ジュリエット・ビノシュ×永瀬正敏 初共演!!
河瀨直美監督、“神秘の森”で撮影開始!!
カンヌ国際映画祭での運命的な出会いから、遂に映画製作始動―。『Vision』
初めて手がけた劇映画『萌の朱雀』を発表した1997年から20年。
世界で高い評価を受ける河瀨直美監督が、生まれ故郷である奈良県を舞台に、世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュ、そして、日本が世界に誇る俳優永瀬正敏をダブル主演に迎え、新作映画を手がけることがわかった。
奇跡のような瞬間は、突如として訪れた。
ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、河瀨直美―映画への愛で長年トップを走り続けるランナー達が、今年5月の「第70回カンヌ国際映画祭」で運命的な出会いを果たしたことが発端となる。
本作のプロデューサーであるマリアン・スロットが映画祭の公式ディナーで偶然にも河瀨監督と同席となり、国籍や言語の違いを越えて繋がる“映画への愛”を共通のワードに、スロットが河瀨監督にビノシュを引き合わせる。以前よりお互いをリスペクトしていた二人は意気投合。
ビノシュは河瀬監督の次回作出演に意欲を見せ、翌6月には制作が決定。
すぐさま河瀨監督はオリジナル脚本の執筆し、この運命的な出会いからわずか3ヶ月あまりで世界各国の注目を集める河瀬直美監督最新作は、新たな船出を迎えることとなる。
全編奈良で撮影を敢行する本作は、世界中を旅して紀行文エッセイを執筆しているフランスの女性エッセイスト・ジャンヌと、自然豊かな神秘の地・吉野の山々を守る山守の男・智(とも)が出会い、言葉や文化の壁を超え、心を通わせていく物語。ジャンヌはなぜ奈良を訪れたのか。山とともに生きる智が見た未来とは―。
河瀨監督待望の新作タイトルは『Vision』に決定。2018年の全国公開を予定している。
ダブル主演を務めるジュリエット・ビノシュは、1994年に日本公開された『トリコロール/青の愛』で「第50回ヴェネチア国際映画祭」で女優賞を受賞。
更に、1997年日本公開の『イングリッシュペイシェント』で「第47回ベルリン国際映画祭」女優賞、2011年日本公開『トスカーナの贋作』での「第63回カンヌ国際映画祭」女優賞受賞など、世界三大映画祭すべてで女優賞を受賞。
フランスのレオス・カラックス監督やイギリスのアンソニー・ミンゲラ監督、また、イランのアッバス・キアロスタミ監督といった各国を代表する名監督らと名作を世に輩出し、日本をはじめ世界中のファンから愛され続けるフランスの名女優。
そんな彼女が51本目の出演作としてラブコールを送ったのは、カンヌ国際映画祭で衝撃的な世界デビューを遂げた日本を代表する女性監督、河瀨直美。
史上最年少でカンヌ国際映画祭のカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞してから精力的に制作を続ける河瀨作品は、ビノシュの目にどのように写り、ビノシュは今作のカメラの前でどのような姿を魅せてくれるのか、制作決定の段階から早くも多くの映画人から注目を集めている。
ビノシュは、自身の出演作である『ゴースト・イン・ザ・シェル』のキャンペーンで今年3月に来日し、主演のスカーレット・ヨハンソンや共演のビートたけしらとイベントに参加。今回撮影の為、約半年ぶりに来日し、神秘的、且つ、太古の歴史を肌で感じることのできる奈良・吉野で、河瀨監督との共作が今、始まる。
そして、そんな世界的大女優と初共演、ダブル主演を果たすのは、日本が世界に誇る俳優・永瀬正敏。
1983年公開の『ションベン・ライダー』(相米慎二監督)で鮮烈な銀幕デビューを飾り、その後、山田洋次や行定勲、石井岳龍といった日本映画界の並居る監督たちと作品を世に送り出してきた。
更にアメリカ、イギリス、台湾など、世界中の監督からも愛され続け、海外作品を含め90作品以上の映画に出演、まもなく出演数は3桁に達しようとしている。
日本国内の映画賞では様々な受賞歴を持ち、その活躍は日本国内に留まらず、2014年に公開された台湾映画『KANO』(邦題:『KANO 1931海の向こうの甲子園』)では、中華圏以外の俳優では史上初となる「金馬奨最優秀男優賞」にノミネート。アジアでの確固たる地位と評価を得た。
また、1989年公開の『ミステリートレイン』以来、28年ぶりにジム・ジャームッシュ監督最新作『パターソン』が先日日本で封切られ、多数の映画評論家から高評価を博し、大きな話題を呼んだ。
永瀬が出演した2015年に公開された河瀨監督作品『あん』は、同年開催の「第68回カンヌ国際映画祭」で“ある視点部門”に選ばれ、オープニング上映を飾り、世界中の映画ファンが熱狂。その翌年、2016年の「第69回カンヌ国際映画祭」で前述の『パターソン』がコンペティション部門で上映され、こちらも各国のジャーナリストや映画ファンから評価を得た。そして、今年2017年、「第70回カンヌ国際映画祭」で2度目の河瀨監督作品『光』がコンペティション部門に選出され、エキュメニカル審査員賞を授賞。公式上映では約10分にも及ぶスタンディングオベーションがキャスト・監督らへ送られ、カンヌで巻き起こった絶賛の嵐は世界中を駆け抜けた。
『あん』、『パターソン』、『光』での「カンヌ国際映画祭」で3年連続上映は日本人俳優として史上初となり、国内でも大きく報道されたことは記憶に新しい。また、俳優だけでなく写真家としても活動し、現在までに多数の個展を開催。20年以上のキャリアを持っている。
監督業のみならず幅広い分野で活躍する河瀨直美。「なら国際映画祭」においてもエグゼクティブプロデューサーを務め、今年は自身初となるオペラの演出にも挑む。プッチーニ「トスカ」を、ニューヨーク在住の建築家・重松象平による舞台美術と自らが手がける映像でコラボレートし、10月より全国5都市で上演。オペラファンのみならず、多くの映画ファンからも熱い眼差しが送られるだろう。
また、2018年11月23日よりパリ・ポンピドゥセンターにて1ヶ月半に及ぶ「河瀨直美回顧展とインスタレーション」の公開も予定している。
『Vision』への コメント
<監督・脚本:河瀨直美>
今年のカンヌでジュリエット・ビノシュに出逢い、彼女とともに「映画」を創りたいと思った瞬間から、全ての準備がパズルのピースように次々と奇跡的にはまっていき、カンヌから帰国して 3ヶ月ほどで、ゼロからの企画がこうして立ち上がりました。ジュリエットの映画に対する姿勢とフレームの中の存在感は圧倒的です。彼女もやらなければいけない映画という使命と運命を感じてくれていて、日本の奥深い森に来るのは永年の夢だったと聞きました。これからの撮影が楽しみです。
<ジュリエット・ビノシュ>
今年のカンヌ国際映画祭で初めて河瀬監督に会い、彼女の存在感に圧倒されました。監督の作品は拝見していますが、作品で彼女はいつも自然に寄り添い、人のことを愛していますね。フランスで河瀬監督の作品は非常にリスペクトされていて、彼女が紡ぐ表現方法などとても独特で素晴らしいと感じていました。私は昔から、日本の、特に地方を訪れてみたいと思っていました。その土地に住んで、その地域の人たちの生活に触れてみることを夢見ていましたが、今回、その夢が叶いましたね。都会では何も感じることができないけれど、こうして人間のルーツに戻るべきだと改めて思いました。今作の撮影で、実はハリウッド映画の撮影に入っていたのですが、自然のタイミングに合わせスケジュールを調整しました。ここ奈良では自然に囲まれた中で最高に贅沢な時間を味あわせてもらっています。神様へのお祈りにも参加させていただき、地球、世界と繋がっていることを再認識することができ、とても感動しました。
<永瀬正敏>
まず再び奈良の地で河瀨監督の世界に浸らせて頂ける事、とても光栄です。今年のカンヌ国際映画祭で偶然にも出逢った3人が、僅か3ヶ月後同じゴールを目指し未来へ向かっている、、、。日本を代表する、フランスを代表する、と言う肩書きにはもはや収まらない河瀨直美監督とジュリエット・ビノシュさんと共に、しっかりとその未来を見つめたいと思っています。
【STORY】
世界中を旅しながら紀行文エッセイを執筆しているフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)。とあるリサーチのため、アシスタントと共に奈良の吉野を訪れ、杉の木立が連立する山間で生活をしている山守の男・智(とも)と出会う。二人は言葉や文化の壁を超え、次第に心を通わせていく。ジャンヌはなぜ自然豊かな神秘の地を訪れたのか。山とともに生きる智が見た未来とは―。
タイトル:『Vision』
主演:ジュリエット・ビノシュ 永瀬正敏
監督・脚本:河瀨直美
プロデューサー:マリアン・スロット
公開:2018年