復帰直後のいしだ壱成を起用した『新・罪と罰』や、川村陽介・高橋メアリージュンが出演した『竜馬が生きる/竜馬を殺す』など、鋭いテーマ性とコメディ色豊かな語り口で、現在注目を浴び続けている劇団 PU-PU-JUICE が、 満を持して「ジャーナリズム」を取り上げた問題作&意欲作を最高の座組でお届けする、 舞台『フェイクニュース』が 2017 年 11 月 16 日(木)~11 月 26 日(日)、 恵比寿エコー劇場にて公演する事になりました。

主役には、映画「おみおくり」や「ばあちゃんロード」(主演:田中夏海役)など、話題作の公開が次々に控えている若手注目株の女優・文音。
初舞台を踏んだ劇団 PU-PU-JUICE で三度目にして主演飾ります。

映画『女子高』『サムラ゗ダッシュ』『ガキ☆ロック』等、演劇界のみならず、映像界でも注目の山本浩貴が脚本・演出。
本作を作るために、あらゆる時代のジャーナリズムとフェイ゗クニュースの歴史に関して半年以上に渡る下調べを敢行。
テレビ、週刊誌、イ゗ンタ ーネットなど、情報の氾濫する現代を、ユニークかつ本質的に描きます。

今回、そんな山本浩貴監督から、「映画と演劇」について特別寄稿をいただきました。

特別寄稿「映画と演劇」

この2つの一番の違いはなにか?といえば、
演劇は生で見るコンテンツであり、映画は録画されたコンテンツで
あるというのが一番の違いかもしれません。

演劇は、ライブなので公演期間が終われば跡形も無く消えてなってしまいます。
もちろん映像で録画はできますが、ライブの臨場感は舞台のその場にいなくては伝わらない。
1ヶ月公演しているとしても、その時の観客や空気感によって
役者さんのお芝居が変わるため、同じ芝居を見る事は絶対にできません。
呼吸や眼の色は、同じ作品でも日によってどんどん変わっていく。
観客がひとり公演中にトイレにいくだけでも、劇場の空気は変わります。
常に目の前に見てもらう観客がいて同じ空気を感じている。
それが演劇の楽しみでもあります。
舞台が終わると、充実感とともに喪失感を覚えるのは、
公演が終わった瞬間、その舞台は消えてなくなってしまうからです。
砂で作った城のように跡形も無く消えていく。公演される時間と場所は限定され、特定の人しか見る事ができません。そのかわり役者と一緒にその時間を過ごし、目の前で役者の躍動を感じる事ができる。

一方、映画は録画され、1回のお芝居が何度も映画館で上映され、
世界中に広がっていく。データが残っているかぎり時間をこえて楽しむ事ができます。目の前で見れる臨場感は味わえませんが、何十年も前の役者の輝く姿を見る事ができる。時間と場所を超えて影響を与える事ができるのは凄い事だと思います。ロシアに行った時、小さいホテルのロビーで、日本の女優さんが出ているハリウッド映画がやっていて、それをホテルのガードマンが食い入るように見ている。それを見て映画の影響力に驚きました。
日本の女優さんの芝居が、ロシアの町外れのホテルのガードマンにまで届く。
1本の映画が、何百万人に見てもらえる可能性があるのです。

では役者さんの芝居はどう変わるのでしょうか。
演劇は舞台で毎日同じ芝居をしなくてはいけません。毎日、異なる観客の前で
同じ作品の芝居をみてもらう。
1ヶ月公演であれば、役者さんは1ヶ月毎日体調を整え、最高の状態を保っていなくてはいけません。昨日良かったからといっても、今日いい芝居ができるとは限らない。公演が終わるまで、常に最高の芝居をするための準備をする。
声がかれてもいけないし、病気にもなれない。
台詞も間違えることはできないし、2時間ばかりの間、芝居を止める事はできない。そして重要なのは、毎日新鮮な気持ちで同じ台詞を言えるかどうか?
ということです。芝居に慣れるのではなく、毎日初めて台詞を言ったときのように言わなくてはいけない。
同じ台詞でも、同じ芝居はできないのです。

一方、映画はたった一度の芝居で作品は完成します。
一度だけ最高の芝居ができればそれをカメラがとらえて、永久に保存してくれる。繰り返す必要がありません。
次の日に声がかれても、撮影が終わっていればかまわない。
一度だけ最高の感情を持ってくればいい。
そのため、1回に全てをかける事ができます。
役者さんには色々なタイプがあり、1回しか芝居をしたくない人と
同じシーンを繰り返す事が楽しいという人もいます。
そして両方が好きだという人も。
映像でも、ポールニューマンのようにリハーサルを最低2週間やりたいという役者さんもいますし、ロバートレッドフォードのように、何度も同じ芝居をしたくないという役者もいる。
そこが、芝居の面白い所でもあります。

最後に<映画と演劇>の共通点はなにかと考えてみると、
それは『空気感』かもしれません。
演劇では舞台上の空気、映画では現場で芝居している空気が重要となります。
舞台では目の前に観客がいるので、当然舞台上の空気感は伝わる。
舞台の上に見る価値があるだけの空気感がなければそれは観客にとってつまらない作品になってしまう。
映画はライブではありませんが、撮影現場の空気が作品に影響する。
役者が芝居をしている時、カメラマンや照明のスタッフが、コメディーであれば笑いを必死でこらえていたり、ドラマであれば涙を流しながら必死に仕事をしている。そんな現場の空気感はカメラを通じても観客に伝わるものだと思います。その空気感を作るのが、演出家や監督の仕事の重要な一部だろうと思います。

<映画と演劇>それは、似ているようでまったく違う芸術であり、
まったく違うようで、根本は同じ芸術なのかもしれません。
どちらも役者が脚本の物語に命を注ぎ、観客になにかを届ける。
どちらも魅力的なコンテンツです。「映画と演劇どっちがやりたいの?」と聞かれることがありますが、僕にとってその2つは1つのものだと考えていて、
分けて考えることはしません。本質は同じだと思っているからです。
これからも、2つの表現方法で物語を作っていきたいと考えています。

                               ー山本浩貴

++劇団 PU-PU-JUICE 新作公演「フェイ゗クニュース」++

現代における「情報」の本質を浮き彫りにする、PU-PU-JUICE 最大のコメディ意欲作!

ストーリー
泉川真琴は、金の為ならどんな記事でも書く『ゲスの女王!』と呼ばれるジャーナリスト。
仁義なし、男なし、プライ゗ドなしの真琴が、あるスクープをつかむ。
その内容は、将来の首相候補と呼ばれる高杉信太郎代議士が、 今、注目度ナンバーワンの若手女優、前園ユカと都内高級ホテルで密会していたという情報だった。
この情報は本当なのか?それとも嘘なのか?
真琴は記事を発表する事を決意するのだが、その夜、不思議な事件が起こるのだった... はたして『ゲスの女王』に起きた事件とはなんなのか?!
劇団 PU-PU-JUICE(プープージュース)が『フェイクニュース』をテーマに大暴れする新作コメディ!!

チケット情報
前売り,当日共に \4,800(全席指定 税込)

チケットぴあ
予約受付電話番号 0570-02-9999
P コード 481-815

キャスト
文音/ 山下徹大/ 伊藤高史/ IKKAN/ 緑川静香/ 田中シェン/ 林彬/ 長濱元希/ 宮澤竹美/ 磯野弘明/ 岩田和幸 山本浩貴/ 長島慎治/ 西山咲子/ 久米伸明/ 中野マサアキ/ 松原功/ 谷遼

作・演出 山本浩貴
演出助手 江田ヤマト
舞台監督 森脇洋平
舞台美術 小林奈月
照明 仲光和樹(E-FLAT)
音響 左右田利雄(有限会社パンデーロ)
音楽 AJIGUL
尺八 辻本好美
ピアノ 砂川彩乃
スタイリスト 松本人美(NMT inb.)
ヘアメイク 須見有樹子
ヘアメイクアシスタント 矢代季美重
舞台監督 森脇洋平
フォトグラファー 浅香善一
舞台美術 小林奈月
キャスティング 伊藤尚哉
宣伝 猿谷由希子
アートディレクター 藤井圭(FGK Graphic)

企画製作 オフィスレン/ PU-PU-JUICE
制作 NanaProduce

協力:株式会社エイ゗ジアプロモーション/ オフィス★怪人社/ 株式会社クラスター/ 株式会社グランドスラム/ 演劇ユニット ザレ×ゴト/ 株式会社サンミュージックプロダクション/ 外組/ テアトル・エコー/スタジオ・エコー / 株式会社トライアングル/ トライ゗ストーンアクティング・ラボ/ 中野笑店/ ボダパカ/ bunnyfilm/ Win2 (50 音順)

衣装協力 Patrick Cox/Selery/(セロリー株式会社)

同時上演!!『竜馬を殺す』

PU-PU-JUICE 屈指の名作『竜馬を殺す』が、キャストとセットを入れ替え同時上演。

竜馬没後 150 年の命日が迫る中、 幕末の表舞台を駆ける竜馬と、歴史の影に埋もれていった男・犬養の熱い生きざまを描きます。

キャスト:三浦健人、伊藤桃香、有馬健太、山口大地、瀬崎良太、岩田知幸、成松修、他
日程:11 月 17 日 14:00/ 18 日 18:00/ 19 日 13:00/ 20 日 19:00/ 21 日 14:00/ 22 日 19:00/ 23 日 13:00/ 24 日 14:00/ 25 日 18:00
チケット:¥4,800(全席指定) 作・演出:山本浩貴