第73回ヴェネツィア国際映画祭 監督・ばんざい!賞受賞作
アミール・ナデリ監督作品『山〈モンテ〉』
西島秀俊主演『CUT』(11)も記憶に新しい現代イラン映画の巨匠アミール・ナデリ監督『山〈モンテ〉』(英題:MOUNTAIN 原題:MONTE)が、2019年2月よりアップリンク吉祥寺(12月14日(金)オープン予定)にて公開されることが決定いたしました。
本作は、2016年度、第17回東京フィルメックスでも招待作品として上映され、第73回ヴェネツィア国際映画祭では、監督・ばんざい!賞も受賞しております。
神や自然、人間からも見棄てられたその男は、
すべてを苦しめる忌まわしき山と対峙する―
中世後期イタリア。
南アルプスの山の麓にある小さな村の外れで暮らすアゴスティーノ
と妻のニーナ、息子のジョヴァンニ。この村は、
壁のようにそびえる壮大な山に太陽の光を遮られており、
思うように作物を育てることができずにいる。
他の家族はよりよい暮らしを求めて去っていった。しかし、
アゴスティーノとニーナは彼らの説得にも応じず、
先祖の墓や亡き娘の墓があるこの地を離れようとはしなかった。
飢えた家族となんとか生き延びるため、
アゴスティーノはあらゆる手を尽くすが、
周囲の村の者達からは異端者として差別され、
遂にはそこに暮らすことさえも禁止されて家族は離れ離れになって
しまった。もはや手立てはなかった。神や自然、
人間からも見棄てられたアゴスティーノは、
たった一人で彼らを苦しめる忌まわしき山と対峙する―。
現代イラン映画の巨匠アミール・
ナデリがイタリアでのオールロケを敢行
肉体を過剰に酷使しながら孤立無援の人間の限界突破を描く
孤高の傑作
監督は、天涯孤独の少年を、
圧倒的な映像美で描いたイラン映画の金字塔『駆ける少年』(
85)、近年は西島秀俊主演『CUT』(11)
も記憶に新しい現代イラン映画の巨匠アミール・ナデリ。
何十年もの間、イタリアで映画を撮ることを夢見ていたナデリが、
遂にイタリアでのオールロケを敢行。
ナデリの肉体を過剰に酷使しながら孤立無援の人間の限界突破を描
くスタイルは本作でも引き継がれ、宗教・自然・
人間のすべてと対峙する一人の男を描き出した。またイタリア・
ネオレアリズモ映画にインスピレーションを受けてきたナデリ監督
の、その愛情は本作へ結実。それはまるでイタリアの風土や歴史、
芸術へと捧げられた、イタリア・
ネオレアリズモの精神で描かれた彫刻作品のようである。
本作は、第73回ヴェネツィア国際映画祭「監督・ばんざい!賞」
を受賞。
本年度の東京フィルメックスでも回顧上映が特集されるなど、
今まさに各国で注目を集めるアミール・
ナデリが作り上げた孤高の傑作である。
『山〈モンテ〉』
(英題:MOUNTAIN 原題:MONTE) 2016/107分/伊・米・仏/イタリア語/シネマスコープ/
5.1ch
監督・脚本・編集・音響:アミール・ナデリ
製作:カルロ・ヒンターマン/ジェラルド・パニチ/リノ・シアレッタ/
エリック・ニアリ
撮影:ロベルト・チマッティ/美術:ダニエレ・フラベッティ
衣装:モニカ・トラッポリーニ/装飾:ララ・シキック
録音:ジャンフランコ・トルトラ/VFX:佐藤文郎
出演:アンドレア・サルトレッティ、クラウディア・ポテンツァ、
ザッカーリア・ザンゲッリーニ、セバスティアン・エイサス、
アンナ・ボナイウート
配給:ニコニコフィルム
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