フランスを代表する2大女優『シェルブールの雨傘』『8人の女たち』のカトリーヌ・ドヌーヴと、『大統領の料理人』のカトリーヌ・フロが初共演にして、息の合った“母・娘の掛け合い”で観る者を楽しませてくれる映画『ルージュの手紙』が12月9日、シネスイッチ銀座ほか全国公開となります。

© CURIOSA FILMS – VERSUS PRODUCTION – France 3 CINEMA © photo Michael Crotto

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猫のように自由に生きる、血のつながらない母と、ド真面目な娘による、可笑しくてほろ苦いバディムービー!
30年ぶりに再会した母が、女の人生の歓びを、教えてくれる―。

もしも何もかもが正反対の相手が突然現れて、自分を予想外の未来へと導いてくれるとしたら―?セーヌ川が流れるパリ郊外で、助産師として堅実に働くクレール(カトリーヌ・フロ)のもとに、30年前に突如姿を消した血のつながらない母ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)から「会いたい」
と1本の電話が入る。ベアトリスは堅実なクレールとは真逆の生き方をしてきた女性。自由が好きで、お酒が好きで、ギャンブルも好き。クレールは、父親を置いて去った身勝手な彼女に苛立ちながらも、全てを失って戻ってきたベアトリスの事を放ってはおけなかった。いつしかクレールは、ベアトリスの生き方に影響され、人生の扉を少しずつ開きはじめる。

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映画界に咲き誇る大輪の花カトリーヌ・ドヌーヴ
貴重なオフィシャルインタビューが到着!

来日したカトリーヌ・ドヌーヴ

フランス映画祭の団長として来日されましたが、フランス映画の魅力や特色

今回のフランス映画祭のセレクションを見ていただいても分かるように、ジャンルも描かれている人物も幅広いですし、また監督も多様で、今回2人の女性監督の作品もあるし、とにかく多種多様でオリジナル性があるところが魅力だと思います。今回のセレクションにもその部分が上手く反映されていると思います。

ベアトリスという女性に憧れる部分はありますか?

ぜんぜん憧れはないです笑。ベアトリスにはすごく愛着はありますけれど、結果を考えずにとにかく今を生きているという人なので、すごくエゴイストなんだけどなんかこう憎めない、そういう所がいいと思いますし、彼女の生き方というのは昨日は昨日、今日は今日といった感じでほんとにどうなるかわからない枝に止まっている鳥のようにその日を生きている感じで特に憧れるとかはないです。今回ベアトリスのセリフでシナリオを読んだとき私が非常に笑ってしまったのが、子供について話している時に彼女は強がっているのかもしれないのだけれども、「子供は欲しいと思ったことも無かったし、子供がいなければ自分の面倒だけみればいいので便利だし、でも年取ったら子供がいたら便利なこともあったかもしれないね」あのセリフは非常に面白かったです。

本作で自由奔放に生きるベアトリスを演じるにあたって、彼女にどんな思いを込めて、演じられましたか?

ベアトリスは非常にエネルギーがある役柄で、彼女が好奇心旺盛でなんでもやってみるというところで、人生をとことん生きており、過去の愛してきた男性とか賭博とかタバコとかアルコールとか食欲とかとにかくあらゆることに全力でエネルギーを使うのでやっぱり私自身もエネルギーが必要な役柄だなと思いました。彼女はストーリーの中では余命が限られてきてしまったということが分かるのですけれど、今まで通りの生き方を貫いて一切後退しない、落ち込むということなしにどんどん進んでいく凄くエネルギッシュな役柄です。

カトリーヌ・フロとW主演という形でストーリーは展開していきますが、彼女との共演はどうでした?

今回だけに限らないけれども、映画を作るとなると撮影だったりリハーサルだったり、結構一緒に過ごすことになり近くなります。今回一緒に過ごしてみて、彼女は内に秘めたものを持っていて、役柄に集中していますので、現場では役柄に集中していましたね。

カトリーヌ・フロ演じる助産婦のクレールは生を生むという存在で、ベアトリスはこれから死に向かっていくかもしれないという女性です。生と死を描いた作品でもあると思うのですが、どうでしょうか?

シナリオでは対照的な女性が描かれていてそこが魅力でした。

ベアトリスは自らの死を感じて娘に会いに行くという行動をしますが、もしドヌーヴさんが同じ状況になったらどうしますか?

彼女の立場になることはないと思いますが、ベアトリスは自分にとって何が大切かとかそういうことで行動しているわけではなくて、映画の中ではエゴで自己中心的な人で、ただ自分の余命が少ないと知り一人でいるのが怖い、誰かに頼りたいというエゴからああやって突発的に連絡をとってきたということ。ベアトリスはその日その日を生きていて後ろを振り返ることもない人間なので。

ベアトリスとクレールが出会ったことでそれぞれが贈り物を貰ったような気がします。

その通りで、お互いに出会えたことによってそれぞれが気づくことができなかったことに気づくということはあります。

脚本のどこに惹かれたか?また映画が完成して観た上で脚本を読んだ時の印象と違っていましたか?

