長編ドキュメンタリー映画『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』を、9月上旬よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開することとなりました。

アート界の伝説にして、自由な女性の“荒れた見本” ペギー・グッゲンハイムとは?

ペギー・グッゲンハイム(1898〜1979)は、アメリカで当代随一の影響力を持った現代美術のコレクターであり、それらを紹介した人物のひとりです。
サルバドール・ダリ、パブロ・ピカソを初めとした20世紀を代表する画家の作品を所蔵。また当時無名で、のちにアメリカ美術の先駆者となるジャクソン・ポロックに才能を見出し、支援することで早期の成功へと導きました。
また、彼ら芸術家たちとの自由奔放な関係でも知られ、自由な女性の“荒れた”見本と言われたことでも有名な人物です。

©️“Courtesy of the Peggy Gugggenheim Collection Archives, Venice".

ペギーはその生涯の大半をヨーロッパで過ごし、1920年代初めにはパリで自由奔放な生活を送りました。ロンドンとニューヨークにギャラリーを構えた後、1948年にヴェネツィアのカナルグランデ沿いにパラッツォ・ヴェニエル・ディ・レオーニという由緒ある邸宅を購入し、自らのコレクションの展示室を備えた自宅に改装。
この邸宅は一般市民に公開され、現在に至るまで世界中の知識人や美術愛好家たちを引き付けています。ペギーは1979年12月23日に死去し、邸宅の庭に埋葬された。隣には彼女が愛した14匹のラサ・アプソ犬たちが眠っています。
今年、2018年は生誕120周年、没後39年の年にあたる年でもあります。

水の都、ベネチア。アートの都としても有名なこの地に、個人のものとしては質・量ともに世界最大級のコレクションを有する美術館が存在する。その名も「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」だ。NYの富裕な家系に生まれたペギーは、20代の頃、伝統と格式だらけの世界から逃れるため、第一次大戦後の開放的な雰囲気にあふれるパリへ単身渡欧。当時、まだ価値を認められていなかったシュルレアリスムや抽象絵画のような同時代の革命的な表現に出会う。自由を謳歌する反骨的な芸術はペギーの肌になじみ、芸術家たちを支援する傍ら、世間知らずの令嬢から現代美術のコレクター、そして伝説のパトロネスへと華麗なる転身を遂げていくー。

デュシャン、ダリ、エルンスト、ジャコメッティ、モンドリアン、ポロック...20世紀美術の綺羅星のような芸術家たちに加え、ガゴシアンやアブラモヴィッチといった現代アート界の大物も続々登場!

登場アーティスト:サミュエル・ベケット、コンスタンティン・ブランクーシ、アレクサンダー・カルダー、ジャン・コクトー、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、マルセル・デュシャン、マックス・エルンスト、アルベルト・ジャコメッティ、ジョアン・ミロ、ピエト・モンドリアン、ジャクソン・ポロックほか

●インタビュー出演:ペギー・グッゲンハイム、ジャクリーン・ボグラッド・ウェルド、ラリー・ガゴシアン、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、ロバート・デ・ニーロ、ジョン・リチャードソン、マリーナ・アブラモヴィッチ、アーネ・グリムシャー、カルバン・トムキンズ、ドミニク・レヴィ、エドマンド・ホワイトほか

 本作は、ペギーの生前に収録されたインタビューに基づき、その人生を追ったドキュメンタリー。「収集作品より恋人のほうが多かった」「女性の自由と権利の“荒れた”見本」などと言われながらも、常人には真似できない胸のすく人生をおくったペギー。20世紀美術の綺羅星のような芸術家たちとの愛の遍歴とともに、いまや伝説となった女性の華麗な一生を、ペギーの生誕120周年となる2018年に是非ご覧下さい。

©️Roloff Beny / Courtesy of National Archives of Canada

2015年/アメリカ/96分/カラー/DCP/原題:PEGGY GUGGENHEIM ART ADDICT
●監督:リサ・インモルディーノ・ヴリーランド(『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ(2011)』)
●製作:スタンリー・バックタール、デイビッド・コー、ダン・ブラウン、リサ・インモルディーノ・ヴリーランド
●撮影:ピーター・トリリング 
●音楽:スティーブン・アーギラ
●編集:バーナディン・コーリッシュ、ジェッド・パーカー 
配給:SDP
宣伝:プレイタイム 

9月上旬、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!