「アムステルダム」でブッカー賞を受賞し、数多くの話題作を生み出しているベストセラー作家イアン・ マキューアンの小説「初夜」を、シアーシャ・ローナン主演で映画化した『追想』が8月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて公開いたします。

©BritishBroadcastingCorporation/Number9Films(Chesil)Limited2017

誰もが経験する“大人になる瞬間”の儚さと美しさを切り取った唯一無二のラブストーリー

『ブルックリン』や『レディ・バード』といった話題作に立て続けに主演し、24歳にしてアカデミー賞®の常連といわれるシアーシャ・ローナン。
若手女優の筆頭として目覚ましい活躍を見せる彼女が、現代のイギリス文学が誇る新たな傑作として長年映画化が熱望されていたブッカー賞作家イアン・マキューアンの「初夜」に挑む。

大ヒット作『つぐない』以来となるシアーシャとイアンの組み合わせにも注目が集まっているが、今回は原作者自らが脚本を手掛け、新たな解釈を加えた展開も見逃せない。

主人公となるのは、結婚式を終えたばかりの20代前半の夫婦。初夜に起きたある出来事が原因で運命が狂ってしまう男女の心情が、繊細かつ緊迫感を持って描かれている。
愛するがゆえに生まれてしまうすれ違い。胸を締め付けられるような切なさと共に、最後には静かな波のような感動が押し寄せてくる、新たなラブストーリーがここに誕生した。

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イギリスで絶大な人気を誇るベストセラー作家、イアン・マキューアン。

世界的に権威のある文学賞の一つであるブッカー賞にこれまで6度ノミネートを果たし、1998年に「アムステルダム」で見事授賞を果たしたイアン・マキューアン。
2008年には、タイムズ紙の“1945年 以降のイギリス人作家ベスト50人”に入り、デイリー・テレグラフ紙の“イギリス文化に最も影響力のあるベスト100人”の19位にランクインする。
小説を執筆する傍ら、 脚本家としても活動し『サワースィート』(88)や『危険な遊び』(93)などを発表している。現代英文学を代表する作家として、世界中にファンを持つ。

本作の公開前にぜひ観ておきたい、イアン・マキューアンの原作映画をピックアップ!
これまでに例をみない奇想天外な視点からあらゆる事柄を鋭く捉えるマキューアン独自の世界観を映像でも楽しめる5作品をご紹介します。

『迷宮のヴェニス』(1990)

原作の邦題は「異邦人たちの慰め」。古都ベニスを訪れた若い男女が謎の夫婦の仕掛けた罠にはまっていく姿を描いたエロティックサス ペンス。イギリス人カップル、メアリーとコリンは休暇を過ごすため思い出の地、ヴェニスを訪れた。ところが白いスーツに身を包んだ謎の 男ロバートが現れ、彼の怪しいゲームの標的にされてしまい、恋人たちは危険な罠にはまっていく―。クリストファー・ウォーケンとヘレン・ ミレンの豪華俳優が共演し、怪しい夫婦を演じる。

『ルナティック・ラブ/禁断の姉弟』(1992)

原作の邦題は「セメント・ガーデン」。思春期の少年を主人公に、死体遺棄や近親相姦といった際どいテーマに挑んだ問題作。父と母を 亡くした郊外の一軒家に住む4人の子供たちは、両親の死が明るみにならないよう遺体を地下室にセメントで埋める。強圧的だった両親がいなくなり子供たちの欲望は次第に解き放たれ、17歳の姉と15歳の弟はきわどい戯れあいを続けながらやがて許されぬ関係に陥っていく―。当時アイドルだったシャルロット・ゲンズブールがヌードを披露し話題となった。

『愛の果てに』(1993)

