英雄的ノーベル文学賞詩人を誕生させた背景とは―
注目のチリ出身監督パブロ・ララインが仕掛ける独創的文学サスペンス
本作のメガホンをとったのは、ピノチェト独裁政権の是非を問う国民投票における反対派のキャンペーン活動を描いた『NO』(12)で注目された パブロ・ラライン監督。
ネルーダと同じチリ人のララインが祖国の美しい自然は第二次世界大戦後の混乱期の生活を織り交ぜ、斬新で叙情的 なサスペンス映画に仕立て上げた。
ネルーダ役には、チリの映画界と TV 界で最も知名度が高い俳優の 1 人であるルイス・ニェッコを起用。近年 ではゴールデン・グローブ賞にノミネートされた NETFLIX オリジナルドラマ「ナルコス」にも出演し、活躍の場を国外へも広めている。
またネルーダを 追う警官・ペルショノー役を、メキシコを拠点に世界的に活躍するガエル・ガルシア・ベルナルが演じている。
予告編が完成!
本編はルイス・ニェッコ扮するネルーダの行方を、ガエル・ガルシア・ベルナル扮する警官・ペ ルショノーが追跡する逃亡劇となっている。
享楽主義であるネルーダは、芸術、そして酒と女を愛しながら貧しい人々にも寄り添う毎日を送っていた。ところがある日、政治犯とみなされ政府に追われることに。ネルーダを追う貪欲な警官ペルショノーは血眼でネルーダの行方を捜索するが、なかなか足取りをつかめないでいる。
そんなペルショノーに対し、なぜだか追われる立場であるネルーダの方が「(捕まりたくはないが、ペルショノーを)近くに感じたい」と余裕を見せる。「捕まえてやる」と執念を燃 やしながら雪山の中を一人歩き続けるペルショノーは、宿敵ネルーダを捕まえることができるのだろうか―?また映像にはネルーダの代表的な詩「大いなる歌」から引用した有名な 「罪を与えよ!」のフレーズも盛り込まれている。政府に追われる身でありながらも、ネルーダがいかにして国民の心を動かす詩を生み出したのかが、いま明かされる。
1904 年生まれ。詩人としてノーベル文学賞を受賞したチリの国民的ヒーローとして知られている。 詩人でありながら、共産主義の政治家として活動していたネルーダは芸術を愛し、女性を愛し、酒場を愛するという享楽主義者であり、何よりも貧しい人々に寄り添う博愛主義者だった。
しかし第二次世界大戦後から、 その思想ゆえにチリ政府から追われるようになり、生涯の大半を逃亡生活に費やした。1950 年に代表作ともいえる詩集「大いなる歌」を発表し、1971 年ノーベル文学賞受賞。1973 年に起きたピノチェトによるクーデ ターの 12 日後に死亡。
ネルーダの死因は軍部によるものとの見解もあり。2013 年、チリの司法当局は死因確認のため、遺体を掘り起こし調査したが、遺体より毒物は検出されなかった。
監督:パブロ・ラライン『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
脚本:ギレルモ・カルデロン
出演:ルイス・ニェッコ、ガエル・ガルシア・ベルナル、メルセデス・モラーン他
2016/チリ・アルゼンチン・フランス・スペイン/スペイン語/108 分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/原題:NERUDA/PG12/日本語字幕:石井美智子 字幕監修:野谷文昭
©︎Fabula, FunnyBalloons, AZ Films, Setembro Cine, WilliesMovies, A.I.E. Santiago de Chile, 2016
配給:東北新社 STARCHANNELMOVIES
宣伝:樂舎