苦難を乗り越え、60代で世界に見いだされた奇跡のピアニスト、
フジコ・ヘミング。
いくつになっても豊かな人生を奏でる―。
60代後半でデビューし、80代になった今でも世界中で演奏活動を続けるフジコ・ヘミング。年間約60本のコンサートをこなし、チケットは即完売で新たなオファーも絶えない。その情感あふれるダイナミックな演奏は多くの人の心をとらえ、“魂のピアニスト”と呼ばれている。本作は、パリ、NY、ブエノスアイレス、LA、ベルリン、東京、京都・・・世界を巡るフジコを2年間にわたって撮影した初のドキュメンタリー映画。心震える演奏シーンとともに、アンティークに囲まれた世界中にある自宅で愛する猫たちとともに暮らす姿、知られざる家族・恋についてなど、本作でしか見られないフジコ・ヘミングの素顔を解き明かす――。
世界中の人々を魅了してやまないフジコの音楽は、どんな人生・ライフスタイルから生まれてくるのか?
世界的ピアニスト、フジコ・ヘミングの原点がここに!
少女時代の絵日記を通して語られるフジコの知られざるヒストリー
フジコ・ヘミング初のドキュメンタリー映画『フジコ・ヘミングの時間』(監督:小松莊一良)は6月16日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開されます。この度、映画の中でフジコの少女時代を紐解く上で大事な存在として登場する幻の絵日記を、単行本『フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記』として2018年6月下旬に暮しの手帖社より発売いたします。世界的ピアニスト、フジコ・ヘミングが大切にパリの自宅で保管していた絵日記。食べものの配給、家族、ピアノの練習、お裁縫、おしゃれ……。終戦翌年の1946年、14歳のフジコがていねいに美しく綴った絵日記には、毎日の生活の工夫と家族との思い出があふれています。
今発売中の「暮しの手帖94号」絵日記特集で、フジコは次のように語っています。
「人生って、うまくいかなくても、そんな人生のほうが素敵じゃないかしら。幸せって、雲の彼方にはない。自分でつくるものだから。でも、それは歳をとってわかったこと。この絵日記を読むと思い出します。白い雲を眺めながら、憧れ、ときめき、夢見たその時間を。」(『暮しの手帖94号』インタビューより抜粋)
① 発見!少女時代の貴重な絵日記
書籍化にあたり、手書き文字は活字に起こして全ページを収録。
ピアノだけではなく、何に対しても一生懸命だった少女フジコ。戦後の食糧不足の中で手に入れたジャガイモを使い、〝ザブトン焼き″なる料理を考案したり、小さくなったジャケットを肩かけかばんにリメイクしたり。弟ウルフとの愉快なエピソード、母が縫ってくれたブラウスの話など……。永遠の少女、フジコ・ヘミングの原点がこの絵日記にありました。14歳で描いたとは思えない、少女フジコの色鮮やかな表現力に魅了されます。
② パリの自宅でのインタビューを収録
絵日記には描かれなかった、当時の心情を赤裸々に語っていただきました。
辛かった事、悲しかった事、恋の事…。そして語られる母への想い。
パリにあるフジコの自宅の写真とともに、貴重なインタビューをお届けします。
③フジコの書込み付き楽譜
母から譲り受けた大切な楽譜ショパン「バラード第1番」を完全収録!
フジコファン必見の特別ページです。
6月下旬発売 A5変型・上製(204×148mm 束15mm)
本体:2315円(税別) 定価:2500円(税込)ISBN:978-4766002089
著者:フジコ・ヘミング
フジコ・ヘミング プロフィール
日本人ピアニストの母とスウェーデン人デザイナーの父を両親としてベルリンに生まれる(年齢非公表)。父と別れ、東京で母の手ひとつで育ち、5歳から母の手ほどきでピアノを始める。東京芸術大学を経て、28歳でドイツへ留学。ベルリン音楽学校を優秀な成績で卒業。その後長年にわたりヨーロッパに在住し、演奏家としてのキャリアを積む中、レナード・バーンスタインほか世界的音楽家からの支持を獲るが、大事なリサイタル直前に聴力を失う。失意の中、ストックホルムに移住、ピアノ教師をしながら、欧州各地でコンサート活動を続ける。1999年リサイタルとNHKのドキュメント番組が大反響を呼び、デビューCD「奇蹟のカンパネラ」をリリース。クラシック界異例の大ヒットを記録した。日本ゴールドディスク大賞のクラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを4回受賞。現在も、世界各地からリサイタルのオファーが絶えず、年間60本近くの公演を行う。猫や犬をはじめ動物愛護への関心も深く、長年チャリティー活動も続けている。
パリ、NY、ブエノスアイレス、LA、ベルリン、東京、京都・・・
世界が熱狂したワールドツアーでの演奏、フジコの素顔と知られざるヒストリーを美しい映像で綴る、感動のドキュメンタリー
世界をめぐるフジコを2年間に渡って撮影した初のドキュメンタリー映画。ワールドツアーの演奏とその裏側、世界中にある美しい自宅、愛する猫たち犬たちとの暮らし、恋の話など、彼女の素顔を解き明かす。
幼少時に別れたスウェーデン人の父への複雑な想い、ピアニストの母からの厳しいレッスン、ハーフへの差別、貧しい留学生活、音楽の成功を目前にした聴力の喪失など、撮影中のインタビューと少女時代の絵日記を通して語られる波乱万丈の人生と知られざる家族のヒストリーに胸が熱くなる。
2017年12月1日に東京オペラシティで行われたソロコンサートの「ラ・カンパネラ」をほぼフルバージョンで収録。5分におよぶそのシーンの中で、生きざまがにじみ出るような圧巻の演奏を聴かせる。
輝き続ける彼女の“今”には、生きるヒントがあふれている。
映画『フジコ・ヘミングの時間』
出演:フジコ・ヘミングほか
監督:小松莊一良
配給:日活
©2018「フジコ・ヘミングの時間」フィルムパートナーズ
115分