原作の邦題は「イノセント」。脚本もマキューアン自身が担当。東西冷戦が続く分割統治下のベルリンを舞台に、各国間の諜報戦の波に翻弄される男女の悲恋をサスペンス・タッチで描いたメロドラマ。1955年、米・英・ロシアの分割統治下にあったベルリン。英国の謀報活動への協力を要請された英国人青年のレナードは、クラブで年上の美しいドイツ人女性マリアと出会い恋に落ちる。ある日、彼女の夫オットーが現われ、戦争の情報と離婚の承諾金を要求。激しく言い争ううちに、レナードはオットーを殺してしまう―。キャンベル・スコット、イザベラ・ロッセリーニ、アンソニー・ホプキンスら豪華俳優が出演。

『Jの悲劇』(2004)

原作の邦題は「愛の続き」。『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督が映画化した心理サスペンス。ふとしたきっかけから、平穏な日常が一変し混乱していく男の姿を緊迫感溢れるタッチで綴ってゆく。 ある日、郊外の草原で大学教授のジョーは新進気鋭の彫刻家で恋人のクレアとピクニックを楽しんでいたところ、気球の落下事故に巻き込まれる。幸い難を逃れたジョーだったが、事故の現場で出会ったジェッドという男がなぜか、それ以降ジョーに偏執的につきまとうようになり、ジョーは次第に言い知れぬ恐怖で精神的に追い詰められていく―。

『つぐない』(2007)

原作の邦題は「贖罪」。無垢なるゆえに犯した一つの過ちによって引き裂かれてしまった一組の男女が辿る過酷な運命の行方と、自らの罪を一生をかけてあがなおうと決意した少女の贖罪の人生が描かれる大河ロマンス。1935年、イングランドで小説家を夢見る末娘のブライオニーは、屋敷の使用人の息子ロビーと美しい姉セシーリアが恋仲にあることに気付く。ロビーにほのかな想いを抱いていたブライオニーは、小さな行き違いの積み重ねと嫉妬心からある事件の犯人をロビーだと告発。ロビーは無実を証明することが出来ず、セシーリアと離ればなれになる。4年後、ロビーは戦場の最前線に一兵卒として送られ、セシーリアはそんなロビーとの再会を信じて、彼への手紙をしたため続けていた―。当時無名子役だったシアーシャ・ローナンがアカデミー賞®助演女優賞ノミネートを果たし、出世作となった。

『追想』(2017)

©BritishBroadcastingCorporation/Number9Films(Chesil)Limited2017

原作の邦題は「初夜」。
1962年、夏。世界を席巻した英国ポップカルチャー「スウィンギング・ロンドン」が本格的に始まる前のロンドンは、依然として保守的な空気が社会を包んでいた。そんななか、若きバイオリニストのフローレンスは歴史学者を目指すエドワードと恋に落ち、人生をともに歩むことを決意する。
結婚式を無事に終えた2人が新婚旅行として向かったのは、美しい自然に囲まれたドーセット州のチェジル・ビーチ。しかし、ホテルで2人きりになると、初夜を迎える緊張と興奮から、雰囲気は気まずくなるばかり。ついに口論となり、フローレンスはホテルを飛び出してしまうのだった。家庭環境や生い立ちがまるで違う2人であっても深く愛し合っていたが、愛しているからこそ生じてしまった“ボタンの掛け違い”。それは、今後の2人の人生を大きく左右する分かれ道となってしまう。フローレンスとエドワードにとって、生涯忘れることのできない初夜。その一部始終が明かされる...。

シアーシャ・ローナン主演作、映画『追想』予告編

シアーシャ・ローナン主演作、映画『追想』予告編

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監督:ドミニク・クック(BBC「嘆きの王冠~ホロウ・クラウン~」)
原作・脚本:イアン・マキューアン【原作「初夜」村松潔訳、新潮クレスト・ブックス】
キャスト:シアーシャ・ローナン、ビリー・ハウル、エミリー・ワトソン、アンヌ=マリー・ダフ、サミュエル・ウェスト他
2017/イギリス/英語/110分/カラー
©BritishBroadcastingCorporation/Number9Films(Chesil)Limited2017

配給:東北新社STAR CHANNEL MOVIES

8月10日(金)より TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー