2018年のサンダンス映画祭。
ドキュメンタリーでは華やかなNYを回顧するあの伝説のディスコ『STUDIO 54』のドキュメンタリーが初上映されることがわかりました。
監督はフランスの建築家ジャン・ヌーベルの短編ドキュメンタリーやファッション・デザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァーニの長編ドキュメンタリー『Valentino: The Last Emperor』などを製作したMatt Tyrnauer。
そして、この伝説を生み出した経営者が、新しいコンセプトでナイトクラブを再び仕掛けたことも今、NYで話題になっています。

「STUDIO 54」はその名も『54』というタイトルで1998年にリチャード・N・グラッドスタイン監督が青春映画として劇映画化されたりもしているほどの伝説となっていますが、今回のドキュメンタリー映画はその時代の店と二人の経営者にフォーカスし、70年代のそこで起こったことを記録したある意味での歴史ドキュメンタリーとなります。

伝説のイアン・シュレッガーの過去と今

このドキュメンタリー映画の伝説の経営者について説明します。
「STUDIO 54」は1977年にオープンしたディスコ。
中でもアンディ・ウォーホルが連日のように頻繁に通っていたことでも知られています。
当時は、ウォーホル曰く「パーティの時代」。
パリ、ロンドン、ニューヨークなどの華やかなパーティに連日、自家用飛行機で通うジェット・セッターなる人種も生まれた時代です。

この店には日夜、著名人、スター、大金持ちが訪れ、著名人ではエリザベス・テイラー、マイケル・ジャクソン、エルトン・ジョン、ミック・ジャガー、ビアンカ・ジャガー、デヴィッド・ボウイ、ジョルジュ・アルマーニ、カルバン・クライン、イヴ・サンローラン、トム・フォード、マーク・ジェイコブス、トールマン・カポーティ、スティーブン・タイラー、ジョン・トラボルタ、アーノルド・シュワルツネッガー、グレース・ジョーンズ、そしてドナルド・トランプまで通っていたという。

そして、このお店を経営していたのがイアン・シュレーガー(Ian Schrager)とスティーブ・ ルベル(Steve Rubell)という2人でした。
(パートナーのスティーブ・ルベルは45歳という若さで1989年エイズで亡くなる。)

しかし、そんな隆盛を極めたこのお店も1980年に脱税などでイアン・シュレーガーに3年半の懲役が確定し、投獄され、1981年1月に釈放されたものの売却することとなります。
そして、新たに磯崎新が設計、キース・へリング、ジャン・ミッシェル・バスキア、ケニー・シャーフなど当時NYで出てきたストリートカルチャーのアーティストを起用し”ミックス・カルチャー”をコンセプトにしたナイトクラブ『ザ・パラディアム』を再び成功させます。

同時に、彼らは”ホテルの時代”と考えニューヨークに1984年アンドレ・プットマンにデザインを依頼し、ブティックホテル・デザインホテルの草分けとなる「モーガンズ」をオープン。
その後、フランス人デザイナーのフィリップ・スタルクをメインにして続々と「ロイヤルトン」「パラマウント」「ハドソン」など話題のホテルを手がけていき、この手法でNYのみならず、全米、世界にも展開。

そして2005年、自ら立ち上げたこれらの「Morgans Hotel Group」を売却し、新たに「Ian Schrager Company」を設立して、セレブ御用達のレジデンスなどのプロデュースなども手掛けると同時に、ジュリアン・シュナーベル(画家であると同時に映画監督でもご存知の--)に依頼し新プロジェクトとして歴史ある「グラマシー・パークホテル」を再生させ、またしても本領を発揮し成功を収める(のちに売却)。
現在は「マリオット」と共同で立ち上げた「エディション」ブランドのホテルを全世界に展開中で世界有数のホテルプロデューサーとして君臨しています。
(2020年には森トラストと組んで虎ノ門と銀座に日本で初めて「エディション」ブランドホテルの開業も決定しています。)
そんなイアン・シュレーガーがお膝元NYに、新たに2017年にオープンさせたのがホテル「PUBLIC」です。

この新ホテルの一つの目玉になるのが、ニューヨークの仕掛け人Matt KliegmanとCarlos Quiarteと組んでこのホテルの地下にオープンさせるパフォーマンススペース&バーが「PUBLIC ARTS」。
ここではナイトクラブの新しいコンセプトを「夜のルネッサンス」と名付け、ライブハウス、ナイトクラブでの活用はもとより映画の上映やパフォーマンスなどあらゆるイベントも開催できるスペースとして作られており発信していくというものです。

イアン・シュレーガー自身が、メディアに対してナイトクラブは若者のビジネスと言いながらも「彼らは私とスティーブを思い出させる」と言わせた二人とのコラボによって生まれたものですが、今回彼が仕掛けをしている時点で、NYの夜遊び空間の新たなエポックとなり得る可能性を秘めているのではないでしょうか?

華やかな夜を作り続けてきた彼の過去と今ー。
そして、再び”夜遊び”からカルチャーが生まれていくのか?
2018年は楽しみな展開になってきました。

下記の動画は、PUBLICホテルでのパーティの様子ですー

Mert and Marcus New York Fashion Week party at Public Hotels 2017

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