シナリオを読んでやっぱり一番魅力を感じたのは描かれている人物たちで、映画が完成して観ても、シナリオで読んだときに想像していた人物達がきちんと映画の中でも描かれていた。描かれている人物が非常に面白いというのが一番気に入ったところです。登場人物が人間的だしセンチメンタルな部分があるし、すごくイキイキとした人物たちで、もちろん撮影されてからどういう編集になるのかはわからないけれども、実際仕上がったものを観てみたら、自分がシナリオを読んでこの人物のこういう所が好きっていうのがそのまま描かれていた。

そういったことは今まで出演されてきた作品でもそうだったのでしょうか?それとも違うことの方が多いのでしょうか?

シナリオ通りに映画が完成するのは毎回ではありません。でも今回の作品についてはほんとうにシナリオを読んで想像していた通りの作品に描かれていました。でも時々素敵なサプライズがあって、シナリオで描かれていた時よりも良くなったなって思うこともあります。大抵はそうではないけれども。なかには撮影中どうなってしまうんだろうという作品もあって仕上がって観たら良かったという作品もあります。例えばトリュフォーの『終電車』、あれなんかも撮影現場は大変だったけれども仕上がったらすごく良かったです。

これまでのキャリアの中でどのように作品の選んでいるのでしょうか?

シナリオが気に入るというのももちろんですけども、監督に魅力があるかというのも大きなポイント。今自分がやっている選択は25歳の時にはやっていなかったと思うし、その時の自分が共感できるシナリオだったり監督だったり、そういう人たちと仕事をしてきたので、作品を選ぶ時に、一貫性があるというよりは、その時その時に自分が共感するものを選んできました。

出演を決める条件はなんですか?

シナリオが面白いか、自分が演じる人物だけではなくその周りの人物も面白く描かれているかが決め手になります。

プロヴォ監督の作品はご覧になっていたのですか?

『セラフィーヌの庭』は観ました。とても気に入りました。

いつも気鋭の監督たちと仕事をしていますが、自分からアプローチするのか?

一概には言えませんが、作品を観て会ってみたいなと思うこともあれば、偶然の重なりで出会ってご縁が出来たということもあります

ポスターにある唇はカトリーヌさんのものですか?

これは違いますが、映画の中の手紙に出てくるものは私のものです。

『ルージュの手紙』ポスター

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俳優の面白さや喜びを教えてほしい

トリフォーの言葉を引用すれば「喜びであると同時に苦しみである」ということだと思います。
想像上の人物に命を吹き込むことは非常に面白いことだと思います。自分の人生で経験しないようなことを役柄で経験できたりする。自分でない誰かを演じることは非常に面白いことだと思います。

ご両親も俳優ですが、何か教わったこととかは?

大家族で私は4人姉妹でした。親は親、子供は子供で世界が独立していたので、特にそういった面で教えてもらったということはないです。

経験を重ねた上で、今の俳優という仕事への向き合い方とかを学んで行ったのですか?

自分のキャリアの中では、ジャック・ドゥミとの出会いが考え方に影響している。彼は普遍的な独自の世界観を持った監督だと思います。

何歳まで女優をするとか決めているのでしょうか?

特に決めていなくて、面白いシネリオがあって縁があればずっとやりつづけていきたい

仕事していないときは何をしているのですか?

撮影中にできないことをやりたいので、オフの時には友達に会うこともあれば映画館に足を運び映画を観ることもありますし、多くの役者がそうであると思いますが、撮影じゃなくても映画のために何かをやっていることもあります。

カトリーヌ・ドヌーヴとカトリーヌ・フロが初共演『ルージュの手紙』予告

カトリーヌ・ドヌーヴとカトリーヌ・フロが初共演『ルージュの手紙』予告

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STORY

 セーヌ川流れるパリ郊外に暮らすクレール(カトリーヌ・フロ)の元に、何の痕跡もなく30年間姿を消していた血のつながらない母、ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)から電話があり、「会いたい!」と言われる。クレールは今でも、大事な父を捨てた彼女のことは許せなかった。
父はその後、自殺をしてしまったのだ。真面目すぎるクレールと自由で人生を謳歌しているベアトリス。性格が全く違う二人だが、互いを受け入れ、ベアトリスの古い秘密が明らかになることによって失われた年月が埋まっていく。いつしかクレールは、ベアトリスの生き方に影響され人生の扉を少しずつ開きはじめるー。

【監督・脚本】マルタン・プロヴォ『ヴァイオレット-ある作家の肖像-』『セラフィーヌの庭』
【出演】カトリーヌ・ドヌーヴ『8人の女たち』『シェルブールの雨傘』/カトリーヌ・フロ『大統領の料理人』、オリヴィエ・グルメ『少年と自転車』
2017/フランス/フランス語/カラー/ビスタ/117分/日本語字幕:古田由紀子 <G> 
配給:キノフィルムズ
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12月9日、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!