たりにし意気消沈する中、真也の淡い恋心が芽生える相手には、『カムイ外伝』や『桐島、部活やめるってよ』などの話題作で活躍する大後寿々花(おおごすずか)が、たくましく生きる保育士の里沙役として抜擢。
また、バンド「2」(ツー)のボーカルとして活躍、NHK連続ドラマ小説「ひよっこ」では俳優としても話題の古舘佑太郎(ふるたちゆうたろう)が、監督の熱烈なオファーを受け、本作の劇中音楽と主題歌を担当。
主題歌は、古舘によるオリジナル楽曲となっている。
また、劇中音楽/主題歌を担当した古舘佑太郎、渡邉裕也監督のコメントも届きました。

☆古舘佑太郎プロフィール☆
ミュージシャン。1991年東京生まれ。2008年に自身が率いるバンドThe SALOVERSを結成して音楽活動をスタート。2015年のバンド活動休止後、ソロ活動を経て2017年春にバンド2結成。役者としても活動をしている。

古舘佑太郎(2 vo./gt.) (ふるたちゆうたろう)コメント
音楽担当/主題歌「ハッピーアイランディア」

映画『ハッピーアイランド』公開おめでとうございます。3年前ぐらいでしょうか。監督からお話いただき、本編と睨めっこをしながら音楽を紡いだあの日々を思い出しました。映像の中に出てくる景色、言葉、表情のおかげで生まれたメロディ、詞がありました。
“答えは1つじゃない。もしかしたら正解なんて無いのかも知れない。それでも…”
というのが、僕の個人的なテーマであり、結論でもあります。その後に続く言葉は、観た人それぞれなのかも知れません。

渡邉裕也(わたなべゆうや)監督 コメント

2011年夏に祖父の風評被害で野菜が売れなくても農作業を続ける姿を見ました。2015年秋に界人にカフェであってこんな話をやりたいんだとプロットを渡し、企画の話をしました。2015年年末に福島の方々に支えられ、『ハッピーアイランド』を撮影しました。そして、ようやく震災からもうすぐ8年、公開することができます。農作業を続ける祖父がかっこいいと思って作りましたが、祖父はもういません。いないけど、この映画が届けばいいと思います。
そして、世の中の方々にこの映画を観て頂き、祖父と福島で闘う農家の方々を自慢出来る事を嬉しく思います。

STORY】2015年、東京に住む23歳の真也(吉村界人)は仕事も転々とし、中途半端な生活を過ごしていた。ある日、知人の紹介で福島の農家の元で、農作業を手伝いながら暮らす事に。しかし、真也に待っていた現実は「寒い」「朝が早い」「つらい」。そんな言葉が漏れる日々。逃げ出そうと思っていた頃、農業で地元の人々に尽くす正雄(萩原聖人)の姿を見た。彼は震災で妻を失っていた。地元で保育士をする同じ年頃の里沙(大後寿々花)への恋心もうっすら芽生え、段々とやりがいを見つけていく。次第に、この人たちの為になろうとするが、県外で出会った福島県産の野菜を毛嫌いする人々へ思わず手を挙げてしまった真也。そんな中、3.11の風評被害の中で野菜を作る人々に違和感も感じてきてしまう。そして悪い噂が流れてしまった真也を恐れる地元の人々との心の溝を埋められずに悩んでいく。真也は耐えられず東京へ帰ろうとするが…

出演:吉村界人 大後寿々花  三輪江一 岡村多加江 中村尚輝 / 萩原聖人

監督/脚本:渡邉裕也
音楽/主題歌:古舘佑太郎「ハッピーアイランディア」

制作:ExPerson、
配給協力:SDP  
©ExPerson2019

2019年初春 ユーロスペースほか公開