世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが『シングルマン』(09)以来、7年ぶりに監督を務めた最新作『ノクターナル・アニマルズ』が11月3日(金・祝)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開致します。

(C)Universal Pictures

主演にエイミー・アダムス(『メッセージ』)、ジェイク・ギレンホール(『ナイトクローラー』)の実力派の2人を迎えた本作は、第73回ヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリ受賞をはじめ、脇を固める名優マイケル・シャノンが本年度アカデミー賞®で助演男優賞にノミネート、アーロン・テイラー=ジョンソンが第74回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞するなど、各国の映画祭で受賞を重ね、高い評価を受けています。

毎年出演作が次々と公開され、さらに幅広い役柄を演じ切る“最強カメレオン俳優”と名高いジェイク・ギレンホール。
その演技の幅から、新作『ノクターナル・アニマルズ』にかける思いまで、人気実力派俳優の魅力に迫ります!

弱冠36歳にして出演作品数39本!35賞を獲得!

1980年12月19日に、父親は映画監督のスティーヴン・ギレンホール、母親はプロデューサー兼脚本家のナオミ・フォナー、姉は女優のマギー・ギレンホールという生粋の芸能一家に生まれたジェイク。名門コロンビア大学に進学するも、俳優業に専念するため中退。12歳のときに『シティ・スリッカーズ』で映画デビューを果たしてからこれまでの出演作品は待機作を含め39本。

『ブロークバック・マウンテン』でのアカデミー賞®助演男優賞ノミネートを筆頭に、賞レースの常連俳優になった。
そして現時点で、91賞にノミネート、35賞を獲得するという快挙を成し遂げている。

(C)Universal Pictures

ジェイクが“最強カメレオン俳優”と呼ばれるワケ

それほどの評価を受け、日本の映画評論家の間でも「ジェイク映画にハズレなし!」とも言われるワケのひとつは、ジェイクの脚本を見定める力にある。12年の『エンド・オブ・ウォッチ』以来、製作にもクレジットに名を連ねることも増えたジェイクは、映画製作会社ナインストーリーズを設立、自身が主演した作品「Strongers(原題)」が完成し、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品を製作予定、と一俳優に留まらない活躍を見せている。

もちろん、俳優としての姿勢と演技力についても高い評価を得ており、多くの監督たちから “最強カメレオン俳優”ジェイクへの出演オファーが後を絶たない。
極力、登場人物に近づくための努力を惜しまないジェイク。『エンド・オブ・ウォッチ』(12)では警官役を体得するために、夜のパトロールカーに同乗し、その結果、殺人事件現場に居合わせる経験もある。『ナイトクローラー』(15)では、視聴率のためには手段を選ばない狂気の報道パパラッチを演じたジェイクは、2ヶ月間で12キロの減量に成功-存在感を増した不気味なギョロ目を披露。さらに夜起きて日中に眠る生活を徹底し、生活リズムを主人公と合わせることで役を近づけた。

そのわずか2ヶ月後には、再起をかけるボクシング元世界チャンピオンと家族の絆を描いた『サウスポー』(15)でボクサー役を演じるにあたり、6ヶ月間にわたるトレーニングを開始した。腹筋を毎日2000回、約13kmのランニングを週5回という過酷なトレーニングによってボクサーのフィジカルを体得し、13キロ増量する脅威の役作りで筋骨隆々の姿に。手に汗握るファイトシーンもノースタントで演じた。
その他、デヴィッド・フィンチャー監督作品『ゾディアック』(07)、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品『プリズナーズ』『複製された男』など、名だたる監督たちの作品に出演、この2年間で日本公開された作品は6本にものぼり、今後も待機作品が多く控えている。

“超”真面目な撮影態度!ジェイクの素顔とは

ジェイクの撮影に対するストイックな取り組み方は映画界で有名。『ノクターナル・アニマルズ』のトム・フォードは「ジェイクが仕事でリスクを引き受けようとする姿勢に称賛を覚えていただけに、この役にはジェイクを、という気持ちになっていました」と起用の理由のひとつにジェイクの勤勉さを挙げているほど。
また、俳優としての活動以外にも彼の人柄がわかるエピソードがある。
『ブロークバック・マウンテン』で共演したヒース・レジャーとはプライベートでも大の親友であり、ヒースとミシェル・ウィリアムズの間に生まれた子どもの名付け親にして後見人となるほど。
そんな大親友ヒースの若すぎる死を受け、一時期マスコミの前に姿を見せることを完全にシャットアウトするほどふさぎ込み状態になったというジェイク。彼の繊細で、人想いな一面がうかがい知れる。

ジェイク・ギレンホールが新たに挑む二役は、交わらないふたりの男

ジェイク・ギレンホールの主演最新作『ノクターナル・アニマルズ』は、なぜ小説家の元夫が20年前に別れた元妻のもとに、暴力的で衝撃的な内容の小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」を送ってきたのか。そして、離婚した夫婦が20年のときを経て、「捨てた愛」「失った愛」をどう見つめ、いかなる変化を遂げるのか、を問うミステリー。

<映画内小説>と<過去>と<現在>が複雑に絡み合うストーリーで、ジェイクは“繊細な心を持つ小説家志望の元夫エドワード”と、映画内小説で“暴漢に妻と娘を奪われてしまう気弱な男”の二役を演じ分けた。『複製された男』以来の二役だが、『ノクターナル・アニマルズ』のふたりは交わらない。時代も舞台もシチュエーションももちろんキャラクターの違うふたりの男。
これはふたつの映画を撮影するようなものだった。繊細な心情の変化を演じ分けなければならない難しい役どころながら、その鬼気迫る“怪演”ぶりにジェイク・ギレンホールの新たな代表作との呼び声が高い。この二役で20代と40代前半を演じ分けており、20代の若々しいジェイク・ギレンホールの姿に目を見張り、髭を蓄え、苦悩に満ちた表情を浮かべるテキサスの「父親ジェイク」は「来た!これが俺らの好きなジェイク!」と盛り上がること間違いなし!

共演したエイミー・アダムスはジェイクについて「ジェイクはすごく才能があってエネルギーあふれる俳優よ。熱心に物事に取り組むのが好きで、チームで協力するということを大切にしている。そして、ジェイク演じるトニーが主役の<映画内小説>パートの撮影は、暴力的かつ緊張感が張り詰めるシーンの連続で、本当に大変だったと思う。それと同時に彼は<過去>パートの撮影で、私を相手に優しいエドワードを演じるの。脚本を読んだとき、“これは大変な役だ”と思ったわ。でも彼はそれを見事に演じきった」と、彼の俳優としての姿勢と演技を絶賛している。

監督を務めたトム・フォードは、「これはタフな、感情的に大変な役です。ジェイクなら素晴らしい仕事をこなし、期待を裏切らないという確信がありました」と語っており、彼がいかに多くの監督たちからの信頼が厚い俳優なのかが伺える。対してジェイクは、「脚本を読んですぐ心の底から感動し、ショックも受けた。その脚本は失恋に似た何かを語っていた。僕らは何者なのか、誰かにとって真実とは何なのか、という話でもあった。トムは、ぼくがカメラの前で繊細な状態になるために多くの時間と静かな環境を与えてくれた。彼はとんでもなく細部にまでこだわる監督なんだ」と、本作への思いを語った。トム・フォード監督との相性は抜群のようだ。

ジェイク・ギレンホール オフィシャルインタビュー

この度到着したインタビュー動画では、ジェイク・ギレンホールが本作への出演を決めたきっかけや、役作りの仕方、さらには、監督トム・フォードの「完璧主義」のこだわりや今回の共演をきっかけに大ファンになってしまったというエイミー・アダムスの魅力までたっぷりと語っています。

特別インタビュー『ノクターナル・アニマルズ』ジェイク・ギレンホール

youtu.be

【STORY】
経済的には恵まれながらも、夫との関係が上手くいかず満たされない日々を過ごすスーザンのもとに20年前に別れた
元夫から送られてきた衝撃的な内容の小説が送られてくる。精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、
それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。
彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。

脚本・監督:トム・フォード 
出演:エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン
アイラ・フィッシャー、アーミー・ハマー、ローラ・リニー、アンドレア・ライズブロー、マイケル・シーン/
原作:「ノクターナル・アニマルズ」(オースティン・ライト著/ハヤカワ文庫) 
2016/アメリカ/116分/PG-12 /ユニバーサル作品 
配給:ビターズ・エンド/パルコ 
(C)Universal Pictures  

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

11月3日(金・祝)より、TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー!