世界各地の映画祭で高評価を得た平柳敦子監督長編デビュー作『オー・ルーシー!』が待望の公開!

きたる4月28日に公開される『オー・ルーシー!』は、2014年の第67回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門(学生映画対象)で上映され、日本人初の第2席を獲得した平柳敦子監督の21分間の同名短編映画(桃井かおり主演)を長編として再映画化した快作ドラマだ。

(c) Oh Lucy,LLC

何事にも満たされない日々を過ごす43歳の独身OL・節子(寺島しのぶ)は、ひょんなことから姪の美花が行くはずだった英会話学校に通うことに。そこで出会ったアメリカ人講師ジョン(ジョシュ・ハートネット)に恋心を抱いた節子は、美花を伴って突然帰国してしまった彼を追ってロサンジェルスに飛ぶのだが……。

寺島しのぶ  Photo by Yoko KIKKA

ジョシュ・ハートネット  Photo by Yoko KIKKA

平柳敦子監督  Photo by Yoko KIKKA

節子が東京とLAで巻き起こす騒動&珍道中を時に赤裸々に時にユーモアたっぷりに描き出した『オー・ルーシー!』は、2017年の第70回カンヌ国際映画祭の“批評家週間”部門でワールドプレミアされ、その後も数々の国際映画祭で話題を集めた日米合作映画で、共演は南果歩(節子の姉)、忽那汐里(美花)、役所広司(同じ英会話学校の生徒)ら。

『オー・ルーシー!』ワールドプレミアの舞台挨拶
Photo by Yoko KIKKA

2017年5月22日(現地時間)に行われたワールドプレミアでは平柳敦子監督、寺島しのぶ、ジョシュ・ハートネットの3人が登壇して舞台挨拶。平柳監督は緊張の面持ちで関係者に謝意を伝え、フランス人の夫を持つ寺島しのぶは、「ボンジュール!」と明るく口火を切り、その後も全てフランス語で舞台挨拶。しんがりのジョシュ・ハートネットは、はにかみつつも作品をしっかりとアピールした。

ワールドプレミアの翌日、プライベートビーチでジャンケット取材に応じた平栁監督  Photo by Yoko KIKKA

翌5月23日、ジャンケット取材に応じた平柳敦子監督は、そもそも『オー・ルーシー!』のアイディアは、長編として構想していたモノで、諸事情により一旦は短編として撮ることにし、今回の長編化に際して新たな物語を書き加えて膨らませ、再構築していったのだと明かし、新人監督作品とは思えない超豪華なキャストをNHKのサポートで起用できた経緯、撮影時期と期間、演出、拘った衣装や美術について等々を真摯に語ってくれた。
(Text by Yoko KIKKA)

〈平柳敦子監督プロフィール〉
長野県生まれ、千葉県育ち。高校2年生の時に渡米し、ロサンジェルスの高校を卒業後、サンフランシスコ州立大学にて演劇の学位を取得。2009年、シンガポールのキャセイ財団の奨学金を受け、ニューヨーク大学大学院映画学科(NYU Tisch School of the Arts)に入学。13年、映画制作の修士号を習得。同大学院2年目に制作した短編映画「もう一回」がショート・ショート・フィルム・フェスティバル&ASIA 2012グランプリ、ジャパン部門優秀賞、ジャパン部門オーディエンスアワードをはじめ高く評価されたのに続き、桃井かおりを主演に迎えた修了作品の短編「Oh Lucy!」(14年)もカンヌ国際映画祭シネフォンダシオン(学生映画部門)第2位、トロント国際映画祭などをはじめ各国で35を超える賞を受賞。「Oh Lucy!」の長編バージョンである本作『オー・ルーシー!』は16年、脚本の段階でサンダンス・インスティテュート/NHK賞を受賞、同賞のサポートを受けて制作された。プライベートでは2児の母で極真空手黒帯初段の保持者。

吉家 容子(きっか・ようこ)
映画ジャーナリスト。雑誌編集を経てフリーに。
シネフィルでは「フォトギャラリー」と気になるシネマトピックをお届け!

『オー・ルーシー!』予告

世界で公開!寺島しのぶ主演『オー・ルーシー!』予告

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■監督・脚本:平栁敦子
■出演:寺島しのぶ、南果歩、忽那汐里、役所広司、ジョシュ・ハートネット
■エグゼクティブ・プロデューサー:ウィル・フェレル アダム・マッケイ
■プロデューサー:ハン・ウェスト 木藤幸江 ジェシカ・エルバーム 平栁敦子
■共同脚本:ボリス・フルーミン
■配給:ファントム・フィルム (日本・アメリカ合作/カラー/ビスタ/95 分)
(c) Oh Lucy,LLC

4月28日(土)ユーロスペース、テアトル新宿他にて公開!