どうしようもない欲望と孤独を持て余し、生きることにもがく若者たちの姿を鮮烈に描く岡崎京子の伝説のコミック「リバーズ・エッジ」がついに映画化!監督を務めるのは『世界の中心で、愛を叫ぶ』『ナラタージュ』など恋愛映画の大作を手掛ける傍ら、『GO』など若者たちのゆらぎを浮き彫りにする問題作も数多く生み出してきた行定勲監督。
出演は二階堂ふみ、吉沢亮のほか、森川葵、上杉柊平、SUMIREら華やかな実力派若手キャストが集結。さらに主題歌は、かねてより岡崎京子と親交があり、その固い絆で知られる小沢健二が書き下ろした。

第68回ベルリン国際映画祭パノラマ部門オープニング作品として、現地時間の2月15日に上映されたばかり本作。レッドカーペットを華やかに飾った二階堂ふみと吉沢亮、行定勲監督が昨日帰国。

本日、TOHOシネマズ新宿にて、森川葵や上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨も加わった7名が登壇する豪華舞台挨拶を行った。

【日時】2月18日(日)14:35 舞台挨拶開始 ※12:20開映の本編上映後
【場所】TOHOシネマズ新宿 スクリーン9 (新宿区歌舞伎町1-19-1新宿東宝ビル3階)
【登壇者】
二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨    
行定勲監督

最初にベルリン国際映画祭のレッドカーペットを歩いた感想を聞かれた吉沢は、「映画祭というもの自体が(海外も国内も)初めてだったので、敷居の高い感じかなと思っていたら、お祭りというか。映画好きの方が集まる場はなかなか無いから、本当に面白かったです」と振り返る。二階堂も「緊張しました。この映画でベルリン国際映画祭に行くことが出来て、本当に幸せだなと感じながら歩かせていただきました」と満面の笑顔。本作で5度目のベルリン国際映画祭となる行定監督は「(3回の上映とも)即日完売で、満席で、熱気がありましたね。どの国もティーンを描く映画はエッジが丸い、優しい、分かりやすい映画になっているんですよね。でもこの映画はそうじゃないというところが、ものすごく刺さっているんです。この映画を選んでくれたベルリンは勇気がある。感激しました!」と語った。

 さらに、同性愛者という難役にチャレンジした吉沢は、「原作もそうなんですけど、(役の)山田自身が発している情報量が凄く少なくて、その余白をどう自分で埋めるのかということを、撮影中ずっと悩んで、結果分からないまま終わった感じです(苦笑)。ただ、これだけ悩める役に出会えるというのは、役者としてとても幸せなことだなと感じました。今後の役者人生の中で凄い重要な役だったなと思います」と役作りの苦労を振り返った。

 16歳の時に原作と出会って、映画化を切望していた二階堂は、「(夢は)叶うものなんだな、と。この7年の間に出会うことが出来た行定監督、キャストの方々、主題歌を書いてくださった小沢(健二)さん、そして劇場で(観客の皆さんと)映画を通して出会うことが出来たので、私にとって思い入れのある大切な作品になりました」と熱く語った。

 最後に、サプライズで、主題歌を担当した小沢健二からの手紙が届き、「ふみさんが『リバーズ・エッジ』の映画化にかけた熱量は、小宇宙を創れるくらいのものです!」と司会者が代読すると、二階堂は「感無量です!(監督やキャストの)それぞれの気持ちをぶつけた作品なので、こうやってお披露目出来て嬉しいです。」と涙をにじませた。※小沢健二さんからの手紙全文は最後に付けてあります。

