いよいよ今年も東京国際映画祭が近づいてまいりましたが、昨年度の東京国際映画祭にて、グランプリを受賞いたしました『ブルーム・オブ・イエスタディ』今月末9月30日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開いたします。

ナチス、ホロコースト関連の作品が次々と公開され、注目を集めている今、ドイツ人として、ホロコーストの問題に一人の人間として向きあい、俳優として、表現について語る主演のラース・アイディンガーのインタビュー動画とナチスの犠牲者となったユダヤ人の祖母を持つザジを演じたフランス人女優アデル・エネルのインタビューの本編映像を合わた特別動画を2本ご紹介します。

(c)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH 

「パーソナル・ショッパー」等話題作に多く出演しているドイツ人俳優、ラース・アイディンガーのインタビュー動画

東京国際映画祭グランプリ作『ブルーム・オブ・イエスタディ』ラース・アイディンガーインタビュー動画

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▼私たちにはホロコーストに向き合う責任がある。
トトという役への取り組み方は?

「どんな役でも自分自身から引き出すようにしている。トト・ブルーメンのような人物を知り合いの中で捜して、
マネするようなことは絶対にしないよ。モノマネは苦手だ。私には この役との類似点がたくさんあるので、そのような面を自身から引き出して演じてる。」

過去の影響を今も感じますか?

「父や祖父が戦争中何をしていたか尋ねられた際
“強制収容所で働き大勢を殺した”と答える人はおそらく ほとんどいないと思う“彼はホロコーストとは何の関係もない”と答えるか“彼は兵隊だった”と言うにとどまるだろう。8割の人は家族の無実を信じている。しかしナチスの支配下でしたから、それには疑問が残りますが。」

(c)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH 

ホロコーストへの向き合い方は?

私たちにはホロコーストに向き合う責任がある。ただし深刻な顔をしてアウシュヴィッツへ行くのはあまりにも陳腐だ。すばらしいことに本作には回想シーンがない。現代に生きる私たちがホロコーストからどんな影響を受けているかに焦点を当てている。

祖父母の世代の歴史がーー私たちの人格や特性をどのように形作ってきたのか
「その点を探るのは非常に興味深いことだと思う。いまだに強い影響を感じるからね。」

ユーモラスな演技を成功させる方法は?

「とても難しい。ユーモラスに演じることを意識しすぎないよう気をつける必要があると思っている。観客にはとても滑稽に見えても、登場人物にはその意識がない状態こそユーモラスだからね。ユーモラスな場面は努めて真面目に捉えた。手近なギャグを売りにして役を裏切るよりも、その状況の悲劇的な側面に注目するほうが面白い。

でも台本を読んでいる時は大笑いばかりしていた。運転手は私とアデルの読み合わせを聞くたびに爆笑していたよ。台本の面白さを実感できた。アデルも私と同じく面白さを前面に出して演じることはなかった。」

フランス人女優アデル・エネルのインタビューと、
メイキング映像を合わた特別動画

東京国際映画祭グランプリ作『ブルーム・オブ・イエスタディ』アデル・エネルのインタビュー動画

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 ▼愛と笑いと勇気でタブーの扉を開ける。
 ナチスの戦犯を祖父に持ち、ホロコーストの研究に人生を捧げるトトと、ナチスの犠牲者となった祖母を持ち、やはりホロコーストの研究に青春を捧げるザジ。スタートは真逆だが、同じ目標に向かう二人が、自分たちのルーツを探す旅を通して、人生を再発見する希望の物語。オープニングから畳みかけるようなユーモアと毒舌に、こんなシリアスなテーマで笑っていいのかと思わず不安を覚えるような、斬新なアプローチは驚きの連続!昨日咲いた花(ブルーム・オブ・イエスタディ)が、きっと明日を輝かせてくれる。破天荒な展開のその先に、すべての人間に、どんな傷でも癒せる、素晴らしい力があることを気付かせてくれる勇気の物語が誕生した。

▼フランスで最も注目される若手女優とドイツの実力派俳優が共演。
 トトに扮するのは『パーソナル・ショッパー』などオリヴィエ・アサイヤス監督作品で知られるラース・アイディンガー。
人生につまずきっぱなしの人間味に溢れた男を、情感をこめて演じた。ザジに扮するのは、セザール賞に4度ノミネートされ2度の受賞を果たしている、ダルデンヌ兄弟監督の『午後8時の訪問者』のアデル・エネル。フレッシュな組み合わせで魅せるヨーロッパの歴史とユーモアがつまった大人の物語。

【物語】
ナチスの戦犯を祖父に持つ男と、ユダヤ人女性が恋におちたら・・・
——時は、現代。ナチスの戦犯を祖父に持ち、家族の罪と向き合うためにホロコーストの研究に人生を捧げる研究者のトト。そして、ナチスの犠牲者となったユダヤ人の祖母を持ち、親族の無念を晴らすために、やはりホロコーストの研究に青春を捧げるインターンのザジ。スタート地点は真逆だが、同じ目標のためにアウシュヴィッツ会議を企画することになった二人。人付き合いが苦手なトトは、フランスからやってきた“今どきの若い女性”のザジに激しく反発するが、彼女の型破りなユーモアにいつの間にか生きる力をもらう。やがて二人は、自分にない何かを求め合うように強く惹かれていく。だが、実は二人の出会いは、偶然ではなかった。ドイツ、ウィーン、ラトビアへと過去を追いかける旅路の途中で、ザジが隠していた“事実”が明かされる・・・。

(c)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH 

出演:ラース・アイディンガー、アデル・エネル、ヤン・ヨーゼフ・リーファース、ハンナー・ヘルツシュプルング
監督・脚本・プロデューサー:クリス・クラウス 
撮影監督:ソニア・ロム 
音楽:アネッテ・フォックス 
美術:ジルク・ビューア 
衣装:ジョイア・ラスペー
ドイツ=オーストリア/2016年/126分/原題:DIE BLUMEN VON GESTERN/ドイツ語・フランス語・英語/カラー/シネスコ/5.1ch/
日本語字幕:吉川美奈子/R15+/
配給:キノフィルムズ・木下グループ       
(c)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH 

9月30日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー