インディー魂！実録コラム「映画が月なら、俺は太陽」③ひと脱ぎ系青春群像ムービー松本卓也監督『ミス ムーンライト』ができるまで--「撮影」編

初めて、この連載を読まれる方にまずは映画『ミス ムーンライト』 のご紹介をー

この作品はインデペンデント系の作品で、今年の２月にイオンシネマ新潟で１週間のロードショー予定で始まり、結果的には６週までロングランヒットしました。
現在は関東地方のイオンシネマを１館１館まわっております。

そして再び、2017年11月4日（土）から１週間限定でシネマート新宿にてアンコールレイトショーさらに11月11日（土）よりイオンシネマ 和歌山で公開される事になりました

●イントロダクション
３つの物語を軸に、全部で５章に分けた構成。
３点が１つの地点に交じり合った時、物語は加速する。
登場人物が撮影している映像だけを繋ぎ合わせたＰＯＶ（視点）ドラマ。
エンターテイメントが追及されつつも、あまり類を見ない意欲作だ。
撮影は、桜が咲く新しい季節が始まる春の新潟県で行われた。
オーディションで選ばれた若手女優を中心に総勢６０名を超す出演者が織り成す異色の青春群像劇。

★本作のウリ

①インデペンデント系作品ではありますが、雛形あきこさんや、勝俣州和さんにもご出演していただき、オリジナル脚本で大作映画には無い実験性と、エンターテイメント性を併せ持っている。

②他キャストは、若手女優を中心に、若手グラビアアイドル、アイドル、新潟の素人さん等…挑戦的なキャスティング。

③劇中に登場するアイドルグループは、映画の為に結成された架空のグループで、曲も映画の為に作ったオリジナル曲。

④先日行われた「Kisssh-Kissssssh映画祭」コンペティション長編部門で、グランプリを受賞！

⑤１度だけでなく２度３度と楽しんでもらえる様に仕掛けがある脚本なのでリピーターのお客様が多い。

それでは

【第三回：撮影】「映画が月なら、俺は太陽」
〜映画『ミスムーンライト』監督による短期集中連載〜

メラメラメララ…！
太陽のように熱い男、マツモトタイヨだぜ！
公開される新作長編『ミス ムーンライト』について今日も熱く語る。

※知らない人も多いと思うので、イグロヒデアキさんが良い事を語る予告を見てくれ！

第三回は撮影について語る！
今作の撮影は、2016年の4月に2週間、プラス6月に5日間の追加撮影を行った！
結果的には約20日間の撮影となった。
追加撮影は予算的にも厳しいものがあり、当初は関東近郊で撮る予定だったが、新発田（しばた）の協力者！阿部さんによる熱烈な勧めもあり再度、新潟撮影となった。
よってこの作品は９９％、新潟ロケ映画となった！
劇中、東京設定のシーンも何度か出てくるが全て新潟撮影だ。
※エンドロールにてアイドルが歌うライブハウスのシーンのみ東京撮影。
　
撮影中、俺たちの前に遮る大きな壁は３つあった。
壁はウォールと呼ぶ事にする。無駄に熱いから。
　
ウォールその１、極寒。
春休みがメイン舞台の映画だが、2016年の4月の新発田は寒すぎた。
薄着の撮影が多く、俺自身もコート無しで極寒の海に浸かるシーンがあったのだが、スタッフや出演者の手前、気張るしかねえ。
学校のプールの時間、必ず唇を真っ青にしている奴がいただろ？
アイツはまさしく俺だ。
日本海の風も攻め立てる！
しかし俺は太陽の申し子、マツモトタイヨだ。
平静を装って乗り切ってやったぜ。
水着で芝居する皆も役者魂で乗り切ってくれた！
流石だ。
　
ちなみにその海の撮影中、ラインプロデューサーのうめさんが、走って一斗缶たき火を運んできてくれたのだが…
あまりの暴風に皆から「むしろ危ないから消せ」と非難の声が集中した。
結果、すぐにたき火を消火するという珍事があった。
あの時、火を消す うめさん自身のテンションも消火されていく様を俺は見逃さなかった。
　

ウォールその２、特殊な撮影技法。
今作は「劇中の登場人物たちが撮影した映像のみで繋ぎ合わせた映画」というややこしい設定なのだが、映画を観たお客様にとってはシンプル、一目瞭然だと思う。
ややこしいのは撮影中の我々スタッフだ。
このカメラは誰が撮っている設定だ、このカメラはこちらにいたからここから撮らねばリアルじゃない等、普段の撮影とは違った気遣いも必要となる特殊な撮影現場だった。
拙作『サーチン・フォー・マイ・フューチャー』で一度使用した手法だったが、劇中カメラの台数が圧倒的に増えている。

近年のシネマ健康会の映画を支えている岩崎キャメラマンが、各登場人物に成り代わり撮影という演技をしているのも見所の一つだ！
女の子が撮っている映像は、全て一人のおっさんが撮ってるぞ！
という事で、実際はほぼ１台のカメラで撮影しているので、撮影時間がかかる。
こだわりでもあり、苦労した点だ。
それでもたまに本人たちが撮影した映像も混ぜているので、ごちゃ混ぜのリアリティを楽しんで欲しい。
俺が演じる元映像ディレクターが撮影した映像も出てくるが、それは俺が実際に撮影したものになる。
岩崎キャメラマンより下手なので、一発で分かるぜ！
リアリティを追求した演出の一環なので気にしないで欲しい。
撮影はテクじゃない！想いだろ！

ウォールその３、金が無え。
低予算映画ゆえに時間も機材も人も限られている。
３食は、大抵３００〜４００円の弁当だ。
宿も男女別で、雑魚寝の合宿体制。
　
だから、楽しい！！
時間も機材も人も足りないから、それを逆手に取った技法で工夫すれば良い！
たまに出るからこその温かい食事が身に染みる。
地元のおばちゃんが炊き出してくれた食事、ケータリング車のカレー、スタッフお手製のスープ、製作委員会シネフューチャーさんから差し入れ焼肉弁当など！
雑魚寝だからこその団結力。
急なミーティング、読み合わせだってすぐに対応！
その団結力が血となり骨となり肉となっている。

ちなみに自主製作映画の時より、金はある！
無いけど、あるんだ！
更にあったのは、新潟お笑い集団ナマラの後光。
ナマラの力添えあって低予算映画でも成立した。
ナマラ芸人と元ナマラ芸人、そしてナマラ繋がりの皆さん、新潟の皆さんありがとう！！
　

【次回予告：編集】
　
最後に灼熱コメントを。
実は…
雑魚寝の団体力とか言ったものの、宿には監督用の個室があった。
撮影中、脚本を練り直すために用意された集中する為の個室。
これが監督か…！
演技相談で尋ねてくる女優さんがいつ来るのかと期待したが、一人も来なかったよ！
週刊少年ジャンプを集中して読むにはうってつけの個室だったね…

マツモトタイヨ

●ストーリー
マキは地方に住む高校生で映像部に所属している。部の仲間たちと地元の観光ＰＲビデオを撮影したが、マキ自身平凡な仕上がりに納得していなかった。
ある日、マキは新たな企画案を思いつく。仲間と顧問の先生を強引に説得し、春休みの合宿で再度撮影を行う事となる。
マキの従妹でアイドル活動をしているミサコや、先生から紹介された元映像ディレクターの博和など、東京からの助っ人も加わり、合宿はスタートする。
しかし、ミサコと博和にはそれぞれ秘密があった。

出演：梅村結衣、梅村結衣、田中あさみ、浦野由衣、生澤芹夏、山崎佑奈、坂井華、金子みゆき、小林歩佳、かいり、
イグロヒデアキ、松本卓也、和泉美沙希、内田なつみ、後藤龍馬、
入山智花、新井花菜、小野桃花、溝畑幸希、坂元楓、
松本ゆん、三流亭楽々、中村博和、笠原賢人、青戸昭憲、ＨＡＮＡ&ＭＯＭＯ、葉月、潮田ひかる、茜さや、
照井健仁、江口歩、Ｐi 、海津ゆうこ、今井美穂、いけながあいみ、森恵美 落合萌、
雛形あきこ、勝俣州和　他

監督・脚本・編集：松本卓也

企画・制作／株式会社シネフューチャー、シネマ健康会、株式会社sommelierTV
制作協力／株式会社ジャパン・コンフィアンス、株式会社ARTDRIVE
機材協力／新潟照明技研株式会社、国際映像メディア専門学校
特別協力／月岡ニューホテル冠月、ホテルニューあけぼの
協力／新発田市フィルムコミッション協議会、エフエム新発田
宣伝・協力／ヤングチャンピオン
宣伝・配給／株式会社ベストプロデュース、株式会社sommelierTV
製作／ミスムーンライト製作委員会

©2017　ミスムーンライト製作委員会

◆2017年11月4日（土）～10日（金） シネマート新宿 レイトショー

※毎日イベント開催予定！

◆2017年11月11日（土）～24日（金） イオンシネマ 和歌山 ロードショー