 行定監督も「僕も感無量です。映画が作られること、完成することは奇跡的なことだといつも思っています。本当に完成するのだろうかと思うんです。(原作の)『リバーズ・エッジ』に興味が無いわけはない。でも心の中では、偉大なる漫画家の岡崎京子が描いた最高傑作を映画化するなんて、おこがましいという気持ちもありました。二階堂に『自分がハルナを演るにはもう時間がない』と言われ、僕らおじさんたちが心に火を付けられ、若い後輩に挑戦状をもらったようなものでした。たくさんの人達の力を借りて完成し、小沢さんが加わり、ベルリンが僕等の映画を呼んでくれる奇跡が起こり、今日、(観客の)皆さんに届いてはじめて帰結するんです。この思いがひとりでも多くの人に広がっていけばいいな、という思いでいます」と締め括った。

【小沢健二さんからの手紙】
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もうずっと前の冬の夜

もうずっと前の冬の夜、岡崎京子さんの家に行くために東京の路上で二階堂ふみさんを待っていると、真っ暗な中に、ふみさんが一人で現れました。療養中の京子さんに負担をかけないために、一人でいらしたのだと思います。ふみさんとぼくは暗い坂を登って、京子さんの家に入りました。

ふみさんが『リバーズ・エッジ』の映画化にかけた熱量は、小宇宙を創れるくらいのものです。それをふみさんは静かにたたえて、京子さんに話をしていました。そこから流れ出した水がこうやって、映画となってみなさんに届きました。

ラッシュを見た時は、ふみさんの顔が京子さんそっくりに見える場面があり、驚きました。あれはなんなのだろうと、今も思っています。吉沢亮くんのあの横顔から川を鳥が飛んでいくシーンは、記憶して、再生して、何度も考えて、音にしていきました。ぼくにとってのヒントは、ふみさんの肩でした。

そうやってできた主題歌『アルペジオ』に声を入れるスタジオでは、ふみさんは言葉の感情を音楽にして、逆に亮くんはすっきりとリズムに凜々しく、録音していました。

ぼくは『アルペジオ』については、「若い人にどう聞こえるか」とか「若い人がどうのこうの」は一切考えませんでした。そういうのは、漫画を描いていた頃の京子さんや、その頃のぼくは嫌いだったし、今も嫌いです。当然。笑

世田谷の小さな空間から流れ出した水が、大きな川になって、流れています。

本当に大きなものって、実は結構個人的で、小さくて、かっこ悪くて、理屈が合わなくて、それでも自然に体が動いてできるのではないかと思います。自然に体が動く方向へ、思い切って飛んで、がんばって。

本当に良かったです、『リバーズ・エッジ』。

ー小沢健二

小沢健二主題歌入り『リバーズ・エッジ』予告

衝撃の青春映画『リバーズ・エッジ』小沢健二主題歌入り予告

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【Story】「若草さん、今晩ヒマ? 僕の秘密の宝物、教えてあげる」。
若草ハルナ(二階堂ふみ)は、彼氏の観音崎(上杉柊平)がいじめる山田(吉沢亮)を助けたことをきっかけに、夜の河原へ誘われ、放置された<死体>を目にする。「これを見ると勇気が出るんだ」と言う山田に絶句するハルナ。さらに、宝物として死体を共有しているという後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)が現れ、3人は友情とは違う歪んだ絆で結ばれていく。
ゲイであることを隠し街では売春をする山田、そんな山田に過激な愛情を募らせるカンナ(森川葵)、暴力の衝動を押さえられない観音崎、大量の食糧を口にしては吐くこずえ、観音崎と体の関係を重ねるハルナの友人ルミ(土居志央梨)。閉ざされた学校の淀んだ日常の中で、それぞれが爆発寸前の何かを膨らませていた。そんなある日、ハルナは新しい死体を見つけたと報せを山田から受ける・・・。

出演:二階堂ふみ 吉沢亮  上杉柊平 SUMIRE 土居志央梨  森川葵
監督:行定勲  脚本:瀬戸山 美咲  原作:岡崎京子「リバーズ・エッジ」(宝島社)
主題歌:『アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)』 小沢健二(ユニバーサル ミュージック)/作詞・作曲:小沢健二
© 2018「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社  

TOHOシネマズ新宿他全国ロードショー中!