これは最終楽章のはじまりなのか
坂本龍一の音楽と思索の旅を捉えたドキュメンタリー
『Ryuichi Sakamoto: CODA』
坂本龍一、ヴェネツィア国際映画祭でのワールドプレミアに登場!
世界的音楽家である坂本龍一を追ったドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』は、11月4日(土)より、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開いたします。
坂本にとって同映画祭は2013年にコンペティション部門の審査員として参加したゆかりの深い映画祭で、今度は出演者としての参加になりました。
上映は、9月3日14時30分(現地時間)より1000席を誇るメイン会場SALA GRANDEにて行われ、エンドロールが始まるやいなや超満員の観客から5分以上に渡って熱狂的なスタンディングオベーションが続く中、坂本は満足気な表情で何度も手を上げてそれに応じました。
また、これに先んじて行われた12時30分(現地時間)より行われた記者会見では、本作が、音楽家としてだけではなく東日本大震災後の坂本の活動にクローズアップされていることにちなんで震災に関する質問が相次ぎました。
シブル監督は、「東京で生まれ育った自分にとっても震災はとても大きな出来事でしたが、坂本さんの震災以降の活動の変化について興味を駆られて、映画を撮らせてほしいとアプローチをしたものの、そのオファーにまさか坂本さんからいい返事をもらえるとは思ってもみませんでした。」と振り返りました。
坂本も、「震災は自分自身にとって大きな出来事でした。震災以前の1992年頃から環境問題に対して懸念は持っていて、自分にできることを取り組もうとしてきたけれど、自分はこれまで自然が発する声というものに充分に耳を傾けてこなかったのではないかと思ったんです。震災以降、すべての瞬間でそれに耳を傾けようと努力していますが、そのことは自分の最新アルバムだけでなくこの映画にも投影されています。」と語りました。
2014年に中咽頭ガンが発覚した後のことについて、監督はそれによりこの映画の制作プランの変更を余儀なくされたことを明かしましたが、一方の坂本は、「震災や病気の前からも<生と死>には向き合ってきましたが、病気をきっかけにそれがよりリアルで身近なものになりました。監督はある意味運がよかったと思います。(病気が発覚したことで)この映画にドラマチックな要素が加わりましたから(笑)」とジョークを交えつつ回答。
その他、劇中でも触れられる多く手掛けてきた映画音楽におけるアプローチやそれに対する想いについてなどたっぷり語りました。
記者会見後、坂本は海外プレスから「マエストロ!」(西洋音楽における芸術家、専門家、巨匠などに対する敬称)の掛け声が飛び交う中サイン&写真攻めにあい、時間が押しているからとスタッフが促すにも関わらずひとりひとり丁寧にサインに応じ、世界の映画人からの人気の高さも伺えました。
【作品情報】
出演:坂本龍一
監督 : スティーブン・ノムラ・シブル
プロデューサー : スティーブン・ノムラ・シブル エリック・ニアリ
エグゼクティブプロデューサー : 角川歴彦 若泉久央 町田修一 空 里香
プロデューサー:橋本佳子
共同制作 : 依田 一 小寺剛雄
撮影 : トム・リッチモンド, ASC 空 音央
編集 : 櫛田尚代 大重裕二
音響効果: トム・ポール
製作/プロダクション:CINERIC BORDERLAND MEDIA
製作:KADOKAWA エイベックス・デジタル 電通ミュージック・アンド・エンタテインメント
制作協力 : NHK 共同プロダクション:ドキュメンタリージャパン
配給 : KADOKAWA
©2017 SKMTDOC, LLC
2017年/アメリカ・日本/カラー/DCP/American Vista/5.1ch/102分