“印象的なオリジナルデビュー作” 速水萌巴監督作『クシナ』
北米最大日本映画祭ジャパンカッツ正式出品!上映日決定!

今年3月に行われた暉峻創三氏がプログラミングディレクターを務める大阪アジアン映画祭2018、インディフォーラム部門では誰も注目していなかった無名の監督作『クシナ』がジャパンカッツアワードを受賞した。

今年度の同部門では矢崎仁司監督の最新作『スティルライフオブメモリーズ』や今年公開された映画『大和(カリフォルニア)』で注目を浴びる宮崎大祐の監督最新作『TOURISM』、そしてテッサロニキ国際映画祭で監督賞を受賞した竹内洋介監督作『種をまく人』など実力派揃いの中で、本作の受賞は、誰も予期せぬ、まさかの出来事でもあった。

ニューヨークから訪れたジャパンカッツの審査員は『クシナ』のスタッフと俳優が目指した境地、その挑戦に賞賛を送ったのだ。
審査員であるカズ・ワタナベは『クシナ』にこのような言葉を添えた。
「we decided to go with the film that we thought made the boldest choices, presented the freshest perspective, and made us the most excited for the future of Japanese cinema. this years winner took up the challenge to image a different world, with all the beauty, danger, and risk that entails. 」(授賞式の言葉より一部抜粋)

社会から隔絶され暮らしてきた親子を惑わす外界の存在。そして外界からやってきた人類学者を惑わす奇稲の存在。
まったく異なる文化的背景で暮らしてきた両者の関係を緊張感あふれる映像で描く。
新人・佐竹郁美が山奥に住む不思議な少女を好演。美と威厳を兼ね備えた村のリーダー・鬼熊に扮した小野みゆきの演技にも注目されるこの作品。

大阪アジアン映画祭2018ジャパンカッツアワード受賞映画『クシナ』
北米最大日本映画祭ジャパンカッツでの上映日は7月25日に決定!

本作は7月19日から29日にニューヨーク市で開催されるジャパンカッツに正式招待される。
上映日は7月25日(水)に決定した。
監督をつとめた速水萌巴、主演女優のひとり廣田朋菜、カメラマンの村松良も現地の観客のリアクションを体感するため舞台挨拶に向かうという。

速水萌巴監督のジャパンカッツ上映に向けてのコメント

『クシナ』の撮影は2016年の春にはじまりました。当時、わたしは脳裏に焼きついた記憶を頼りに、見たことのない世界をつくることへの不安を感じながら「どうしてここにカメラを置くのか」とスタッフと一緒に考えながら映画を立ち上げていきました。この映画が成立したのは日本に残された豊かな土地と勇気ある俳優、そして"可能性"を"可能"にする力を備えた最高のスタッフのおかげです。このまっすぐに歪んだ愛の物語、拒絶されようとも、巡りあう誰かの手にすくわれてきたおかげで息絶えることはありませんでした。ニューヨークでの上映の機会を与えてくださったジャパンカッツには心から感謝しています。

速水萌巴監督

速水萌巴
滋賀県に生まれる。立命館大学映像学部で映画を学んだのち、早稲田大学大学院に進学、その後フリーランスで活動の幅を広げる。
2018年、初長編映画『クシナ』が大阪アジアン映画祭でジャパンカッツアワードを受賞。同7月にニューヨークで開催されるジャパンカッツ映画祭に招待される。

主演女優のひとり廣田朋菜もNYへー

廣田朋菜

『クシナ / KUSHINA, what will you be』予告編

速水萌巴監督『クシナ / KUSHINA, what will you be』予告編

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[STORY]
女性だけが暮らす村に生きる3世代の親子を描いた人間ドラマ。
深い山奥に人知れず存在する村。そこは名前を変え世俗と決別した女たちで構成されている。彼女たちはそこで大麻を収穫し、食事をとり、床につくというミニマルな生活を送っている。ここで暮らす鹿宮(カグウ)は28歳で、母親で村長の鬼熊(オニクマ)と、14歳の娘・奇稲(クシナ)と共に暮らしている。ある日、人類学者の蒼子と助手の恵太が村へやってくる。これまで助けを求めて訪ねてきた女たちを村へ迎え入れてきた鬼熊は山を下る準備が整うまで蒼子と男である恵太の滞在も特別に許すが…。

カラー | 70分 | ステレオ | アメリカンビスタ | 2018年
出演: 小野みゆき | 廣田朋菜 | 稲本弥生 | 佐竹郁美
原案・監督・脚本・衣装・美術・編集:速水萌巴
撮影:村松良|照明:平野礼|整音:大関奈緒